2010年12月4日

図書室で待ちぼうけ 04

「それがすごくコーフン出来たんで、気に入っちゃって、それから、当てられそうな科目に絞って、ちょくちょくノーパン授業、受けてたの」
「でもどんどん寒くなる季節だったから・・・うちの学校の教室って、冬場は足元からけっこう冷えるじゃない?」
「下着一枚、着けていないだけでも、かなり違うの、寒さが・・・」
「だから、最初のコーフンが薄れてきちゃうと、だんだんやらなくなっちゃった」
「暖かくなるまで大人しくしてよう、って」
相原さんが小さく笑いました。

「三学期になって、ようやく暖かくなってきた頃に、新しいアソビを試してみたの・・・」
「寒い間に、いろいろ考えてて思いついたことなんだけど」
そこで相原さんは言葉を切り、ブラウスの布をコソっと押し上げている右の乳首のあたりに手をあてて、二度、三度、軽く撫ぜました。
目だけは、まっすぐ私を見ています。

「でも、誤解しないで。わたし、いっつもそんなえっちなことばっかり考えて発情してるわけじゃない」
相原さんは、顔を少し上げて目線を窓の外に移しました。
その物思いにふけるような気だるい表情は、大人っぽくてアンニュイな感じで、とっても綺麗です。
「なんだか無性に恥ずかしいことや、えっちなこと、したくなるサイクルがあるみたいなの、わたしって」
「生理の前後とか、性欲が強まる、ってよく言われるけど、わたしのはそれとは関係ないみたい。ある日突然、発情するの」
「一週間で終わるときもあるし、三週間くらいずっとつづいてることもある」
「と思うと、一ヶ月くらい、全然そんな気分にならないこともあるし・・・」

「もちろん、今のわたしは、その発情期の真っ只中!」
相原さんは、おどけるみたいな声でそう言うと、視線を私に戻し、またニコっと笑いました。

「それで、春先に思いついた新しいアソビっていうのは・・・」
「女子トイレの中で、」
相原さんがそこまで言ったとき、突然、教室内にチャイムの音が大きく響き渡りました。
しーんとした教室で、相原さんがお話してくれる静かな声に集中していた私は、その大きな音に驚いて盛大にビクっとしてしまいます。
「あ、もうそんな時間なんだ。最終下校時刻の予鈴。わたしたちもそろそろ引き上げたほうが良さそう」
「このあと、わりとすぐ、見回りの先生が来るから・・・」

「森下さんの家、確か市民プールのほうだったよね?」
「うん」
「わたしは駅のほうだから、商店街までは、一緒に帰れる、ね?」
相原さんと私は、それぞれ自分のスクールバッグを掴んで、肩を並べて三年一組の教室を出ました。

校庭を横切って学校の正門を出るまで、二人とも無言でした。
夕方の空は、まだ夕焼けが残っていて、ときたま気持ちのいい風が私たちの髪を少しだけ揺らします。
相原さんは、私のちょっと前を、何かを考え込むように少しうつむきながら、若干足早気味に歩いています。
私は、その背中を見ながら、ほんの一時間くらい前からの出来事を順番に思い出していました。

「森下さんは、よく本を読んでいるけど、最近は何読んだ?」
相原さんが歩調を緩めて私に並び、話しかけてきました。
住宅街に入ったところです。
ときたま買い物帰りらしきおばさまとすれ違う以外、ほとんど人は歩いていなくて、自動車が一台だけ、狭い道路を徐行しながら私たちを追い越していきました。
「うーんと、最近は・・・」
私は、今読みかけのミステリーの題名を告げて、それからしばらく読書談義になりました。

住宅街の真ん中あたり、路地を少し入ったところの一角に小さな公園があります。
象さんの形をした小さなスベリ台と木の3人掛け程度なベンチが二つしか置いてない小さな公園で、太くて大きな桜の木が一本、公園の端っこに生えていて、その他に、公園を囲む垣根のように、私には名前がわからない高さ二メートルくらいの樹木がまばらに植えてあります。
愛ちゃんたちと一緒に帰るときは、たまにここで、自販機で買ったジュースを飲みながらおしゃべりしていくこともあります。
「森下さん。ちょっと公園に寄ろう」
相原さんが突然、私の手を取って、公園へ向かう路地のほうに引っ張りました。

