2013年6月30日

独り暮らしと私 16

「すごい格好ね。奥まで丸見えで露出狂そのものって感じ。それも自分で広げて見せてるんだから。マゾ子、恥ずかしくないの?」
「そ、それは・・・恥ずかしいです・・・すごく・・・」
「でもヘンタイだから、視られてるって思うとビンビン感じちゃうんでしょ?」
「は、はい・・・」
「後から後からスケベ汁が滴ってるもんね。悦んでるのモロばれ。ホントいやらしい女」
 ヨシノさまたち3人は、その場にしゃがみ込み、私が自ら押し広げている性器の中をニヤニヤ覗き込んでいます。

「他人のマンコの中、こんなにまじまじ見るのって、初めてだよー」
「ほんと、よくこんな格好できるよね。それにこいつのクリ、でかすぎ。小指の先くらいあるんじゃない?」
「いつも弄ってるから、どんどんおっきくなっちゃったんだよきっと。オナニーばっかしててさ」
「たまに中がヒクヒク動くよね。うちらの言葉に反応してるみたい」
「年下にここまでバカにされて、悔しくないのかね?マゾってわかんないわー」
「でも、マンコの中ってちょっと見グロいけど、ずっと見てるとなんかキレイにも思えてくるねー」
「うん。ピンク色が濡れてツヤツヤ光ってて、神秘的な感じもする」
「うち帰ったら、鏡で自分の、見てみようかな・・・」

 私の性器に対する批評がひとしきりつづいた後、ヨシノさまが立ち上がり、私を見下ろして聞きました。
「ねえ?マゾ子って大学生?」
「あ、いいえ。中退して、今は家政婦をしています・・・住み込みの・・・」
「へー。そっかー、住み込み家政婦かー。ふーん。なるほどねー」
 ヨシノさま、すごく納得いった、みたいな満足げな表情。
「つまりは、その雇い主のスケベおやじに、毎日いろいろ調教されてるってワケだ?マン毛剃られたりとか」
「あ、は、はい・・・だけど・・・」
「だからそんなにドマゾぶりが板についてるんだねー。なるほどねー」

「毎晩そのパイパンマンコに、ご主人様のブッ太いのをブチ込まれてるんでしょ?」
「えっと、あ、主さまは女性のかたです・・・」
「えーーっ!?」
 3人から大げさな驚きの声。
「雇い主は女で、その女がマゾ子をマゾ調教してるってこと?」
「はい・・・そうです・・・」
「うひゃー。ひょっとしてマゾ子って、レズなの?」
「はい・・・私は、男性にはまったく興味が無いんです・・・」
「おおおおっ!」
 男性が苦手とか怖いとか余計なことを言うと、その線でいじられてしまうと思ったので、わざとあっさり答えました。

「マゾで、露出狂で、おまけにレズかあ。マゾ子ってアブノーマルのかたまりだね」
「それで、その調教はイヤイヤされてるの?それともマゾ子も望んでるの?」
「そ、それは・・・」
「ま、今のマゾ子見れば、わかるか。イヤならさっさと逃げればいいんだしさ」
「するとつまりひょっとして、今うちらに虐められているこの状況も、マゾ子にとっては、普通に、と言うか、かなり嬉しいことなんじゃない?」
「は、はい・・・同性のかたに虐められていると、それはみじめで恥ずかしいことなのだけれど、とても興奮もしてしまいます・・・」

「うわっ。ちょっとキモくなってきたわ」
「つまり、うちらが辱めれば辱めるほど、マゾ子は悦んじゃうってワケかよ?」
 ヨシノさまが盛大に眉をひそめ、私の顔を睨みつけます。
「ふーん。だったら、思い切り悦ばせてあげようじゃない?あたし、なんだか無性にムカムカしてきたわ」

「で、その女主人は、マゾ子をどんなふうに虐めるのよ?」
 もはや完全に侮蔑しか感じられないヨシノさまの冷めたお声。
 その視線が、めくり上げたウェアから露出してピンと上向きに尖っている私の乳首を凝視しています。
「はい・・・えっと、縄で縛ったり、鞭で打ったり、恥ずかしい服装でお外へ連れ出したり・・・」
「SMフルコースってわけね。それなら痛いのも好物のはずだね?」
「はい・・・でも、あんまり痛いのは・・・」

 バッチ-ン!
 いきなり右のおっぱいを横からビンタするみたいに思いっきり平手で叩かれました。
「あうっ!」
 不意を突く痛みに、思わず性器を広げていた腕をはずし、胸をかばってしまいます。
「さっき教えたばっかりでしょ!ドレイに、でも、の言葉は無いって!もう忘れたの?」
「それに手もそこじゃないっ!あたしがいつマンコ閉じていいって言った?ちゃんと淫乱マンコ広げてなっ!」

 憎悪剥き出しのお顔になったヨシノさまが、その指先に爪が白くなるほどの力を込めて、私の右乳首を潰しながら引っ張ります。
「ああんっ、いたいですぅー、ごめんなさいぃ、ごめんなさいひぃ・・・」
 私は喘ぎながらお許しを乞い、お言いつけ通り両手を内腿に戻し、さっきよりいっそう広げてしまいます。
「痛くても気持ちいいんでしょ?女に虐められるのが大好きなヘンタイドマゾなんだからっ!」
「あうっぅぅーーーっ!」
 内腿の両手が腿をさするみたいに無意識に動き、アソコの穴がお魚の口みたいにパクパクしています。

 ようやく乳首が開放されたと思ったら、左右のおっぱいに怒涛のような往復ビンタ連発が始まりました。
 バチン、バチン、バチン、バチン・・・
「ほらほらほら、ドスケベおっぱいをこんなに悦ばせてやってるんだから、お礼を言いな、お礼をっ!」
 明らかに性的に興奮されているヨシノさまの紅潮されたお顔に、私もどんどん昂ぶっていきます。
「ああん、ありがとうございますぅ・・・あうっ!いたいですぅ、いたいですぅ・・・」

 おっぱいを延々とはたかれて、その痛さに目尻から涙が滲んできます。
 左右のおっぱいが赤く腫れて熱を持ち、ジンジンしてきてますます敏感になっています。
 おっぱいに痛みが走るたびに、自分で広げている洞窟からポタポタよだれが垂れています。
「ああっ、うぅぅぅ・・・」
 脳内ドーパミンか何かで快感に変換されつつある苦痛が、下腹部をモヤモヤと刺激してきます。
 そのモヤモヤは、性的な高まりと一緒に予想外な欲求をも連れて来ていました。
 イキそう、イキそう、と身悶えている下腹部を、猛烈な尿意が同時に襲っていました。
 さっきまでそんな感じはぜんぜんしていなかったのに、もはや待ったなしの状態にまで差し迫っていました。

「ああっうぅ・・・」
 乳房嬲りはまだつづいていました。
 両乳首をつままれてブンブン引っ張られます。
「ほら、イキなよ?痛いのに気持ちいいんだろ?ドスケベ乳首がコリコリじゃん?さっさとイけよっ!」
「ああああーっ、いいですぅ、でもだめだめだめぇ・・・」
 もうがまんの限界でした。
「ああん、でちゃうでちゃうでちゃうぅぅぅ」
「あ、だめだめみないでみないででちゃうぅぅぅーーっ。いやーーーーっ!!!」
 ジョボジョボジョボジョー・・・

「うわっ!こいつオシッコ漏らしやがった!」
 3人がいっせいに後ろへ飛び退きました。
「うっひゃー。きたねーなー。いい年して人前で失禁かよ?」
「ほんとにしょーもない女だなー」
 私は、性的な快感に放尿の爽快感も加わり、えもいわれぬ陶酔を感じる一方で、人前で放尿してしまったそのあまりの恥ずかしさに顔が上げられません。

 ツカツカと私の汚い水溜りを器用に避けながら足が近づいてきます。
 あのシューズはたぶんヨシノさま、と思う間もなく、ジャーッと強烈な水流が私を頭上から襲いました。
「ひゃっ!つめたいーっ!」
 勢いのある冷たい水流に、たちまち私は全身びしょ濡れ。
「まったくホントに汚らしい女だな?掃除しろって言われてるのに自分で汚してちゃ世話無いわ!」
 ヨシノさまが片手にシャワーのノズルを持ち、もう一方の手で私の髪を掴み、私の顔面にシャワーを浴びせかけてきます。
 至近距離からの強い水圧に。私の顔面でバチバチ音がしています。
「いやいやっ、やめて、やめれくらひゃーひいっ!」
 口の中にまで勢いの良い水流が飛び込んできて、呂律が回りません。
「何がいやーだよっ!?マゾ子が汚した床を洗い流してやってんだろ?ついでにその汚いマンコも洗ってやるよ!」
 ヨシノさまは、ご自分のからだが濡れるのもおかまいなく、至近距離から私の全身に強いシャワーを浴びせかけてきました。

 めくり上げていたテニスウェアは、水圧で元通りになり、おっぱいは隠されました。
でも、びっしょり濡れたウェアがボディコンみたいにピッタリ肌に貼りつき、乳首はおろか乳房の丸みまで丸わかり。
「おおお。マゾ子濡れ透けでセクシーじゃん」
 ヨシノさまの薄ら笑い。
 まとめていた髪は解け、ぺったんこになって額や頬に張りついています。
「ドマゾなマゾ子はずぶ濡れ姿が良く似合うねー。川に落ちた犬みたい。みじめさが滲み出てるよー」
 全身をひとしきり水責めされて、シャワーが止まりました。

