2011年12月4日

ピアノにまつわるエトセトラ 19

 私の中でクニクニ動きつづける私の人差し指と中指。
 ゆうこ先生が戻ってきたとき、私がオナニーの真っ最中だったら、ゆうこ先生、どんなお顔をされるだろう?
 
 ううん、ここで私がイってしまったら、この後の計画が台無しになっちゃうし…
 あれこれ考えながらも、私の指は相変わらず強く弱く、私の粘膜を刺激つづけていました。
 ここでクリちゃんを軽くひっかけば、もっと…
 どうしようか迷っていると、ガチャンと鉄製扉が開く音がしました。

 あわててショーツから右手を引き抜き、スカートの裾を直しました。
 ビッチョリ濡れている右手は、スカートのポケットから出したハンカチで拭います。
 そのハンカチを再びポケットに押し込んだとき、裸のゆうこ先生が目の前に現われました。

 黒のニーハイストッキング以外は生まれたままの姿。
 外と内との温度差からか、からだ全体がピンク色に上気して、すっごくえっちなオーラを放っています。

「お待たせしました…」
 
 ゆうこ先生は、ピアノ椅子の上でお尻を滑らせて振り返った私の正面に立ち、右手に提げていた小さな紙袋を差し出してきました。
 時計を見ると5時50分ちょうど。
 なんとか課題はクリアです。

「裸でエレベーターホールに出た気分は、どうでした?」

「ドキドキして、どんどん淫らな考えが浮かんできて…」

「物足りないのではありません?」

「いえ、でも、ちょっと…」

「一緒にエレベーター、乗りましょうか?」

「あ、それは…許してください。万が一のとき、わたし、ここに住めなくなってしまいますから…」

「でも、これに味を占めて、エレベーターホールまでの露出行為は、これからもするつもりでしょう?」

「あ、は、はい…」
 
 ゆうこ先生は、イジワルな質問をされるのが嬉しくてたまらないみたいです。

「それで、その袋にあの水着が入っているのですか?でしたらそれを早く着てください。私に差し出してもしょうがないでしょう?」
 
 さっきまで自分で弄っていた余韻がまだ残っていて、イけなかった不満を理不尽にもゆうこ先生にぶつけていました。

「は、はい…」
 
 冷たい私の言葉に、ゾクゾク感じているご様子のゆうこ先生。
 ガサゴソと袋の中をかきまわし、小さな布片を引っ張り出しました。

 ゆうこ先生は、その場でまずボトムのほうを穿きました。
 Vゾーンがベージュ色の小さな逆三角形に隠れました。
 見る見る布地の色が濃くなって肌に貼りついて、白いお肌だから逆に目立ちます。
 ゆうこ先生のすけべな泉は、枯れることを知らないようです。

 次はトップです。
 透明の細い紐に2か所だけ小さな布が付いた不思議なオブジェ。
 小さな布部分を乳首のあたりにあてがってから、両腕を後ろに回して紐を結び始めました。
 首の裏側と背中、2か所を結ぶ方式のようでした。
 着け終えたゆうこ先生のお姿を見たとき、約3年前の夏の日のことがあざやかに頭の中に甦りました。
 
 そうです。
 私はあの日、この姿のゆうこ先生に恋をしてしまったんです。
 この水着を着て、本当に恥ずかしそうにされていたゆうこ先生。
 私の背中にオイルを塗ってくれたゆうこ先生。
 私がご披露したバレエを真剣に褒めてくださったゆうこ先生に。

 ゆうこ先生は、自らマゾの服従ポーズをとって、遠い夏の思い出に耽っている私を見つめていたようでした。
 視線に気づいた私は、がまんしきれずに素に戻って告白していました。

「それなんです!私、先生のそのお姿が見たかったんです!あの日、先生、本当にお綺麗でした」
「私もいつか、そんな格好をしてみたいな、って憧れて。きっと先生も私と同じような性癖なんだろうな、って考えて」
「私と同じような人がいる、それもすっごくお綺麗な人が、ってすっごく嬉しかったんです。だからいつか、ゆうこ先生とちゃんとお話したいなってずっと思っいてたんです」

 ゆうこ先生は服従ポーズのまま、黙って私の話を聞いた後、すっごく可憐な微笑をくれました。

「ありがと。直子ちゃんに、そんなに影響を与えていたなんて知らなかったけれど、慕ってもらえるのは、すごく嬉しいわ」
「わたしも直子ちゃんは、カワイイ子だなーって思っていたのよ。素子さんの娘さんなのだから、あたりまえだけれどね。だから今回のピアノレッスンのお話は、ドキドキしちゃうほど楽しみだった」

「あっ、わたし今、直子ちゃん、なんて気安く呼んでしまいまいした…これはお仕置きものですね…」
「直子さまの願いは、今日こうして叶ったのですから、あとはもうふたりでいっぱい愉しむだけです」