公園には誰もいませんでした。
相原さんは、私の手を握ったまま公園の中にズンズン入っていきます。
ベンチにでも座るのかなあ・・・
なんて思っていると、ベンチを通り越して、端っこの桜の木のところまで歩いて行きました。
桜の木は、もうとっくに花の季節は終わり、今はキレイな緑色の葉っぱばかりが、たくさんの枝から私たちの頭上を覆っています。
その下だけ、ちょっと薄暗い感じです。
相原さんは、そこで私の手を離し、公園の入口から死角になる、桜の木の裏側に回り込みました。

「森下さんもこっちに来て」
「そこに立ってくれる?」
バッグを自分の足元に置いて、桜の木に背中を預けて立っている相原さんの50センチくらい前の地面を指さします。
私は、言われた通り、相原さんの正面に立ちました。

「森下さん。見てて」
相原さんは、右手を自分のスカートの裾にそろそろと伸ばし、やがて裾を掴むと、またそろそろとスカートをまくり上げていきます。
相原さんの頬がみるみるうちに薄いピンクに染まっていきます。
うつむきがちの上目遣いで私をジーっと見つめながら、右腕だけが徐々に上がっていきます。

「えっ!?あ、相原さ・・・」
「ちょ、ちょっと・・・」
私は、思わず大きな声を出しそうになって、あわてて声をひそめ、まわりをキョロキョロしてしまいます。
さっき見た通り、公園には誰もいません。
視線を戻すと、相原さんの右腕は、自分の胸のところまで上がって止まっていました。
さっきまでスカートに覆われていた相原さんの下半身が剥き出しになって、私の視線の下のほうにありました。
ショーツを着けていない丸出しの白い下半身。
図書室で見たのと同じ、狭い陰毛に飾られたアソコ。
私の胸がどきどき騒ぎ始めます。
視線が下がると同時に、知らず知らずのうちに中腰になっていました。
目を逸らさなくちゃとも思うのですが、どうしても吸い寄せられるように、釘付けになってしまいます。

やがて、私の視界に相原さんの左手がそろそろと降りてきました。
手の甲をこちらに向けて、人差し指と中指を揃えて、あとの指は折り曲げていて、ジャンケンのチョキが閉じているような形です。
その指は、相原さんのアソコの上で止まり、ゆっくりとアソコに押し付けられた後、上半身を軽くのけぞらせる感じで腰全体がグイっと前に突き出されて、閉じていた指と指の間がだんだんと開かれ、本当のチョキの形になっていきました。
「森下さん、わたしの、わたしの中まで、見て・・・奥の、奥まで・・・見て」

指と指の間から、人間の粘膜質な部位特有のピンク色が覗いています。
全体に濡れそぼっていて、ヌラヌラ光っています。
今にも蜜が滴り落ちそうです。
指と指の付け根の真下に、少し皮をかぶりながらも充血してテラテラ光っている小さなお豆も見えます。
私は、瞬きもせず食い入るように見つめてしまいます。
「う、ふうんっ・・・」
相原さんが聞き逃してしまいそうなほど小さな声で、一声啼きました。

見ている前で、そのピンク色の粘膜部分から雫が一滴、ツーっと短い糸を引いてポタリと地面に落ちました。
私は、ハっと我に返って、あわてて腰を伸ばし、目線を相原さんの顔まで上げました。
相原さんは、唇を半開きにしてギューっと目をつぶり、薄っすらと汗ばんでバラ色に染まった顔全体を少し上に上げて、切なそうに眉根にシワを寄せた、見るからにえっちな、悩ましげな顔をしていました。
スカートの裾をつまんだまま胸の真ん中に押し当てている右手には、すごく力が入っているみたいで、つまんでいる指先の血の気が失せて白っぽくなっていました。

ふいに、遠くのほうで女性の話し声みたいなのが聞こえた気がしました。
途端に相原さんの右手指先が緩み、スカートの布がパサっと戻って、相原さんのアソコを隠しました。
同時に左手がブレザーの左ポケットに突っ込まれ、すぐに赤いハンカチを握って外に出てきて、その手で相原さんは自分の額のあたりを軽く拭きました。

話し声がどんどんこっちに近づいてきます。
相原さんは、何もなかったようにゆったりと木にもたれて、私を見てニッコリ笑います。
二人の年配なおばさまがにぎやかにお話をしながら、公園の前の道を通り過ぎ、やがて遠ざかっていきました。


図書室で待ちぼうけ 05

1 件のコメント:

  1. ドキドキの展開ですね。
    この後、二人はどうなっていくのか想像もつきません。

    次回更新を楽しみにしております。

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