「マゾ子、椅子をはずして、和式便所でオシッコするときみたいにしゃがみな」
「えっ?」
「いいから、しゃがめって言ってるの。あ、スコートは脱げ」
「えっ?」
「だから、えっ?じゃないの。言われた通りにするしかないって、まだわからないの?」
「は、はい・・・」
 スコートのホックをはずし、下半身だけ裸になってその場にしゃがみ込みます。
「膝は開いてパイパンマンコがよく見えるようにしときなよ。これからあたしがマゾ子を犯してイカせてやるんだから」
 ヨシノさまがニヤリと笑います。

「マゾ子みたいな汚い淫乱マンコには、清浄な水でのお清めが必要だと思わない?」
 ヨシノさまが他のおふたりに問いかけます。
「だけど、マゾ子は根っからの淫乱ドスケベだから、きれいな水にさえ喘ぎ声出しちゃうんだろうけどね」
 ニヤッと笑って再度シャワーのコックをひねりました。
 勢いよくお水が飛び出します。
「意外と知られてないんだけどさ、ここのシャワーって水圧調整出来るんだよ」
「もっとも、一番水圧をきつくするとシャワーじゃなくて一直線の水流になっちゃうんだけどさ」
「要は庭の水撒きホースとかの原理と一緒だね」
 言いながら、シャワーヘッドの先っちょ部分をひねりました。
 放射状に出ていたお水が一本の線状になりました。
 同時にしゃがんでいる私のバストめがけてお水が勢い良く跳びかかって来ました。

「ああんっ!」
 一瞬、痛い、と思うほどのすごい水圧。
 お水が当たっている部分の肌がへこんでしまうほど、おっぱい全体が揺れてしまうほど強い水圧です。
「いやあっーん」
 乳首に当たると、布の上からでも乳首が肌にのめりこみ、斜めに傾いてしまいます。
「あんっあんっあんっ」
 まるで強力なマッサージ器を押し当てられているような激しい振動。
 こんなのをアソコに直に当てられたら・・・

「ほらね、やっぱり喘いでるでしょ?」
 ヨシノさまが愉快そうに言います。
「ねえ、マゾ子、気持ちいいの?」
「は、はいぃ。気持ちいいですぅ」
「このままおっぱいだけでイっちゃう?」
「ああんっ、出来ればこちらに当てていただけるとぉ・・・」
 そう言って、私はしゃがみ込んだ両膝をM字に大きく開きます。
「えっ、こちらって、どこ?わかんない」
「マゾ子の、恥ずかしいところ、ですぅ」
「恥ずかしいとこ、って、マゾ子は存在自体が恥ずかしいじゃん」
「だ、だから、マゾ子の、お、オマンコにですぅ」
「マゾ子の小汚いドスケベマンコでしょ?」
「はいぃ、マゾ子の薄汚い淫乱ドスケベオマンコにくださいぃ」
 キャハハハと、3人の愉しそうな笑い声が響きます。
 
 そして・・・


独り暮らしと私 17


2013年6月22日

独り暮らしと私 15

「おっけ。それじゃあヨシノにまかせるわ」
 他のふたりがうなずいて一歩後ろへ下がり、ヨシノと呼ばれた女の子が私の前に立ちました。

「マゾ子、本当にうちらが来る前、ここでオナニーしてたの?」
「ご、ごめんなさい・・・」
「さっきの試合でめいっぱい辱められて、からだに火が点いちゃったんでしょう?マゾ子って露出狂ぽいもんね?」
「・・・」
「疼いちゃったんでしょ?マゾだからしょうがないわね。で、イったの?」
「あ、いえ、いいえ・・・」
「イク前にうちらが邪魔しちゃったってワケか?悪いことしちゃったね」
 ヨシノさん、唇に薄い笑いを浮かべつつ、妙にやさしい口調。

「じゃあさ、つづき、やっていいよ」
「えっ?・・・えっと・・・」
「だから、つづき。うちらが見ててあげるからさ。イっちゃいなよ」
「・・・今、ここで、ですか?」
「そう」
「で、でも・・・」
 ヨシノさんの目がスーッと細くなって眉根が寄りました。

「あのね、ドレイには、でも、とか、だって、とかの言葉は許されないの!」
「マゾ子、さっき教えてやったでしょ?あたしの言葉は全部命令!マゾ子は絶対服従!」
「うちらが来る前にやってた通りに、すればいいだけ。簡単じゃん」

「わ、わかりました・・・」
 ヨシノさんの迫力に気圧されて、観念しました。
 私の恥ずかしい水溜りがあるシャワーブースに再び入り、奥の壁にもたれ、左手はウェアの上からバストに、右手はスコートの中へ潜らせます。
「やるからには、ちゃんとイキなさいよ?手を抜いてフリとかしたらまたお尻ひっぱたくからね」
「は、はい・・・」

 もぞもぞと両手を動かしてみますが、なかなか集中出来ません。
 誰かに視られている、という状況自体は、私の性癖にとって嬉しいことなのですが、ヨシノさんたちが、このまますんなり最後まで大人しく私のオナニーを見物しているだけ、とは到底思えないので、その後どうされちゃうのか、そんな不気味さのほうが勝ってしまっています。
 3人は、それぞれブースの壁にもたれて、ジーッと私を見つめています。

「へー、意外と普通なやり方なんだ。でもちょっとスコートじゃま。マンコが見えない」
「さっきの試合のときみたく、めくりっぱにしなさい。裾挟んで」
 ヨシノさんのご命令口調。
「早いとこマッパにしちゃえばいいじゃん」
 ひとりが笑いながら言うと、すかさずヨシノさんが、
「のんのんのーとるだむ。わかってないねー。中途半端にだらしなく服着てるとこが萌えるんじゃん。隠せるのに隠せない、みたいな。ね?マゾ子?」
 私に同意を求めてきます。
「あ、はい・・・」
 私は、いったん指を抜いて、スコートの前と後ろをウエストに挟み込みました。

「へー。言われなくても後ろもめくるとこなんか、よくわかってるじゃん」
「ホント見事にいやらしいパイパンだよねー。ドスケベさが滲み出てる、って感じ」
「あっ、マゾ子みたいな女は、嘲笑われたり罵られるとキュンキュン感じちゃうはずだから、ふたりともどんどん思ったこと言っちゃっていいよ」
 他のおふたりがケラケラ笑ってうなずき、私の全身を舐めるように見つめてきます。

「しっかし人前でオナニーなんて、よく出来るよねー」
「だってこいつはヘンタイ露出狂だもん。そんな恥ずかしさがマゾには超気持ちいいんでしょうよ」
「うわっ、マンコがグチュグチュいってるよー」
「腰をクイクイ動かしちゃって、まさにサカッてる犬みたい!」
「見てよ、あのうれしそうなアヘ顔。しかもこっちにマンコ突き出してきてるし」

 今の私の様子を、耳を塞ぎたくなるようなお下品なお言葉で形容され、そのお言葉のひとつひとつに敏感に反応してしまうドマゾな心とからだ。
 最初のうちこそぎこちなかった指の動きも、さっきと同じくらいの熱心さになってきました。
「んーっぅぅぅ」
 気を抜いたら途端に洩れてしまう悦びの嗚咽を、真一文字に唇を結んで懸命にこらえます。
 心のどこかにまだ、こんな恥ずかしいことを好き好んでやっているのではない、と年下の彼女たちに思わせたい気持ちがあるのでしょう。
 マゾでも露出狂でもなく、ご命令だから仕方なく従って、強制的にオナニーさせられている可哀想な私・・・

「ほら、マゾ子、遠慮しないで声もどんどん出していいよ」
 私の心を見透かしているかのように、ヨシノさんがニヤニヤ笑いで言いました。
「マゾ子のいやらしいアヘ声、聞かせなさい」
 そのお言葉を聞いた途端、さっきまでのがまんはどこへやら、私の唇から堰を切ったように淫ら声が溢れ出てきました。
「ああああーっん、んっんっんっーー」
「ううーんっ、ぅぅぅぅ・・・」
「あっ、いいっ、いいっ、ぃいぃーーっ!」
 自分のおっぱいを激しく揉みしだき、指の抽挿もテンポアップ。
 ぐんぐん昂ぶっていきます。

「うわー。いやらしい声!今度は、春先のサカった猫だね」
「ちょっと、マゾ子、超マジじゃん。うちらに見られててもおかまいなしかよ?」
「よだれまで垂らして、顔がどピンク。マジイキだよ?信じらんなーい!」

「あっ、あっ、あっ、あっ・・・」
 快楽のゴールはすぐそこ。
 腰がピクピク痙攣し始めます。
「ちょっとマゾ子、イクときはちゃんと言いなさいよ。マゾ子イきまーす、って大きな声で!」
 ヨシノさまが私にもう一歩近づいて来ました。
「あんっっ、あんっ、あ、は、はいぃぃ」
 両手の動きは止めず、身悶えしながらなんとか答えます。

「それから、目は絶対つぶっちゃだめ。うちら全員をちゃんと見ながらイクこと。わかった?」
「あっ、はぃっ、はぃぃーーっ!いっ、いっ・・・」
 快感に埋没したくてつぶっていた目をご命令通り開けると、目の前にヨシノさまのお顔がありました。
 笑いを含んだ、思い切り私を見下しているサディスティックな瞳。
 その瞳と目が合ったとき、私の絶頂への最後の扉がゆっくりと開き始めました。

