2011年7月31日

氷の雫で濡らされて 03

カツ、カツ、カツ、カツ・・・
ヒールらしき足音が私のいる個室のほうへ、ゆっくりと近づいてきました。
コンコン!
ノックの音。
「は、はい」
私は、小さな声で答えました。
「ちゃんと目、つぶってる?」
電話で聞いたのと同じ女性の声が聞こえました。
同時に個室のドアのスライドバーがカチャリと滑り、ドアが内側にゆっくり開き始めました。

「あ、は、はいっ!」
実はノックの音がしたときに、思わず目を開いてしまっていました。
ドアが開き始めたのも見ていたのですが、内開きなので、その人の姿はまだ見えませんでした。
そのときに念を押されたので、答えてから私は観念して、再びギュッと目をつぶって下を向きました。

ローズ系のパフュームのいい香りがしてきます。
パタン・・・カチャリ!
内鍵を閉めた音でしょう。
自分の近くに、明らかな人の気配を感じていました。

「絶対、目を開けちゃだめよ!」
「は、はい!」
その人が近づいてくる気配とともに、かぶっていた帽子がフワリとはずされました。
私はドキドキ最高潮で、ギューッと目をつぶっています。
「もう少し顎を上に上げて、カワイイお顔をよーく見せてくれない?」
目をつぶったまま、うつむいていた顔を恐る恐る上げていくと、背後から私の目のところに何か布のようなものがかぶせられました。
「あっ!?」

「ふーっ。目を開けていいわよ。見えないでしょうけど」
その人が可笑しそうな声で、私の耳に息を吹きかけながら言いました。
目を開けても真っ暗。
アイマスクをされちゃったみたいです。

「さてと。おひさしぶりね?直子さん?」
「あ、は、はい・・・」
「ずいぶんキレイになったわねえ。わたしが会った頃は、まだコドモコドモしてたけど、もうすっかりオトナの女性」
その人は、私の左耳に息を吹きかけるみたいに密着して、ささやいてきます。
「ここも、こんなに大きくなって・・・」
言いながら、ブラウス越しに私の右おっぱいがギュッと掴まれました。
斜め背後から掴まれている感じ。
「あーんっ!」
からだがビクンッと盛大に震えて、大きな声が出てしまいました。
「大きな声は出さないのっ!」
右おっぱいを掴まれたまま、耳元の声に叱られました。

「いつ人が入ってくるか、わからないでしょ?個室の中からコソコソ話し声がしていたら、警備員さん呼ばれちゃうわよ?」
「このフロアだと、北側にある女子化粧室が最近改装されて、とってもキレイになったらしいのよ。ピッカピカのパウダールームや着替えスペースまであるんだって」
「そのことを知ってる人はみんなそっちに行くから、そっちのトイレは大人気。だからこっちのトイレを選んだの、人来なそうだから」
「でも、だからってこっちに誰も来ないって保証は無いじゃない?とても切羽詰っちゃった人が飛び込んでくるかもしれないでしょ?」
その人がクスッと笑った気がしました。
私もつられてクスッと笑ってしまいます。
「だから、出来るだけ静かにしていて、ね?」
最後は、すっごくやさしい感じで語りかけられました。
「は、はい」

「直子さんて、意外にお堅いのね?てっきりノーブラで来ると思ったら、ブラしてきてるし」
私の右おっぱいが解放されたのもつかの間、すかさず今度は左おっぱいを揉みしだかれています。
「えっ?で、でも・・・」
「このワンピなら布地しっかりしてるし、細かいピンタックも入っているから、乳首浮いちゃうこともないでしょうに」
「で、でも、わ、私・・・ち、乳首、大きい・・・から・・・」
「へー。そうなんだ?」
左のおっぱいを揉みながら、もう一方の手で私のブラウスの胸元のボタンを上からはずしているみたい。
「それはぜひとも、見せてもらわなきゃー、ね?子猫ちゃん?」

「あっ!」
その言葉を聞いた刹那、一瞬にして理解しました。
ジグソーパズルの最後の1ピースをはめたときみたいな達成感。
「シーナさん、ですね?」
「ピンポーン!やっと当ててくれたわね?ご褒美にアイマスクを取ってあげましょう!」

シーナさんは、私が高二のとき、やよい先生とお泊りデートの2日め、ファミレスで露出遊びをしたときにそのファミレスでウェイトレスさんをしていらした女性で、やよい先生のお仲間でした。
身長が私の肩の少し上くらい、小柄でロリータ全開の可愛らしい容姿のかたなのですが、やよい先生のご説明によると、百合属性のSな人なんだそうです。
やよい先生が東京に行かれてから一度だけ、地元でお会いしたことがあって、今回は、そのとき以来の再会でした。

アイマスクがはずされて、私の視界に入ってきたのは、紛れも無くシーナさんでした。
当時はショートカットでしたが、今目の前にいるシーナさんは、肩までのゆるくウエーブした髪をサイドに流してシルバーの凝った模様のヘアピンで留め、黒のタイトスーツに真っ白いフリル付きブラウスを着ていました。
初々しいOL一年生さんみたい。
可愛らしさにますます磨きがかかっています。

