2010年7月17日

グノシエンヌなトルコ石 20

「あの子はねえ、今年の3月まで、このマンションの隣の部屋に住んでいたの」

ピザ屋さんの配達のお姉さんの話です。
私とやよい先生は、少し冷めてしまったキノコのピザとシ-ザースサラダを間に置いて、ダイニングでまったりとしています。
乳首のトルコ石はネジをゆるめにして付けたまま、ローターもアソコに入れたままです。

「近くの音大で声楽専攻してるって言ってた。それとは別にアマチュアのロックバンドでも歌ってるんだって」
「面白い子でね。年はなお子より4つか5つ上じゃないかな?」
喋っているのはほとんどやよい先生です。
私はピザをもそもそ食べながら、聞き役です。

「あたしの部屋を最初に訪ねてきたときが、サイコーだったの。確か3年前くらいの今頃ね」
「その頃のあたしは、今のパートナーとばっかり遊んでいた。半同棲状態。ほぼ毎晩、今日なお子とやってるようなことしてたわけ」
「パートナーもプレイ中の声大きいほうだからね。いくら防音でもちょっとセーブしなきゃなあ、なんて思ってはいたんだけど」
「案の定、隣にバッチリ聞こえていたらしくって、ある夜、隣に住んでるあの子が訪ねてきた。ピンポーンってチャイム押して」
「その夜は、ちょうどパートナーが来ない日だったのね。あたしがインターフォンに出ると、隣のもの、だって」
「あたしはマズイって思ったわ。下手すると大家さんにチクられて追い出されるかもって」
「表向き、このマンションて、近くにある音大生向けの女性限定で、芸術家を目指す女の子たちが集まる格調高いマンションなのよ」
「そこで毎日毎晩、公序良俗に反するような、いやらしい声をあたしたちは響かせてたんだもの」
やよい先生は、ピザをあらかた食べて、今は缶ビールを片手に懐かしそうに話をつづけます。

「それで、あの子を部屋に入れて、このダイニングで話を聞いたの。あの子最初になんて言ったと思う?」
「お姉さん、毎日楽しそうですね?だって。あたしはいよいよマズイって思った」
「でも、その後こう言ったの。アタシもまぜていただけませんか?って。あたしは自分の耳を疑っちゃったわね」

「あの子は、こう考えたそうなの。このマンションは、男子禁制の女だけのマンションのはずなのに、毎晩あんなに楽しそうなすけべ声が聞こえてくるってことは、女性同士でやっているんだろう。つまりそれは噂に聞くレズビアンってやつだな、と」
「それまであの子は、そういうのにはまったく興味なかったし、気持ち悪いとさえ思ってたらしいわ。でも毎晩よがり声を聞かされているうちに気持ちが変わってきたって」
「こんなに毎晩毎晩、楽しそうにしているんだから、よっぽど気持ちいいものなんだろう。それを自分が知らないのは、なんだか損してる気になってきた、って」
「後から聞いた話だと、その頃つきあってたカレシと、とくにセックスの面で意見が衝突することが多くて、めげてたのもあるらしいけどね」

「でも同性愛っていうのは、偏見大きいよ、ちょっと遊ぶだけならいいけど、ってあたしもアドバイスしたけど、あの子、自分でもよーく考えたんだって」
「で、こういう結論になったんだって。たとえばムラムラしててオナニーするでしょ。自分のおっぱいやオマンコさわっているのは、自分の手よね。すなわち女性の手」
「女性の自分が女性の手で気持ち良くなっている。それが自分の手じゃなくて他の女性の手だったとしても、たいした違いはないんじゃないかって」
「なかなかユニークな考えかたでしょ?」
私は思わず強くうなずきました。
て言うか、その論理に納得してしまいました。

「それで、その夜にお相手をしてあげたのよ。かわいい子だし。SMっぽいのじゃなくて、普通のレズ遊びね」
「その後も何回かした後、パートナーにも紹介して、3人でもよく遊んだわ。SMのプレイも一通り」
「あの子は、Sって言うんでもMって言うんでもなくて、無論真性レズになる気もなくて、そのときどきで、面白そうな役になるのが好きなの。適応力が高いって言うか、より自分がすけべになれるほうを、とっさに選べるの」
「ある意味頭のいい子よね。今は、新しいカレシをみつけて、音大卒業と同時にその人のところで同棲している。もちろん男性よ。一回りくらい年の離れたバツイチおじさま」
「その相手の男は、その業界ではかなり名の知れたスタジオミュージシャンらしいわ。ギタリストだったかな。その男のおかげで、彼女が歌っているロックバンドも今年の秋頃にはメジャーデビュー出来そうらしいわ」
「だからと言ってヘンに計算高い子ではないのよ。自然にまわりが、彼女が相応の役におさまるように動いてくれちゃうみたいね。そういう意味ではなおちゃんにも少し似ているかもね」
「今、この部屋の隣は、両方空いてるの。あたしが出て行けば、このフロアにはあと二世帯だけになっちゃうわね」
「あ、でもこの部屋には、9月からあたしの知り合いが住むことになってるんだけどね。彼女もバレエの講師してる」

しばらく沈黙がつづきました。

「やよい先生のパートナーの人は、どんなかたなんですか?」
私は、たいした意図もなく、なんとなくな話の流れで聞きました。
「そうね。説明するのもめんどくさいから、見せてあげる。リビングに行きましょう」

リビングに行くと、やよい先生はDVDをセットして、大きなモニターをパチっと点けました。
ガラスのテーブルとテレビのモニターを前に、平らなままのソファーにやよい先生と並んで腰掛けました。

いきなり全裸で、からだを蜘蛛の巣みたいに縛られたキレイな女性が大写しになります。
乳首にはリング状のピアス?がぶら下がっています。
「この子があたしのパートナー。ドMのミーチャン」
ミーチャンさんは、面影がどことなく私の中学時代の初レズ相手の相原さんに似ていました。
前髪を眉毛のちょっと上で直線に切り揃えた、襟足が長めのボブカットと西洋人的なエキセントリックな顔立ちが。
「キレイな人ですねえ。私、なんとなくやよい先生のパートナーさんは、かわいいぽい女性を想像してました」
「本当に、はかなげでキレイなのよ」
ビデオの中で、ミーチャンさんは四つん這いにされて、皮のムチでお尻をぶたれています。


グノシエンヌなトルコ石 21

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