「あっ、あっ、いっ、いっ、ィき、ィきまっ、まぞっ、いきまーっ、あっ!」
 大波がゾゾゾッと爪先から駆け上がり始めた瞬間、激しく動いていた私の両手首ががっちりと掴まれました。
「いやっ!」
 行為を続行しようとからだをくねらせますが、両手首を掴んだ力はとても強く、そのまま私のからだから引き剥がされてしまいました、
「はい、そこまでー。おしまーい」
 心の底から愉しそうなヨシノさまのお声。
 私の両手首を掴んだまま強引に左右に広げ、磔みたいな形で私を壁に押し付けてニヤニヤ笑っています。
 必然的にふたりのからだは、抱き合うかのように接近し、私の眼前すぐにヨシノさまのお顔。
 少し首を動かせば、ヨシノさまの唇にキス出来そうなほど。

「まさかそのまますんなり、イかせてもらえるなんて思ってたの?」
「なワケないじゃん?マゾ子が気持ち良くなったところで、うちらぜんぜん面白くないし」
「うちらはあんたをイジメに来たんだからさ。そういうの、好きなんでしょ?」
 私は、イヤイヤするように首を振ります。
 あともう一歩でめくるめく快感にたどり着けたはずの全身が、ピクピクピクピクあちこちで抗議の痙攣をくりかえしています。

「何、その恨めしそうな目つき。ドレイの分際でっ!」
 私の剥き出しな土手に、ヨシノさまの右膝が、膝蹴りするみたいに押し当てられました。
「ああんっ!」
「うわっ、こんなとこまですんごく熱くなってる。それに本気汁でベチョベチョだし。きったねーなー」
「マゾ子はこの膝を、もっと下にあてて欲しいんでしょ?」
 ヨシノさまの瞳をすがる思いで見つめて、コクコクうなずく私。
「だが断る。こんな汚い淫乱マンコに、さわりたくもないね」
 そのまま下腹部をお膝でグリグリ押されます。
「ああーーっ、いたいですぅ」
 そう言いながらも、私は懸命に背伸びをして、ヨシノさまのお膝が私の土手より下にあたるよう誘導を試みます。
 その行為を嘲笑うかのように、ヨシノさまのお膝は上へと逃げていきます。
 弄って欲しいところへ微妙に届かない、もどかし過ぎる蹂躙に、イけなかったからだが猛烈に疼いてしまいます。

「こんなふうになったら、もうこいつは、イかせてもらう為だったら、何でもやるはずだよ。どんなみっともないことでも、恥ずかしいことでもさ、ね、マゾ子?」
 ヨシノさまが私の手首を離し、おふたりのほうに向いてそう説明してから、再び私に同意を求めます。
 私は、自発的に磔の形をキープしながらも、自分の秘部に手を伸ばしたくてウズウズが飽和状態。
「はいっ、どんなことでも、何でもしますから。だからどうか、どうかマゾ子をイかせてくださいぃ」
 とうとう自分で言ってしまいました。

「うひゃーっ。自分でマゾ子って言っちゃってるよー。底無しのドヘンタイ女だなー」
「ちょっとひいちゃうよね。でもお望みなんだから、何かさせたいねー」
「マッパでテニスコートに放り出そうか?でも、コートじゃ生ぬるいかー。いっそ街中に連れてく?」
「その様子をビデオで撮ってネットで売ったら、金儲け出来そうだねー」
 はしゃぎながら言い合うおふたりを笑って見ていたヨシノさまが、私のほうに向き直りました。

「何してもらうかはまた後で考えるとしてさ。あたし、マゾ子のこと、もっとよく知りたいんだよね」
「マゾ子がどのくらいヘンタイなのか、ちょっとインタビューするからさ。正直に答えなさいよ?」
「マゾ子はそこに座って」
 ヨシノさまが、各ブースに一個づつ置いてあるプラスティックぽい椅子、お風呂場に良く置いてある丸っこくて腰掛けるだけのやつ、を私の前に置きました。

「は、はい・・・」
 壁に預けていた背中を離し、おずおずとそこに腰掛けます。
 スコートの裾は前後ともめくれ上がったまま、裸のお尻をピンク色の合成樹脂っぽい表面に直に乗せました。
 椅子の高さは40センチほどなので、腰が膝より少し沈むくらい。
 もちろん左右の膝頭はピタッとくっつけて座りました。

「もう少し浅く座って」
 言われた通りに腰を少し前へずらします。
「両膝を広げて」
「えっ?」
「早く!」
「は、はい」
 両手で股間を隠してから、ゆっくり膝を左右に広げます。
「何をいまさらぶりっ子してんの?手は後ろっ!」
「はい・・・」
「もっと広げて、がばーっと」
「もっと」
「もっと」
「あああ・・・」
 言われるままに、私の両膝はほぼ180度にまで開いています。
 両手は組んで背中に。
 ワレメのスジがぱっくり開いて中身が丸見えのはず。

「意外とからだやわらかいのね。何かスポーツ、やってたの?」
「あっ、いえ・・・」
 バレエをしてたなんて言ったら、もっとひどい格好をさせられそうなので嘘をつきます。
「そうでしょうね。テニス、下手くそだったもんね。まあどうでもいいや。おっぱいも出しなさい」
「えっ?」
「さっきみたいにウェアまくり上げて、そのいやらしいおっぱいも見せなさい、って言ってるの」
 ヨシノさまがデッキブラシの柄で、私のウェアの裾をつつきます。
「は、はい・・・」

 ウェアを裾から巻き上げながら折りたたむようにして、乳房の上までまくり上げました。
「留めておく洗濯バサミとかないから、ずれ落ちちゃうかな?でもまあ、そのいやらしく尖ってる乳首にひっかかるから大丈夫そうね」
「それじゃあ、最後の仕上げ」
「自分の両手で、マンコをもっと押し広げなさい」
「えっ!?」
「あたしは、マゾ子のその、イきそびれたいやらしいマンコの奥をじっくり見ながらインタビューしたいの。だから早く広げなさい」
「ただし、広げる以外は、何一つしちゃダメだからね。ただビラビラを左右に広げて奥を見せるだけ。さあ早く!」

 自分の手がワレメの一番外側の唇に触れたとき、ビクンとからだが震えました。
 出来ることなら、このまま指を突っ込んで掻き回しちゃいたい。
 これ見よがしに飛び出している肉の芽をひねりつぶしてイっちゃいたい。
 でも、それが出来るようになるには、まだまだ耐え難い恥辱を受けなければいけないようです。
 左右の内腿の皮膚を外側へ集めるように、ゆっくりと両手でその部分を押し広げます。
 溜まっていた蜜がトロリと肛門のほうへしたたり、ヨシノさまたち3人の興味シンシンな視線が私の性器に突き刺さりました。


独り暮らしと私 16

2013年6月15日

独り暮らしと私 14

 マッチポイントは、あきらかに狙われていたのだと思います。
 ゆるいボレーとドロップショットでネット際におびき出された私のからだめがけて、鋭いスマッシュが飛んできました。
 咄嗟にからだを開いてかわそうとしたのですが一瞬遅く、矢のようなボールが左の乳房を横からかすめ、乳首の洗濯バサミが左右2本とも、ものの見事にキレイに弾き跳ばされました。
「あぁっうぅぅーんっ!」
 乳首をひきちぎるような、その甘美な激痛に堪らず大きく喘いで、その場にうずくまってしまう私。
 内腿をドクドクとえっちなおツユがしたたっていきます。

 ざわついていた観衆が束の間しんと静まり返り、すぐに弾けたような大歓声と拍手が広がりました。
「あの子、コートでマジでイっちゃったんじゃない?」
「本当に気持ち良さそうな声だったよねー」
「信じられなーい!ドヘンタイ!」

 大騒ぎな観衆をたしなめるように、試合終了を告げるホイッスルが響き、私はよろよろと立ち上がり、コーチの前にお相手とふたり、並びます。
 シーナさま似のコーチは、苦笑いのようなものを浮かべて私のウェアを上下とも直してくださり、私からラケットを取り上げて代わりにデッキブラシとモップを渡されました。
 そして、まず無言で私のサイドのコートを指差し、次にシャワールームへつづく通用口を指差しました。
 あなたが汚したコートの床をキレイに拭いて、それからシャワールームを掃除してきなさい。
 そういう意味でしょう。

 あまりの恥ずかしさとみじめさにうつむいて、モップの先だけを見つめて床を拭いていると、さっきまで見物人だった人たちがゾロゾロとコートに集まってきました。
 どうやらこれから、通常のレッスンが始まるようです。
 
 モップをせっせと滑らせている私を遠巻きにして、てんでにストレッチや屈伸運動を始めています。
 からかいや蔑みの言葉がかけられるでも無い、衣擦れだけが聞こえる静寂の中、ただただ好奇と侮蔑に満ちたたくさんの不躾な視線が、私の全身に浴びせられていました。
 逃げるように通用口へと駆け出す私・・・

 試合終了のとき、リビングルームの鏡の中の私は、ラケットのグリップを左乳首の洗濯バサミに横からあてがい、勢い良く右へと滑らせました。
 乳房が右側へプルルンと派手にひしゃげながら歪み、ふたつの洗濯バサミがバチバチッと一気に右方向へ弾け跳びました。
「ああーーーっつぅーーうーんんっ!!!」
 両膝が崩れ落ち、その場にへたりこみます。
 乳首発の激痛は、全身を駆け巡るうちに大きな快感に変わって両腿の付け根に集積され、悦びの液体となって太ももをヌルリと滑り落ちました。
 腰全体がビクンビクンと何度も波打ちます。
 ああんっ、イっちゃった・・・