「はい!」

「だから今は、わたしをたくさん虐めて」
 
 パチンとウインクをくださったゆうこ先生に大きくうなずいて、私はエスの人に戻ることにしました。

「それでは先生、先生がお約束を守らなかったことに対するお仕置きを、これから受けてもらいます」

「あ、は、はい…」

「先生がいつもしている自慰行為を、私に視せてください。私の目の前で、オナニーしてください」

「えっ?あ、は、はい…」
 
 ゆうこ先生は、刹那は予想外というお顔をされていましたが、やがてどんどん淫らにお顔がほころんでいきました。

「わかりました。わたしがいつもやっている、とってもヘンタイでいやらしいオナニー姿を、直子さまにだけ、じっくりお見せいたします」
 
 服従ポーズのまま、一言づつ区切るようにゆっくりと答えたゆうこ先生が、丁寧にお辞儀をくれました。

「でも、少し準備が必要なので、このポーズを解いてもよろしいでしょうか?」

「はい。なるべく早く準備してください」

「ありがとうございます。お待ちになっているあいだ、何かお飲み物をご用意しましょう。直子さまもおそらく、喉がお渇きでしょうから」
 
 ベージュの紐水着と黒のニーハイストッキング姿となったゆうこ先生がキッチンのほうへ歩いて行き、冷蔵庫をバタバタさせ始めました。

「直子さま、あちらのソファーで少しお待ちください。わたしはいつも、オナニーはあそこの窓際でするのです。お外の景色がよく見える窓際で。お飲み物もそちらへお持ちいたしますから」
 
 ゆうこ先生のお声がキッチンのほうから聞こえたので、立ち上がってご指示通り移動しました。

 応接セットのソファーに腰掛け、2メートルくらい離れた大きなガラス窓の向こうを見るともなしに見ていました。
 もうお外はすっかり暗くなっていました。
 この高さからでは家々の灯りも見えませんが、窓辺に近づいて見下ろせばきっと、キレイな夜景を見ることが出来るのでしょう。

 えんじ色のカーペットは応接セットまでで終わっていて、窓の周辺のスペースは茶色いフローリングのままになっていました。
 ゆうこ先生、いつもここでオナニーしているんだ…
 
 背の高さ以上ある大きな素通しのガラス窓。
 その向こうのお外は、広めのバルコニー。
 
 見える範囲にここより高い建物も見当たりませんから、お外から覗かれる心配は皆無のようでした。
 確かにここで暖かい日に、窓を開け放してオナニーしたら、気持ちいいだろうなあ。
 ぼんやりそんなことを考えていたら、ゆうこ先生が近づいて来ていました。

「お待たせしました。クリスマスも近いのでスパークリングワインにしました。アルコールはほんのちょびっとだから」
 
 銀盆の上に、細かい泡がシュワシュワしている透明の飲み物が入ったグラスを2つ載せて、ゆうこ先生が私の向かい側のソファーに座ろうとしたとき、
 
 ドンガラガラガッシャーンッ!
 ゆうこ先生が何かに見事につまずいて、座っている私へ銀盆を投げ出すようにぶちまけてしまいました。

「きゃーっ!」

「ごめんなさいごめんなさい!だいじょうぶ?グラス割れていない?ガラスでケガしていない?」
 
 ゆうこ先生のあわてふためいたお声。

 私のブラウスとスカートはびしょ濡れでした。
 幸いグラスが割れたりはしなかったので、お洋服だけの被害で終わりました。

「大丈夫です、先生」
 
 ソファーに転がったグラスを拾いながら立ち上がりました。

「ごめんね、ごめんね。制服がグショグショになっちゃたわね。本当にごめんなさい」
「すぐにお洗濯しますから。この部屋にもバスルームに洗濯機があるから、そこで濡れた服、脱いじゃって」
「ほら、こっちこっち」
 
 あわてた素振りのゆうこ先生の丸出しのお尻を追いながら、私は苦笑いをこらえていました。

 これはどう見ても、ゆうこ先生の策略でした。
 私にお洋服を脱ぐための口実を与えてくださったのでしょう。
 
 つまずき方が下手なコントみたいにいかにもワザとらしかったし、グラスが落ちてきてから思い出したようにお盆が落ちてきたし、飲み物の入ったグラスも厚いガラスのやつだったし。
 普通、ワインとかシャンパンには薄いガラスの小洒落たグラスを使いますよね?
 
 グラスが本当に割れちゃって、万が一にも私がケガをしないようにというご配慮だったのでしょう。
 飲み物の入ったグラスは、ビールジョッキみたいに分厚いガラス製でした。

 早くお洋服を脱ぎたいな、と思っていた私には、嬉しいご配慮でした。
 ブラジャーまでグッショリでしたから、ここでゆうこ先生に私の生おっぱいをご披露することになりそうです。
 
 急激に高まってくるドキドキとワクワクを隠すのがもう大変。
 嘘でも怒ったフリをして、ゆうこ先生のお尻を2、3発はぶたなきゃいけないかな、なんて考えながら、バスルームまでついていきました。


ピアノにまつわるエトセトラ 20

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