2010年12月11日

図書室で待ちぼうけ 07

その翌日。
お昼休みに図書室に用事があった私は、行きすがら、相原さんのクラスをチラっと覗いてみました。
私のクラスと相原さんのクラスは同じ階にあって、私のクラスのお教室は東の端っこ、2クラス分離れています。

他の生徒たちがガヤガヤと行き交う廊下を図書室のほうに歩きながら、
昨日の放課後、ここを相原さんは裸で歩いていたんだなあ・・・
って考えると、今さらながらすごく大胆、って胸がどきどきしてきてしまいます。
相原さんは、クラスのお教室にはいないようでした。

それから、次の火曜日が来るのが待ち遠しいような、でもちょっと怖いような、フクザツな気持ちで日々を過ごしました。

その週の火曜日は、ポカポカ陽気で少し暑いくらいの晴天でした。
6月に入って衣替えとなり、上着を着てこない人たちの姿も目立ちます。
放課後になり、図書室当番に向かう私は、やっぱりワクワクしていました。

相原さんは今日、どんな格好で図書室に現れるんだろう?
相原さんは今日、何をお話してくれるんだろう?
相原さんは今日も、あの公園に私を誘うんだろうか?

その日の図書室も利用者はまばらでした。
開けてすぐに返却に来た人が二人。
その後もちらほら貸出しや返却の人が来て、閲覧のテーブルにはあちこちに散らばって三人。
相原さんは、まだ姿を現しません。
そのうちに時計は4時を回りました。
もう貸出しや返却の人も来なそうなので、私と補佐の二年生の女の子は、カウンターの中でその女の子の私物の少女コミックスを読んでいました。

4時5分になって、相原さんがフラっと手ぶらで現れました。
普通に制服姿でブレザーのボタンも一番下の一つだけはめていました。
先週と違うのは、今日はニーソックスではなくて白のハイソックスなこと。
カウンターの中にいた私にチラッと視線をくれて小さく微笑むと、そのまま奥の本棚のほうに入って行き、姿が見えなくなりました。

しばらくすると、一冊の本を片手に持って戻ってきました。
まっすぐに私の座っているカウンターのところまで歩いて来て、カウンターの前に立ちます。
「森下さん?」
声をひそめて私を呼び、右手で小さく手招きしています。
補佐の女の子と同時に顔を上げた私は、読んでいたコミックスを伏せて机の上に置き、立ち上がって相原さんに近づきました。

「これ。預かっといて」
小声で言いながら、本と一緒に左手で持っていた、小さくたたんだ薄いブルーのハンカチみたいなものを右手に持ち替え、私の右手に押しつけてきました。
「えっ?」
私は、戸惑いながらもそれを受け取り、何だろうな?と掴んだ右手を広げようとして、ふいに気がつき、あわてて手を握ったままブレザーの右ポケットに突っ込みました。
頬がカーッと熱くなってきます。
間違いありません。
相原さんが今、渡してくれたのは、ハンカチなんかじゃなくて、脱ぎたてのショーツです。
ツヤツヤした光沢とスベスベな感触は、シルクのやつかもしれません。
そして、ホンワカと温かい相原さんの体温が生々しく残っていました。

相原さんは、唇の両端を少しだけ上げてニッて小さく笑ってから、澄ました顔でカウンターから一番遠い窓際の席に腰掛け、頬杖ついて本をめくり始めました。
私は、ブレザーのポケットに手を入れたまま、動揺を鎮めようと少しの間うつむいて呼吸を整えてから、カウンター内の自分の席に戻ります。

「もう利用者も来ないだろうから、あなた、先にあがっていいよ」
何も気づかない様子でコミックスを読んでいる補佐の女の子に小声で言いました。
「ほんとですか?ありがとうございます」
女の子も小声で言って、嬉しそうに笑い、読んでいたコミックスを閉じました。
「あ、そのマンガ、先輩、まだ途中ですよね?それ、先輩にお貸ししますから・・・次の委員会のときにでも返してください。そのとき、つづきの巻も持ってきますね」
女の子は、自分のバッグを持って立ち上がり、何度もペコペコお辞儀をしてから、
「お疲れさまでしたー。お先に失礼しまーす」
と小さな声で言い、静かに図書室を出ていきました。

現在、図書室内の利用者は、閲覧席に相原さんも含めて三名。
図書室内は、しんとしていて、ときどき誰かがページをめくる音だけが聞こえてきます。
相原さんは今、ノーパンで本を読んでいるんだ・・・
ポケットから出した右手に残る相原さんのショーツの感触にどぎまぎしながら、そんなことを考えてると、また私の脈拍が上がってきてしまいます。