 快感の余韻に、ヒクつく私のからだ。
 頭の半分でその余韻に浸りながらも、もう半分では、更なる恥辱へとストーリーが淡々と進んでいました。
 進んでいく脳内妄想に急き立てられるように、膝立ちの四つん這いでよろよろとバスルームへ向かいました。

 このスポーツクラブのシャワールームは、中央にタイル張りの広めな通路を挟んで、扉付きのシャワーブースが左右に5つずつ並んでいる構造。
 今は誰も使っていないので、各シャワーブースの扉がすべて内側に開かれている状態。
 ここのお掃除は、これまでレッスン生全員の当番制だったので、体験済みでした。
 通路の突き当たりにある洗面台の蛇口にホースを繋ぎ、お水を床に撒きながらデッキブラシで通路と各ブース内部をゴシゴシ。
 これからは毎週、私がこの格好で、やらなければいけないのです。

 あんなにも手ひどい辱めを受けたのに、いいえ、受けたからこそなのですが、私のからだはムラムラでオーバーヒート寸前でした。
 からだ全体が強烈に、もっともっと直接的、物理的に虐めて欲しがっていました。
 誰もいないのだから、ここでちょこっと自分を弄って慰めて、落ち着いてからゆっくりお掃除をしよう。
 そう考えるのは当然です。

 一番奥のシャワーブースに入り、扉は開けたまま壁にもたれます。
 デッキブラシは傍らに立てかけ、空いた右手をスコートの中に潜り込ませます。
「あふんっ」
 指二本がツルンと難なく這入ってしまいます。
 左手はウェアの上から右おっぱいを鷲づかみ。
「ああんっ」
 そのまま腰を前後に揺らし始めます。
 人差し指と中指を迎え入れては追い出す私のアソコ。
 チュプチュプチュプ・・・
「うぅーんっ、うっうーん」
 更なる刺激を渇望していたからだは、いとも簡単に登りつめていきます。
「あーんっ、いーーっ、いーくぅーーっ!」

 ガチャン!
 もうすぐてっぺん、というそのとき、シャワールームのドアが開く音がしました。
 つづいてパタパタという複数の足音。
 私はあわてて秘部から指を抜き、着衣を直してデッキブラシを手にしました。

「あれー?誰もいないよ?」
「逃げちゃったのかな?あいつ」
「あそこまで恥さらしちゃったら、そりゃあ逃げたくもなるわよねー」
 愉快そうに弾んだお声に、ビクンとからだがすくみます。

 私は、さもさっきからずっとお掃除をしていたフリで、デッキブラシの先をシャワーブースの外に滑らせます。
「あっ、あそこにいるみたい」
 ひとりが言って、バタバタと足音が近づいてきました。

「ああ、いたいた。マゾ子ちゃん」
「うちら、あんたがちゃんと掃除しているか見てきて、ってコーチに言われたのよ」
 私はまだ動揺していて、彼女たちに視線が向けられません。
「あっ、そ、そうなのですか。ご苦労様です」
 うつむいたままお礼を言っていそいそ、お掃除に集中しているフリをします。

「本当に面白いショーだったわよね。あんな恥さらしなマネ、あたしには死んでも出来ないわー」
「マゾ子ちゃんのおっぱい、きれーだったよ。ねえ、もっかい見せてよ?」
「ねえ、マッチポイントのあれ、やっぱ本当にイっちゃったの?ねえ?ねえ?」
 楽しくて仕方ない、という感じ丸出しのはしゃいだお声は、なんだかまだ幼さが残る若々しさ。
 意を決して視線を上げました。

 私を監視に来たのは3人。
 スクールのレッスンでは、お顔を合わせたことの無い人たちでした。
 3人お揃いで羽織っているスウェットパーカーに校章のようなものが入っているから、まだ高校生?
 それが無くても、遠慮の一切無いなれなれしいしゃべりかたや、好奇心満々のキラキラした瞳を見れば、明らかに3人とも私より年下。
 似たような茶髪で塗り過ぎなメイク、見るからにイジワルそうに見下したお顔で、3人が私をニヤニヤ見ていました。

「ねえ、うちらさっきから質問してんだよ?何シカトしてんのよ?」
 リーダー格らしい、一番イジワルそうな子が私の肩を指でグイッと押しました。
「あっ、ごめんなさい。何でしたっけ?」
 この子たちは、これから私をどうする気なのだろう?
 期待と不安で胸がドキドキ。

「何でしたっけ、じゃないわよ。試合前にコーチが言ってたでしょ?」
「あの試合に負けたほうは、このスクールの一番下になって、服従とご奉仕が義務になるって」
「つまり、あんたはうちらみんなの、言わばドレイになったのよ。すべてに服従して、絶対逆らえないってワケ」
「だから早速うちらが遊んであげようと思って来てやったのに、その態度は何?」
「あっ、ごめんなさい。失礼いたしました・・・」
 すがるような目で彼女たちを見つめてしまいます。
 私のマゾっ気がみるみるうちに心を支配して、ゾクゾク感じてきています。

「やだ、こいつ目をウルウルさせちゃって、マジでドマゾなんだ」
「今日からあんたの名前はマゾ子になったから。うれしいでしょ?」
「コーチもみんなもそう呼ぶってさ。よかったね、マゾ子?」

 この年代の、とくにこういうタイプの女の子たちは、一度嫌ったり軽蔑したり見下した同性に対しては、とことん残酷になれるものです。
 女子同士のイジメほど陰湿なものはない、とはよく言われること。
 スクール公認で私というおもちゃを手に入れた彼女たちは、私をいたぶることしか考えていない様子。
 私は、逆らわないことに決めました。

「ほら、うれしいか、って聞いてんだよっ?」
 ひとりが私のテニスウェアの胸倉を掴み、お顔を寄せてきました。
「は、はい。嬉しいです・・・」
「キャハハハ!うれしいだってー。さすがマゾだねー」
「素直でいいじゃん。最初っからそうしてればいいんだよー」
 3人が笑い転げます。

「じゃあさ、マゾ子はなんで、マンコに毛が無いの?」
「そ、それは、私、もともと薄いから・・・」
「嘘つけ。どうせどっかのヘンタイ男にでも剃られちゃったんだろ?マゾ子、スケベそうだもんねー」
「まあ、マゾだからお似合いって言やーお似合いじゃん」
「でもよくそんなもん、人前に晒せるよねー。恥ずかしい女!」

「だいたいドレイのくせに、デッキブラシなんて贅沢なもの使っていいワケ?ドレイはドレイらしく四つん這いで雑巾がけだろ?」
 デッキブラシを奪い取られ、代わりに濡れ雑巾を投げつけられました。
「ほら、もう一回、通路からやり直し!」
 シャワーブースから追い立てられ、通路に出たところで背中を押さえ付けられ、タイルの上に正座させられました。

「マゾ子がサボらないように、うちら向こうとこっちで見張ってるから、一生懸命、心を込めて雑巾がけしなさいよっ?」
 ひとりがドアのところまで行って、こちらを向いて立ちました。
「はい、それじゃあ雑巾がけ、はじめっ!」
 私は、意を決して四つん這いになり、ドアのほう目がけて雑巾を滑らせました。
 スコートの短い裾は、高く上げた腰のために引力に従って背中のほうへとめくれ上がり、まったく用を成していません。

「うひゃー!お尻丸出しー」
「って言うか、マンコもコーモンも丸見えじゃん。ミットモネー、カッコワリー」
「なんだか本当に犬みたいだよね。マゾ女のことをよくメス犬って呼ぶの、初めて実感できたよー」
 3人が大きな声で言い合いながらゲラゲラ笑っています。
「ほらほらー、もっとおケツを突き上げなさい、マゾ子ちゃーん」

「まだまだ半分も終わってないわよっ!」
 ドアのところにいる子が笑いながら、私が奥へと戻るときに体勢を変えて向けた丸出しのお尻を、突然バチンと平手ではたきました。
「あはーんっ!」
 予期せぬ刺激に、自然と淫ら声が出てしまいます。
「やだーっ。あはーんって何よ、あはーんって。マゾ子、こんな状況でもサカってるの?」
「あたりまえじゃん。それがマゾだもん。うちらが虐めるほど悦んじゃうのよ」
 それから、私が方向転換をするたびに、思い切りお尻をぶたれるようになりました。
 そのたびに喘いでしまう私。

「マゾ子のお尻、まっかっかー」
「すごい熱持ってそうだよね。見てるほうが痒くなっちゃう」
「ああされてもまだ、悦んでるのよねー。マゾってマジすごいわー」

 もうすぐ通路の雑巾がけは終わり、という頃に、ひとりの子が言い出しました。
「ところでさー、さっきから不思議だったんだけど、マゾ子、掃除してたはずなのに、ホースが出てなくね?通路も濡れてなかったしさ」
「そう言えばそうね。ちょっとマゾ子!」
 再び奥のシャワーブースの前で3人に囲まれます。

「うちらが来るまでに30分くらいあったわよね?マゾ子、その間、何してたの?」
「し、試合で疲れてしまったので、ちょっと休憩してから・・・お、お掃除を・・・」
「さ、最初は乾拭きがいいかな、って・・・」
「うちらが来たとき、マゾ子はそのブースから出てきたわよね?デッキブラシ持って」
 ひとりが指差したブースをもうひとりが覗き込みました。
「あーーーっ!」
 覗き込んだ子が大声をあげ、指差す方向を見ると・・・
 ちょうど私がもたれていた壁の足元にあたる床に、見るからに粘液性な白濁液の大きめな水溜りが出来ていました。