「さっきまで仕事してて直行してきたから、今日はこんな格好なの。本当におひさしぶりね、直子さん」
「はいっ!私、シーナさんも東京に出てこられているなんて、知りませんでした。いつ・・・」
「そういう話は後でゆっくりしましょ?今は直子さんの身だしなみを・・・」
すっかりコーフンして声高になってしまった私の問いかけを遮って、私をたしなめようとするシーナさんの言葉は、バタン!っていう派手に化粧室の扉が開かれる音で遮られました。

シーナさんがご自身のちっちゃくて形の良い唇の前に人差し指を垂直に立て、シーッというジェスチャーをします。
私も真似してシーッ!
見つめ合ってコッソリ笑います。

カンカンカンッ!
乱暴な靴音が聞こえたと思ったらギーッバタン!と大きな音がしました。
どうやら私たちのいる個室の隣の隣に入ったみたい。
カタン、ガチャン、バサバサッ!フーーッ・・・
衣擦れの音の後は安堵のため息?

突然のおトイレ闖入者の動向に耳をそばたてていた私は、そのため息を聞いて緊張が解け、ふっと自分の胸元に目をやりました。
いつの間にか胸元のボタンが全部はずされて、ピンクのブラが丸見えになっていました。
あわてて胸元をかき合わせます。
シーナさんが身振りでダーメってした後、背中を向けろ、っていうジェスチャー。
私が思わず何か言いそうになると、シーッ!

私は、音をたてないようにコソコソと便座の上で腰を回転させ、シーナさんに背中を向けました。
シーナさんは、ソロリソロリと私のワンピースを肩脱ぎにした後、ブラの後ろのホックをそーっと、なるべく音が出ないようにパチッとはずしました。
それから、私の両腕を器用にあやつって、ワンピの両袖とブラの肩紐を両腕からスルスルっと抜いてしまいました。

シーナさんが上半身裸になってしまった私の肩をチョンチョンとつついて、指で指示して私とシーナさんが向かい合うように座り直させました。
私の露になったおっぱいを品定めするようにじーっと見つめるシーナさん。
私は、両手をだらんと下におろして、シーナさんの視線に恥じらいながら耐えています。
両乳首はすでに充分過ぎるほど尖って、ツンと上に背伸びしていました。
シーナさんの右手がそーっと左おっぱいに伸びてきます。
私は思わず両手で胸をかばおうとします。
動き始めた私の右手がすぐにシーナさんの左手に捕まり、右手の甲をシーナさんの右手で軽くつねられました。
シーナさんはわざと作った怖いお顔をしています。

シーナさんが自ら両腕を頭の後ろで組み、私にもやるように、って顎で促してきました。
私は、胸の前でゆっくりと両手を組んでから、組んだ両手のひらを自分の後頭部に当てるように上に上げました。
マゾの服従ポーズ。
おっぱいと両腋の下が無防備全開になってしまいました。

シーナさんが再び右手を伸ばしてきて、私の無防備な左乳首をコソッとつまみました。
「んっ!」
一生懸命口をつぐんで、悦びの声が漏れないようにがまんします。
シーナさんは、親指と人差し指、中指の3本でソフトにつまんだ私の乳首を、捏ね回すようにやんわり弄んできます。
「んぐぅーー」
そのあまりの気持ち良さ。
口をつぐんで一生懸命声が出るのをがまんしているのに、喉の奥から歓喜の唸り声が鳴ってしまいました。

ジャッジャジャーーーッ!
そのとき、闖入者の任務が終わったらしく、水を流す音が聞こえてきました。
シーナさんが右手を引っ込め、私たちはまた、耳をすませばモードに突入。
しばらくガサゴソ聞こえた後、突然!

プゥーーーーーーーッ!

シーナさんと私は一瞬顔を見合わせてから、光の速さでお互い自分の口を押さえ、盛大にうつむきました。
バタンッ!
個室のドアが開く音がして、カンカンカンッって遠ざかる足音を聞いてから、思い切って顔を上げました。
シーナさんも同時だったみたい。
シーナさんの肩が小刻みに震えています。
もちろん私の肩も。
笑いをこらえすぎて、腹筋が痛いほど。
目尻に涙まで溜まっちゃいました。


氷の雫で濡らされて 04

2 件のコメント:

  1. オナラってエッチ系小説にあっては、結構インパクトのある登場の仕方をするものですよね。
    妖しい雰囲気が盛り上がってるのに、一発で一気に雰囲気をかさらっていく、すげーやつ。
    なおこさんも楽しんでますね。

    そういえばこのところランキングが上がってきました。
    アクセス数も上がっている事でしょう。
    お互いがんばらなくっちゃ(^^♪

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  2. あおいさま
    いつもコメントありがとうございます。

    アクセス数が上がったのは、ランジェリーショップのリミックスを読み返してくださっている方々がたくさんいらっしゃったから、みたいです。

    ちゃんと読んでいただけているんだなーって思うと、すっごく嬉しい気持ちでっす(≧∀≦)ノ

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