4時25分になって、相原さん以外の利用者二人が示し合わせたように同時にパタンと本を閉じました。
少し遅れて相原さんも本を閉じ、三人とも立ち上がって本棚に本を戻しに行きました。
そのまま図書室から出ていく二人を尻目に、相原さんは、また私のほうに近づいて来ます。
「教室で待ってる、ね」
小さな声とウインクを残して、図書室を後にしました。

私は、急いで後片付けと戸締りをし、急いで職員室まで行って鍵を返し、急いで3階まで引き返しました。

三年一組の教室のドアをそーっと開けると、相原さんは今日も自分の席、窓際の後ろから三番目、に座ってボンヤリお外を眺めていました。
「お疲れさまー」
ドアを開ける音に気づいた相原さんがゆっくり振り返り、綺麗な微笑を見せてくれます。
教室は、電気は点けてなくて、窓からまだ充分明るい西日が射し込んでいます。
相原さんは、ブレザーを脱いで白い長袖のブラウスを肘のところまで腕まくりしていました。

「相原さん、こ、これ・・・」
私は、相原さんの席に近づきながら、右手をブレザーのポケットに入れてさっきの水色ショーツをつまみ出し、相原さんに差し出します。
「あはは。びっくりした?」
相原さんは、イタズラっ子みたく笑って私を見つめます。

「わたしは、森下さんの言いなりロシュツドレイだから、森下さんに会うときは、下着を一切身に着けちゃいけないの」
「えっ?・・・どういうこと?・・・」
先週と同じく、相原さんの前の席にバッグを置いた私は、相原さんが何を言っているのか意味がわからず、相原さんを見つめてしまいます。
白いブラウスのボタンが三つまではずされ、胸元が大胆に開いて、胸の谷間の膨らみ始めの白い肌が魅惑的に覗いています。
この感じだと、今日もノーブラみたい。
私の視線の動きを追うように見ていた相原さんは、席から立ち上がって、私に背を向けました。

「ううん。いいの。わたしの勝手な脳内設定だから、森下さんは何も気にしなくていいの。そのまま、何もしなくていいの・・・」
「・・・だけど、パンティは、ささっと脱ぐこと出来たんだけど、他に誰か人がいる図書室で上着脱いでブラウス脱いで、ブラはずしてまたブラウス着るっていうのは、さすがに出来なかった。だからブラはさっき、ここで取ったの」
背中を向けたままそんなことを言った後、モデルさんみたいにクルっとターンして、私にからだの正面を向けました。

右手でスカートをめくり上げていました。
ブラウスのボタンも、もっと下まではずされ、左右のおっぱいが上を向いた乳首まで、完全に見えていました。
「森下様の言いつけを守って、今日も菜摘は下着を着けていません・・・どうぞ菜摘のいやらしいからだをごゆっくり・・・存分にご覧ください・・・」
相原さんがお芝居がかった台詞まわしながら、すごく恥ずかしそうに言います。
相原さんと私の頬がみるみる赤く染まっていきます。

相原さんは、まくり上げたスカートの裾をウエストのおへそのあたりに挟みこんで手を離し、その手を後ろに回します。
休め、の姿勢になった相原さんの正面に立っている私は、ある一点からどうしても目を逸らすことができませんでした。
「ね、ねえ相原さん?・・・」
相原さんの目は、相変わらず私の視線を追っています。
「そ、そこの・・・そこの毛、どうしちゃったの?」
私は、相原さんの裸の下半身を遠慮がちに小さく指さします。
先週は、薄いながらもその周辺を黒く飾っていた毛が、今日は見あたらず、ちょっぴりプクっと膨らんだ両内腿の間がツルツルになっているんです。

「昨夜、お風呂で剃っちゃった・・・森下さんにもっとよく、見てもらいたくて・・・」
すっごく恥ずかしそうに、小さな声でつぶやいた相原さんを見て、私は、思わず、なりふりかまわず、相原さんをこの場でギューっと抱きしめたい衝動に駆られていました。


図書室で待ちぼうけ 08

2 件のコメント:

  1. お待ちしていました。
    相変わらずドキドキした展開ですね。

    相原さんの悪戯心がよく伝わってきます。
    図書室で上半身裸になるのは確かに躊躇しますよね。

    その分、誰もいない教室だったら・・・
    大胆になれるかも?

    今後の展開、楽しみにしております。

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  2. あおいさま
    いつもコメントありがとうございます。

    やっと来週の10話くらいから本格的なえっちモード
    に突入できそうです。

    予定より2~3話増えてしまって「短めなお話」で
    はなくなってしまいました。
    ごめんなさい>読んでいただいている皆様

    またおヒマがありましたら、コメントいただけると
    すごく嬉しいです。(≧∀≦)ノ 

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