「あれって、スケベ汁じゃない?」
「ちょっとマゾ子、どういうこと?」
「掃除もしないで優雅にひとりエッチかよ」
 3人が呆れたお声で私に詰め寄ります。

「ご、ごめんなさいっ!」
 私は、バレてしまった恥ずかしさと、彼女たちがこれからもっと残酷になっていくであろうという予感に打ち震え、身悶えしたいほど感じながらも、ただただうつむいています。

「ねえ、こっから先は、あたしに仕切らせてくれない?」
 3人のうち、一番普通っぽい感じだった子が、他のふたりに突然の提案。
「マゾ子見てたら、あたしもガマン出来なくなっちゃった」
 さっきドアのほうで、私のお尻を最初に叩いた子です。

「実は、あたしもけっこうSM好きでさ。って言ってもあたしは根っからのSなんだけどね」
「その手の小説やマンガ読み耽って、あこがれててさ。一度でいいから、可愛い子ぶった年上の女を徹底的に恥まみれにして、泣くまで虐めてみたかったんだよね」
「ゆくゆくは、ノーマルなイケメン男を、あたしだけのマゾ奴隷に調教するのが夢なんだけどね」
「まずは同性を虐めるところから始めてみようか、って思ってたんだ」
「マゾ子くらいドヘンタイ女なら、あたしも手加減無しで、思ってたこといろいろ試せそうだしさ」
 そう言いながら、その子は私の全身を舐めるように見て、ニヤリと笑いました。


独り暮らしと私 15


2013年6月8日

独り暮らしと私 13

 テニスウェアは上下とも、完全に乾いていました。
 洗濯したてなので、スコートのプリーツが少しヨレヨレシワシワなのは仕方ないこと。
 下着を着けるかどうか、ちょっと迷いましたが、午前中に決めた2着だけルールを思い出して、そのまま素肌に着ることにしました。

 かぶりのテニスウェアは、普通のポロシャツタイプですから、ノーブラが一目で露骨にわかっちゃうほどぴったりフィットではありません。
 でも、ブラをして着ているときよりバストの頂点が二か所、妙に尖って目立っていて、あれっ?って人目を惹く感じ。

 その恰好でリビングに戻りました。
 上半身は、久しぶりの布と素肌とが擦れる感覚に敏感に反応しつつも戸惑い気味、下半身は、衣服を着ているはずなのに妙にスースーして落ち着きません。
 ソファーなどの位置をずらし、大きな姿見の前に素振りをしても危なくないだけの広めなスペースを作りました。

 ラケットを握り、実際に試合に臨むように腰を落として前傾姿勢に構え、エアテニスを始めてみます。
 フォアハンド、バックハンド、ボレー、スマッシュ・・・
 ステップを踏み、からだを大きく動かすたびに、太ももの四分の一も隠していない短いスコートの裾がキワドクひるがえります。
 素振りをしながら、視線がどうしても鏡の中の自分の下半身を追ってしまいます。

 あっ見えた。
 いやん、恥ずかしい!
 抑えてくれるものがないおっぱいも、ウェアの下で派手にプルプル暴れています。
 やっぱりこれ、すっごくえろい。

 最近やっと、狙ったところへ打てるようになってきたサーブのフォーム。
 伸び上がりながらからだを後ろに反らして大きく振りかぶると、スコートの裾がフワッと舞って、隠すものが何も無いアソコに直に空気が当たるのがわかります。
 打ち終わった体勢を後ろから見ている人がいたら、突き出した裸のお尻が丸見えのはず。
 こんなの恥ずかし過ぎです。

 もしも本当にこんな格好で、大勢の人が見ている前で試合をやらされることになったら・・・
 テニスウェアの下でおっぱいを盛大に揺らし、アソコもお尻も丸見えでコートを右往左往する私。
 それをニヤニヤ視ている観客たち。
 まさに恥辱という言葉がふさわしい、晒し者状態。

 鏡の中で素振りをくりかえす自分の扇情的な姿を、お友達と行ったスポーツクラブのテニスコートの中に置いてみました。
 途端に、自分でも呆れる位スラスラと、いやらしい妄想が頭の中に溢れ出てきました。

 全裸家政婦の私は、ずっとお家にいるだけだと運動不足になってしまうので、週に一回、テニススクールに通うよう命じられます。
 サディストな主が決めたことですから、どんなにひどいところなんだろう、と怯えていたのですが、行ってみたらいたって普通のテニススクール。
 主の車で送り迎えされていたので、どこにあるかはわからないけれど、東京郊外っぽい駅のそばのお洒落なスポーツクラブ。
 屋内コートが2面ある大きな倉庫のような造りの練習場で、若い女性ばかり10人以上がレッスンを受けています。
 ご指導してくれるコーチ役のインストラクターも全員妙齢の女性。
 技量に合わせて、基本からしっかり教えてくれます。

 ようやくテニスらしく打ち合いが出来るようになって試合形式のレッスンが増えた頃、そのテニススクールが本性を現しました。
 
 ある日のレッスン。
 コートに出ると、レッスン生が私を含めて二人しかいません。
 コーチの女性、どことなくシーナさまに似た感じの人、が私たちに告げます。

「これまであなたたちの練習振りをずっと見てきたのだけれど、とくにあなたたちふたりは、勝負に対する真剣さが足りないわ」
「絶対に勝つんだ、っていう執念を感じられないの。それがないとこの先もっとうまくはなれない」
「だから少し荒っぽいけれど、あることをしてもらうことにしたわ」
 言い終えてニヤリと笑います。

 そして告げられたのが、アヤさんに教えてもらったのとほぼ同じルールでのストリップテニス。
 ただひとつ違っていたのは、7セットマッチで4セット先取なこと。
 つまり、3つ負けてノーブラノーパンになった後も、更にコートで試合をつづけなければならないのです。

「試合の途中で下着を脱がなくちゃいけないなんて、すごく恥ずかしいことよね?」
「でもそんな恥ずかしい思いをしなくてすむ方法がひとつだけあるわ。とても簡単なこと」
「勝てばいいのよ」

 これは絶対、私の偏見と言うか思い込みだとわかっているので、聞き流して欲しいのですが、テニスが強い人って、Sっぽい雰囲気の人が多いような気がします。
 別の言い方をすると、S度が強い人ほど、うまくて強い印象。
 打ち返せないような場所を狙って意地悪くボールを返し、相手が疲れたところで強烈なスマッシュ。
 テニスというスポーツ自体に、SMチックな要素が大いにある気がするのです。

 実際、テニス授業でコーチから右へ左へとボールを散らされるのを、必死になって追いかけていると、いたぶられている、という言葉が頭に浮かび、私のマゾっ気がチクチク刺激されてしまいます。
「ほらほら、追いつけるはずよー」
 なんて言いながら、もう一歩、という微妙なところにボールを返してくるコーチの嬉しそうなお顔には、私を虐めているときのシーナさまややよい先生と同じ、サディスティックな笑みが浮かんでいるように見えて仕方ありませんでした。
 パコーン、パコーンっていう音も、なんだかお尻をぶたれているみたいだし。
 
 マゾな私は心の中で、ああもうお許しください、これ以上虐めないで、と被虐心全開にしつつ、縋りつくようにボールを追いかけます。
 その翻弄されている感じは、けっこう私にとって気持ちのいいことで、そういう意味でテニスというスポーツが大好きになりました。

 真面目にテニスに取り組んでいる人にとっては、不純過ぎますよね。
 どうか忘れてください。

 私の対戦相手に指名された人は、確かにいつも無表情で、それゆえにやる気が無さそうにも見える、そう、私にアンスコのことを教えてくれた小宮さんみたいなタイプの人でした。
 ただ、彼女は外見上、無気力に見えるだけで、テニスの技量的には私よりぜんぜん上なのは今までのレッスンでわかっていました。
 私にはほとんど勝ち目が無い試合。
 やる前から絶望的な気持ちになっていると、さらに追い討ちをかける事態が待っていました。

 他のレッスン生やコーチたちがぞろぞろとコートの回りに集まってきたのです。
 みんな一様にニヤニヤ笑いを浮かべて私たちを見ています。
 見も知らぬ人たちに混じって主の顔も見えます。
 全部で30人くらい。
 完全な見世物状態です。

 この試合に負けたほうは・・・
 次のリベンジ試合まで、毎週のレッスンもノーブラノーパンで受けなくてはいけないこと。
 施設のトイレとシャワールームの清掃をひとりで、もちろんその格好でしなければいけないこと。
 このテニススクールの最下層レッスン生としての自覚を持ち、他のレッスン生すべての人たちに服従し、ご奉仕しなければいけないこと。
 を約束させられて、試合が始まりました。

 私のサーブで始まった試合は、予想通り一方的。
 あれよあれよという間に、第一セットを落とします。
 アンダースコートを脱いで自前のショーツ丸出し。
 これだけでもかなり恥ずかしいのに、こんなの序の口に過ぎません。

 第二セットもあっさり負け。
 ベースラインのところで、コソコソと腕を抜いてブラをはずそうとしていると、コーチから叱責の声が飛びます。
「なにをもたもたしているの!?時間が無いのだからさっさと脱ぎなさい!」
 別のコーチがふたり駆けてきて私は彼女たちにがっちり押さえつけられ、バンザイさせられて強引にウェアを脱がされます。
 ブラを剥ぎ取られてようやく開放。
 みんなの前でおっぱい丸出しで、再びウェアをかぶりました。

 第三セットはノーブラ状態。
 恥ずかしくてみじめで仕方ないのに、私の乳首はどんどん尖ってウェアを内側から突き破りそう。
 その刺激が股間をぬるませ、ウズウズモヤモヤしてしまい、いっそう足が動きません。
 1ゲームも取れずに敗れた私は、観念して自らショーツをずり下げました。

 ノーブラノーパンの第四セット。
 サーブがまともに入りません。
 スコートがひるがえり、私の股間が露になると、観客席にどよめきが広がりました。
「・・・毛がない?・・・パイパン?・・・・全剃り?・・・ヘンタイ?・・・」
 そんなささやきがザワザワと聞こえてきます。

 コートチェンジするたびに、観客たちはゾロゾロと私のサイドに集まってきます。
 写真を撮っている人もいます。
 ヒソヒソ声だったおしゃべりも、だんだん普通の声になってガヤガヤ、やがては大きな声で野次られ始めました。

「まじめにやんなさいよー」
「ほらー、もっとお尻振ってー」
「がんばってーパイパンちゃーん」
「お尻の穴まで丸見えよー」

 驚いて、呆れて、やがて侮蔑と嘲笑へと移行していく、冷ややかな同性たちの視線。
 私がミスすするたびに拍手と笑い声が上がります。

 第四セットの1ゲームを落としたところで、コーチに怒ったお顔で呼ばれ、審判台の近くに駆け寄りました。

「ちょっとあなた?ひょっとして嬉しがってない?」
「見なさい。コートがあなたのサイドだけ、ヘンなおツユでベトベトよ!」
「こんな格好で大恥かかされているのに、なんで下半身からダラダラよだれ垂らしてるのよ?」
「あなたって、視姦られて悦ぶヘンタイだったのね?」
「こんな試合、やっても意味無かったわね。それなら、もっとお望み通りにしてあげるわ」

 ウェアの前を胸元、おっぱいの上まで捲り上げられ、戻らないよう肩のところに洗濯バサミで止められてしまいました。
「ついでにここにもふたつ、あげましょう」
 尖りきった左右の乳首に、洗濯バサミが挟まれました。
「あら?こんなもので挟まれても痛いとも言わずがまん出来るのね?ずいぶん年季の入ったヘンタイぶりだこと」
「もういっそ、こっちもこうしちゃいましょう」
 スコートの裾をつままれてめくり上げられ、裾部分をウエストに挟み込まれてしまいました。
 前も、後ろも。
「さあ、さっさと負けて、こんなふざけた試合、とっとと終わらせちゃいなさい!」
 本気で怒っているらしいお声と共に、裸のお尻をパチーンとはたかれ、開放されました。

 私がコートに戻ると、盛大な拍手が起こります。
 わざわざウェアを捲り上げておっぱい丸出しにしている私。
 スコートの裾を前後ともウエストに挟み込んで、アソコもお尻も丸出しの私。
 もはやあまり役に立っていなかったウェアとは言え、せっかく一応隠されていた恥ずかしい箇所を、誇示するみたいに不自然な状態で露にしている私の姿は、まさしくヘンタイ露出狂そのもの。
 それだけでもかなり異様なのに、その両乳首には洗濯バサミまでぶら下げています。

「やだーっ、なにあれー!?」
「うわー!ヘンタイ丸出しって感じぃ」
「露出狂マゾってほんとにいるんだねー」
「わたし、あんな姿を見られるくらいなら、死んだほうがましだわー」

 自分の脳内でくりひろげられる破廉恥すぎるテニス試合を、鏡の前のエアテニスで忠実に再現しながら、私はどんどんコーフンしていきました。

「だめっ、いやっ、見ないでーっ」
「そんなひどいこと、言わないでっ!」
「こんなに股を広げたら・・・ああんっ」
「視られてる・・・恥ずかしい・・・おっぱいも、お尻も、オマンコも、視姦られちゃってるぅ・・・」
 からだを激しく動かしながら、ときどき声に出してつぶやきます。

 自分の肌や秘部には一切触れず、テニスの動きをしているだけなのに、からだがどんどん熱くなってムラムラウズウズが高まってきます。
 私のアソコから滴り落ちたはしたない液体が、フローリングに小さな水溜りをいくつも作っていました。

 第四セットに入り、自らウェアとスコートをめくり上げ、乳首に洗濯バサミを噛ませたとき、からだの疼きが一気にピークに達し、一刻も早く自分のからだを滅茶苦茶に弄り回したくて仕方なくなっていました。


独り暮らしと私 14


2013年6月2日

独り暮らしと私 12

 毎週の体育の授業は、お昼前の時間帯だったので、終わった後、着替えてから学食でランチをとります。
 そのときにたまたま相席になった同じ授業の人たちと、ポツポツ言葉を交わしているうちにいつしか親しくなって、体育の時間の仲良しグループみたいなものが出来ました。
 夏休み前までには、気軽におしゃべりするお友達が10人くらい出来、スポーツクラブに誘ってくれたのも、そのグループのお友達でした。

 私を含めて6人で、3時間ほどコートで汗をかき、その後は近くのファミレスでスイーツ&おしゃべりタイム。
 その席で、私にとってひどく刺激的で、興味深いお話を聞かされました。

「アヤさんて、テニスかなりうまいけど、高校のときからやってらしたの?」
 そう問いかけられた彼女は、水上綾乃さんといって、このグループのリーダー的存在な人でした。
 栗毛がかったベリーショートで、いかにもスポーツウーマンらしい、しなやかでスラッとしたからだつき。
 それでいて、よく冗談言って笑わせてくれる明るくて面倒見の良い姉御肌な性格なので、みんなから慕われていました。

 アヤさん以外の5人は、最近やっとテニスらしく打ち合いが出来る程度には上達していました。
 私も、アヤさんがお相手なら、いつまでもラリーをつづけることが出来るくらいにはなっていました。

「うまいって言われても、このグループの中でなら、っていう程度だけれどねー」
 そんな風に笑わせてくれてから、そのお話が始まりました。

「中学のときに、軟式はやっていたんだ」
「それで高校に入って、硬式をやってみようってテニス部に入ったんだけどさ」
「うちの高校、県内ではけっこうテニスで有名な学校でね。新入部員がすごい数なの」
 確かアヤさんは、東京と名古屋の中間くらいにある地方都市のご出身でした。
「うまい人はもう、最初からうまいんだ、これが。だから早々とあきらめてやめちゃった」
「それで、高校のときは、ずっと剣道部。うちの祖父が道場してたからそっちは子供の頃からやってて、なりゆきでね」

 うわーカッコイイ、とか、似合ってるーとかひとしきり大騒ぎ。
 おさまるのを待ってから、アヤさんがお芝居っぽく声をひそめてつづけました。

「それでね・・・」
「うちの高校のテニス部の妙な噂を聞いたことがあるんだ」
「何だと思う?」
 意味深そうにアヤさんが聞いてきます。

「八百長とか?」
「ドーピング?」
「部室に幽霊が出るとか」
 アヤさんは何も言わずに笑っています。
 みんな、うーん、って首をかしげて思案顔。

「聞きたい?」
 一斉にうんうんうなずく私たち。

「それがね、どうもこっそりと、ストリップテニス、っていうのをやっていたらしいの」
「えーっ!?」
「なにそれー?」
「テニスしながら、服脱いでいくわけ?」
「信じられなーい」
 と、またまた大騒ぎ。

「わたしも実際に見たわけじゃなくて、人から聞いた話なんだけれどね」
「教えてくれた人の話が妙に具体的で細かくて、ひょっとしたら本当なのかなー、とも思ったり」
「初めは、ノリのいい先輩たちが冗談ぽく始めたらしいのだけれど、それがだんだん上級生から下級生へのパワハラっぽく伝統化していったらしくて・・・」

 その後、アヤさんが説明してくれたお話を要約すると、こんな感じでした。

 ルールは、3ゲーム1セットの5セットマッチ。
 だから1セットで3ゲーム取れば、そのセットは勝ち。
 1セット負けるごとに、着ている服を一枚、脱がなくちゃならない。
 5セットマッチだから、3セット先に取ったほうが勝ち。
 つまり、そのマッチに負けた人は、三枚の着衣を脱いでいる状態になるわけです。

「だけど、いくらなんでも学校のグラウンドでもろに裸にしちゃうのはまずいでしょ?だから考えたらしいのね」
「普通なら、ウェアの下に三枚着ているじゃない?ブラとショーツ、それにアンスコ」
「それを負けるたびに一枚ずつ脱いでいくことにしたのね」
「だから正確に言えば、ノーブラノーパンテニスマッチ、ね」

「最初は誰でもアンスコを脱ぐわよね」
「2セット負けちゃうと、ノーブラかノーパン、どちらかで次のゲームに臨まなければならないわけ」
「ここは思案のしどころでさ。下ならその場でスルスルって脱げるけれど、でもその格好でゲームするのは・・・ねえ」
「上の場合だと、ウェアってたいていかぶりだから、脱がないでブラはずすのは大変よね。両腕袖から抜いて中でガサゴソ」
「たまたまかぶりのスポーツブラとかしていたら、もうしょうがない」
「そこにいる全員に囲まれた輪の中で、いったん上半身裸になってから、またウェアをかぶり直すことになるわけ」
「その頃、外国の女子選手がけっこうノーブラで試合してて話題にもなっていたから、やっぱりブラを先に取る子が多かったって」

 そのお話をアヤさんにしてくれたのは、中学の軟式テニス部時代のお友達で、アヤさんとは別の高校に進み、その高校の硬式テニス部に入って部の先輩から聞いた、ということなので、けっこう信憑性のあるお話と思う、とアヤさんは言っていました。
 アヤさんから一通りのご説明が終わると、次々に疑問点が投げかけられました。

「でもそんなこと部活の時間にしていたら、速攻で他の生徒や先生にみつかっちゃうんじゃない?」
「だからたぶん、夏休み中の練習のときとか合宿中とか、人の目が少ないときにやっていたんじゃないかな、って」
「うちの高校は、高い塀がめぐらされててグラウンド全体、外部からはぜんぜん見えなかったけれど、テニスコートは校舎の2階以上からなら丸見えだったから、一番警戒するのは学内の目のはず」

「それをやらされて、先生にチクった人とかいないのかな?」
「運動部の上下関係は、マジでやばいからねー。チクったりしたら後で何されるか、っていうのはあるよね」
「あと、そういうことやってたのは、大会とかには出れない、テニス一途ではない一部の人たちだと思うから、ノリのいい子だけ選んで、意外と楽しんでいたのかも」

「脱いじゃったらそこで終わりだったの?それからその格好で何かされるとかは?」
「負けた人たちは、その姿で玉拾いとか素振り、コートの後片付けとかをやらされたらしいわね。あと部室の掃除とか」
「ほら、ウェアのスコートって超短いじゃない。プリーツ入ってひらひらだしさ」
「だからちょっと動くとひるがえっちゃって、ワカメちゃんもオシリーナも全開、みたいな」
「それを、みんなでニヤニヤ見ていたらしいわよ」

「実際、いろんな人がいたみたい。絶対脱ぐもんかって勝負にマジになる人もいれば、対戦相手見て戦わずにギブして、その場で全部脱いじゃうあきらめのいい人」
「2敗目で下脱いでノーパンでコートを駆ける子もいたし、本当は強いはずなのにワザと負けて脱ぎたがる人とかもいたらしいよ」
「マゾっていうのかな?辱めを受けたがる人っているらしいじゃない」
「まあ、男子の目が無い女子校だからね。その手の恥じらいの概念が薄くなっちゃうのは確かだよね」

「ああ、やっぱり女子校だったのね、よかったぁー」
 グループの中で一番おっとりした性格なお友達が、心底良かったー、っていう感じでつぶやきました。
「なあに?ナナちゃん、男子も一緒だと思ってたの!?」
「男がいたら、そんなんじゃ終わらないよねー。て言うか、共学だったらありえないよー」
「ナナちゃんたら、聞きながらどんな想像してたのよー?」
 みんなに冷やかされて、ナナちゃんが真っ赤になっています。

 私も顔が赤くなっているはずです。
 ストリップテニス、という言葉が出たときから、お話を一言も聞き漏らすまいと真剣に聞いていました。

 その頃の私は、シーナさまからいただいたチョーカーを失くしてしまったショックから抜けきれてなく、ムラムラ感も相変わらず皆無でした。
 だけど、普段普通な会話ばかりしている学校のお友達から、この手のお話を聞かされるとは夢にも思っていなかった分、新鮮な驚きとともに痴的探究心がむくむく湧き上がりました。
 これは絶対、次のムラムラが来たときに役立つはず。
 そう思い、ワクワクドキドキしながら聞いていました。

 もしもこのお話を、私がムラムラ全盛期のときに聞かされていたら・・・
 お話にコーフンしすぎて、この場の全員に私のヘンタイ性癖を何らかの形でご披露してしまっていたかもしれません。

「ねえ?アヤさんも、ひょっとしたらそれがイヤでテニス部やめちゃったの?」
「ううん。最初に言ったみたいに、単純に見込みがなさそうだったから。夏休み前にはやめちゃってたわね」
「今でもそんなこと、やってるのかしら?」
「さあねー。在学中に校内でそんなウワサは一度も聞いたこと無かったし、テニス部つづけてた友達もいたけど、聞いたこと無かったな」
「たぶん、けっこう尾ひれが付いちゃって、都市伝説化してるとは思うけれど、テニス部の歴史の中で、そういうことをやってた時期があった、っていうのは本当なんじゃないかなー、って思うんだ。いろいろ具体的すぎるもの」

「なんか面白そうだから、うちらもやってみよっか?」
「えーーっ!?恥ずかしいよー」
「どこでやるのよ?」
「どっかペンションとか行ってさー」
「うちら大学生なんだから、男も呼んじゃう?」
「やだーっ、えっちーー」
「ただしイケメンに限るっ!」
「そう言えばプロのテニス選手で、つけ乳首してるってウワサになった人いなかったっけ?」
「あったあったー。いみねーって思った」
「そんなにちっこかったのかな?でもおっきくしたからってどーよ?って話よねー」
「いやいやいや、ツッコむところ、ソコじゃないから」
 私とナナちゃんを除いたみんなが、キャイキャイ盛り上がっています。

「ほらほら、アヤさんたちがお下品な話ばっかりするもんだから、ウブっ子なお姫がお困りよっ」
「ほんとだー。直子とナナちゃん、顔真っ赤ー」
 4人から盛大に冷やかされます。

 私の顔が赤いのは、照れているのではなく、ひそかにコーフンしているから。
 とくにさっき、アヤさんの口から、マゾ、という単語が発せられたとき、からだの奥がピクンと震えてしまいました。
 普通のお友達からそんな言葉を発せられると、なんだか自分が言葉責めされているように感じてしまいます。

 彼女たちからは、それまでに何度か合コンのお誘いもいただいていました。
 そのたびに私は、のらりくらりとお断りしていました。
 私、男の人、苦手だから・・・
 それがお断りの決まり文句で、私としては、いろいろな意味で本心なのですが、彼女たちはそれを、女子校育ちのお嬢様→恋愛経験が無い→男性が怖い→ウブ、と捉えているようで、いつもその線でいじられていました。
 男性がだめなら女性がいいの?って聞いてくれる人がいないことが、幸せなのか不幸なのか・・・

 その日、お家に帰ってから、早速ノーブラノーパンでテニスウェアを着てみました。
 リビングの鏡の前でラケットの素振りをしてみます。
 スイングするたびにウェアに乳首が擦れ、スコートの裾が大きくひるがえって、鏡の中で自分の無毛なアソコがチラチラと見え隠れしていました。
 うわーっ、本当にいやらしい姿・・・

 ムラムラ期の私なら即座に妄想がほとばしり、そのまま長時間オナニーへ突入していたことでしょう。
 でもその夜は、なんとなくそんな気になれず、アヤさんからお聞きしたお話を忘れないよう、パソコンに要点をメモしてから、シャワーを浴びて早々と眠ってしまいました。
 久しぶりに本気で運動して、からだが疲れきっていたこともあるのでしょうが、チョーカーがまだみつかっていない不安感からくるショック状態からも、まだまだ脱しきれていなかったのだと思います。

 その後、生理をはさんで、さも当然のようにムラムラが日に日にからだを満たし始め、今回の全裸生活スタートにつながったというわけです。
 
 あの夜ほとばしることのなかった妄想を、これから存分に味わっちゃおう。
 右手を伸ばして、テニスウェアをハンガーからはずしました。


独り暮らしと私 13


2013年6月1日

独り暮らしと私 11

 やっぱりTシャツとかかなあ?
 スープボウルを流しで洗いながら、何を着てびしょ濡れになるかを考えています。

 やわらかめな生地のぴっちりTシャツをノーブラで着て、それが濡れて肌にぴったりくっついた様子は、とてもえっちだと思います。
 乳房の丸みも、もちろん乳首も丸わかりになっちゃって恥ずかしさ満点。
 午前中のお買いものときにTシャツを選んじゃったことにして、汗で濡れ透けしちゃった妄想を楽しむのもいいかな。
 そう言えば、異国美人さまもTシャツノーブラだったっけ。
 濡れてはいなかったけれど。

 一方で、びしょ濡れっていうシチュエーションにこだわるなら、そういったもともと肉感的ボディコンシャスな衣類ではなく、もっと日常的な、ごく普通のお洋服姿でなったほうが理不尽さが増して、被虐感がいっぱい出るようにも思います。
 たとえば大人しめのワンピースとか、学校の制服とか、パンツスーツとか。
 服装がきっちりしていればしているほど、びしょ濡れ姿にありえない感が出て、哀れさが強調される、みたいな。
 そう思うのは、今まで私がびしょ濡れになったのが、制服を着ていたときが多かったからだけなのかもしれませんが。

 高校の時の制服はブラウスまで一式、クリーニングに出してからビニールのままクロゼットに保管してあります。
 あれを引っ張り出してくるって、ずいぶん大げさになっちゃうなー。

 あれこれ考えつつふと手元を見たら、無意識のうちにスポンジでキュッキュッと鎖を擦っていました。
 夏の昼下がりにキッチンで全裸で、自分の股に巻いて汚した鎖を洗っている女の子って、世界中で私だけだろうなー。
 ひとりで苦笑いしてしまいました。

 大学からの帰りに降られちゃったことにして、通学で着ているブラウスに下も普段着スカートでいいかな。
 リネンのブラウスだと、濡れちゃうと驚くくらい見事に透けちゃって、ぴったり肌に貼りついちゃうんだよね。
 今日お洗濯した中にも確かあったはず。
 せっかくそろそろ乾く頃なのにまた濡らしちゃうのもなんだかなー、って思うけれど、どうせ明日もお洗濯するんだし・・・
 そんな思考の流れで、これから着るお洋服は、今日洗ったお洗濯物の中から選ぶことにしました。

 洗い終えた鎖や手錠をベッドルームの所定の場所に戻した後、サンルームに寄りました。
 いくつかのお洗濯物に触れてみたら、2回目のお洗濯物まではだいたい乾いているようでした。

 サンルームいっぱいに吊り下がった、たくさんの衣類を見て回ります。
 下着の数がすごい。
 やっぱり下着まできっちり着けたほうがリアルさが増して、妄想しやすいかも。
 そんなの着けていたら風邪をひいてしまうわよ?なんて言われてやさしく脱がされて・・・とか。
 いろいろ考えながらサンルームの窓際まで来て、一番最初にお洗濯したものを干した一角で、とあるお洋服に視線が釘付けになりました。

 そうだった!
 これがあったんだ。
 そのお洋服を見た途端、私の頭の中に、これから私が受ける恥辱のイメージが滾々と湧き出てきました。

 そのお洋服は、テニスウェア。
 お盆の頃に、大学のお友達に誘われて数人で、都内のスポーツクラブの室内コートで遊んだときに着用したものでした。
 ということは私ったら、2週間位ずっと、お洗濯していなかったんだ。

 大学の体育の授業で、なんとなく選択したテニス。
 高校のとき、ほんのお遊び程度に数回、お友達にお借りしたラケットを振ったことはありましたが、まったくの初心者。
 ウェアがかわいい着てみたい、っていう理由だけで選んだようなものでした。
 大学での体育の授業は、出席さえしていればそれでいい、みたいな感じって、母ややよい先生に聞いていたので安易に選んじゃいました。
 あわよくば、ちょっとでもテニスが上手になったらいいなー、なんて思いながら。

 実際の授業では、そこそこ出来る人たちと初心者グループに自然に二分され、出来る人たちはコートで試合形式、初心者グループは講師の先生のご指導を受けて素振りから、みたいな形になって、それぞれそれなりにキャイキャイ楽しんでいました。

 ラケットやシューズ、ウェアなど一揃いは、ネットでざっと検索して目星をつけてから、ひとりで繁華街のスポーツショップに買いに行きました。
 初心者なのですけれど・・・って売り場のお姉さんに告げたら、その感じのいいお姉さんがとても親切にご相談にのってくださり、ネットで見ていいなと思ったもので揃えることが出来ました。

 ウェアは、胸元が大きめに開いたタンクトップタイプのものにもすっごく惹かれたのですが、私の性格上、それを着た途端にヘンなスイッチが入ってしまう予感もあり、オーソドックスなポロシャツタイプのものにしました。
 テニスのときはスカート、じゃなくてスコートって呼ぶのでしたね、の下に、見られることが前提の下着、アンダースコートっていうのを穿く、ということは知っていました。
 なので、スコートは思い切って、かなり丈が短めのにしちゃいました。
 プリーツがたくさん入ったヒラヒラでかわいいやつ。
 私の持っているスカート類の中では、だんとつの短さ。
 アンダースコートも、お尻にフリルがたくさん付いた、ちょっと派手過ぎかもだけれど超かわいいの、に決めました。
 上下とも全部真っ白。
 ネットで見て一目で気に入った、とあるカッコイイ日本の女子プロテニスプレイヤーのかたのお写真をお姉さんにお見せして、お姉さんのアドバイスも参考に選びました。

 初めてのテニス授業の日。
 スコート短すぎて悪目立ちしちゃったらどうしよう、って着替えるのがドキドキだったのですが、やっぱりみんなお年頃な女子大生。
 男性の目が無い安心感もあってか、胸の谷間を見せつけている人、私のよりも短そうなワンピスタイルのウェアの人、からだの線が丸わかりなピチピチデザインのウェアの人とか少なからずいて、ドキドキは杞憂に終わりました。
 もうちょっと大胆にしてもよかったかな、なんて思ったりもして。

 このテニス授業を受け始めてからしばらくの間、私はひとつ、恥ずかしすぎる勘違いをずっとしていました。

 テニスウェアに着替えるとき、スカートを穿いたままショーツを脱いで小さくたたんでからバッグの奥深くにしまい、代わりにアンダースコートを穿いた後にスカートをはずしてスコートを着けていました。
 だから体育の授業がある日はいつも、長めのスカートを穿いていくことにしていました。
 その頃、私のアソコは常時パイパン状態と言ってもいいくらい、まめにお手入れをしていたので、万が一でも着替えのとき、誰かに無毛地帯を目撃されないように、と考えての防衛策でした。

 女性しかいない更衣室だし、誰かに見て欲しい気持ちも無いことはなかったのですが、その事実を知ったとき、みんなが私にどんなレッテルを貼るか、が、すっごく不安でした。
 まだ入ったばっかりで、これからも通わなければならない学校ですから、一時の衝動で動いてヘマをして、とりかえしのつかないことになる可能性を考えると、極力、私の特異な性癖は隠して普通に過ごすべきだと考えていました。

 テニスを始めてひと月経った4度目の授業のとき。
 更衣室でいつものように着替えていると、背中をツンツンとつつかれました。
 ちょうどアンダースコートを膝くらいまで上げたときでした。
 ドキンと胸が波打って、うろたえ気味に振り向きました。
「それ、下着の上に穿くもの」
 知らない女性が私の顔を見ながら小さな声で言いました。

 正確に言えば、まったく知らないわけではなく、このテニスの授業や他の講義のいくつかでご一緒していた人でした。
 お顔は知っていたけれど、まだお話したことがなくお名前も知らない同学年の人。
 前髪だけ長めなショートカットで、お化粧っ気の無い小さなお顔。
 小柄でスレンダーなからだにいつもモノトーンのお洋服を着て、お教室の後ろのほうで文庫本を読んでいる印象。
 無気力そうで、つかみどころのない不思議ちゃんタイプの女性。
 そのアンニュイな独特の存在感で、ある意味目立っていた人でした。

「えっ?」
 私は、言われた言葉の意味がとっさにはわからず、屈んでアンダースコートに両手をかけたまま固まっていました。
「アンスコは下着を隠すためのもの。だから下着は脱がなくていい」
 私の顔を前髪越しにじっと見つめたまま、その人は無表情に、そう言いました。

「あっ!」
 言われている意味をやっと理解した私は、たちまち全身が熱くなってきました。
「あっ、あっ、そ、そうなのっ?}
 自分の顔がみるみる真っ赤に染まっていくのが見えなくてもわかります。
 膝のアンダースコートを上げるべきか下げるべきか、迷っています。
 恥ずかしい・・・
 なぜだか目元までウルウルしてきてしまいました。

「そ、そうなんだ、教えてくれてありがとう」
 いたたまれない恥ずかしさに、出来ることならすぐにこの場から逃げ去りたい、と思いながらも、なんとか小さな声でお礼が言えました。
 そんな私を、彼女はまだじーっと見つめてきます。
 その視線に吸い寄せられるように見つめ返すと、前髪の隙間から覗く彼女の瞳は大きくて、白くて小さなお顔立ちとも相俟って、まるでフランス人形みたい。

「でも、したくてしているなら、それでもいいと思う」
 彼女の唇の両端が微かに上がったような気がしました。
 微笑んだのかな?
 考えているうちに彼女はクルッと背中を向け、ラケット片手に更衣室を出て行きました。
 とりあえず私は、ちょっと迷ってから、そのままアンダースコートを穿きました。
 授業の間中、自分の下半身が気になって気になって、ずっとそわそわしっぱなしでした。

 見せるための下着、という言葉をそのまま受け取っていた私は、アンダースコートも下着の一種だと思い込んでいました。
 だから、テニスのときには通常の下着を脱いだ上でその下着を着ける、と解釈して穿き替えていました。
 でも実際はみんな、下着の上にアンスコを穿き、本物の下着が見えちゃうのをカバーしているわけです。
 ということは、下着を取ってアンスコを直穿きしている私は、隠すべき下着が無いわけですから、理論上はアンスコが下着ということになって、つまりは下着を盛大に露出しながらテニスの授業を受けている、っていうことになるのかな?
 でも見ている人は、それをアンスコだと思って見ているのだから、別にヘンなこととは受け取らないだろうし。
 だけど私にとってそれは下着姿なわけで・・・

 考えているうちに、何がなにやらわけが分からなくなってしまいました。
 でもとにかく私が、かなり恥ずかしいことを知らずにしていた、という思いだけは残りました。

 たぶん彼女は、私が下着を脱いでアンダースコートを穿く、という一連の動作をずっと見ていたのでしょう。
 ひょっとすると今回が初めてではなく、以前から見ていて、教えるタイミングを探していたのかもしれません。
 少なくとも彼女だけは、知らずとは言え、私が実質上の下着丸出しで大学のグラウンドを跳ね回っていたことを知っていたわけです。
 彼女に対する恥ずかしさに胸が張り裂けそうでした。
 同時に不思議な雰囲気の彼女に興味も抱きました。

 テニス授業の後、仲の良いお友達に彼女のことを尋ねてみました。
「ああ。あのオタクっぽい子?群れるのが好きじゃない、ってタイプだよね」
「腐女子なのかな?でも服のセンスとかいいんだよね。何気にいいもの着てるし。テニスもそこそここなしてる」
「無口だよね。しゃべってるの見たこと無いかも」
「語学で一緒になったとき、ちょっとしゃべったことがある。確か、小宮さん、じゃなかったかな?」
「なあに?何かあったの?」

「ううん別に、ちょっとね・・・」
 って、その場は適当にごまかし、午後の講義で小宮さんと一緒になったとき、最後方の席で文庫本を読んでいた彼女に、あらためて、さっきは教えてくれてありがとう、ってお礼を言いに行きました。
 なぜだかどうしてももう一度、ちゃんとお礼を言いたかったのです。

「うん」
 お顔を少し上げた彼女がポツンとそう言って、また唇の端を微かに上げてくれた後、再び文庫本の世界に戻っていって、それっきりでした。


独り暮らしと私 12