2017年8月11日

夏休み自由研究観察会 03

 気を紛らわせようとブックシェルフを物色して、適当に選んだ少年向けコミックスの適当に開いたページが、6年生女子のプールの更衣室を嬉々として覗くえっちな目つきのイタズラっ子たち、みたいなシーンだったりしてドッキリ。
 でも、そのマンガはギャグっぽくて絵柄も個性的で面白そうだったので、実はオカルトマンガらしいそれを、いつしか真剣に読み進めていました。

 カチャ、という小さな音で本から視線を上げると、リビングのドアがそーっと開き、男の子たちがこちらを窺うように、そーっと入って来られました。
 タオルで拭いただけらしいまだ生乾きの髪で、皆一様にさっぱりしたお顔になられた男の子たち。
 そちらに目を向けてニッコリ笑って会釈をし、シャワー気持ち良かった?と声をかけました。

「あ、はい・・・」
「・・・はい、とても・・・」

 モゴモゴと煮え切らないお返事をくださいつつ、お部屋には入ったものの、なぜだかこちらへは近づいてこない男の子たち。
 気恥ずかしいのか私の視線を避けるような、かと言ってこちらが気になって仕方ないといった風情で、ブックシェルフの前にひとかたまりなっています。

 全員色の違うサッカーユニフォームみたいな感じのざっくりした半袖ポロシャツ風を着て、下も色とりどりの、ゆったりめな膝までハーフパンツ。
 ふーん、これがイマドキの小学生男子の流行りのファッションなのかー。

 坊ちゃん刈り、五分刈り、ウルフっぽいツンツンヘア、もうひとり坊ちゃん刈り。
 身長140センチ前後の見事に日焼けした男の子4人が、こちらをチラチラ気にしつつ、ブックシェルフのマンガ本をそれぞれ取り出し、読み始めています。
 私も、それ以上かける言葉がみつからず、何だか気マズイ雰囲気で数分。

 やがて玄関でバタンと音がして、すぐさま、あっちー!のお声。
 パタパタと足音が近づき、バタンとドアが開きました。

「何なのこの暑さ。階段上り降りするだけで塩焼きになるかと思った」
 息せき切った凛子センパイのお声にお応えされる子供たちのお声も無く、まっすぐ冷蔵庫へと直行されたセンパイ。
 相変わらず私をチラチラ盗み見るばかりの小学生軍団。

「ほら、あんたたち?今日はマンガ読みに来たんじゃないんでしょ?アイス買ってきたから、こっちのテーブルに全員集合」
 そのお言葉に男の子たち全員の肩がビクンと反応し、それぞれ読んでいたマンガを棚に戻して、ようやくこちらに近づいてきました。

 子供たちにダイニングテーブルを譲り、私たちは壁掛けディスプレイ前のカウチソファへ移動。
 カップアイスと炭酸ジュースでささやかな宴会が始まりました。

「映画は面白かったの?」
「うーん、まあまあかな」
「ライダーよりレンジャーのほうが派手で面白かったよね」
「えーっ?オレはライダーのアクションのほうがカッコよかった」
「ライダーのほうはストーリーがよくわかんなかった」
 
 先ほどとは打って変わって、凛子センパイのお問いかけには快活に反応される小学生軍団。

「お昼は何食べたの?」
「バーガー屋行くつもりだったんだけど、どこもいっぱいでさ」
「仕方ないからデパートの屋上行ってホットドッグ食った」
「ぼくスパゲティ」
「オレ、ピザ食べた」
「でもぜんぜん足りないよね」

「そっか、じゃあお菓子でも食え」
 センパイがさっき買ってきたスナック類のお菓子をテーブルに並べました。
「わーっ!」
 
 とっくにアイスを食べ終えていた小学生軍団が、先を競って手を伸ばします。
 ポテチもえびせんも、当然手掴みです。

「ねえ、リンねーちゃん?」
 坊ちゃん刈りの男の子が、えびせんをムシャムシャ頬張りながらセンパイに尋ねます。
 普通にリンねーちゃん、って呼びかけるということは、この子が甥っ子のユタカくんかしら。

「ん?」
「ねーちゃんのお友達、こっちのお姉さんの名前、教えてよ」
「えー!?おまえら、まだ自己紹介もしてなかったの?あれだけ時間あげたのに。ずっとマンガ読んで固まって、ウジウジしてたんだ?人見知りってガラでもねーだろーに」
 呆れたようにおっしゃるセンパイに、だってー、とバツの悪そうな小学生軍団。

「しょーがねーなー。じゃーまずおまえらからな。ユタカとミツル君は知ってるけど、そっちのふたりは、アタシ知らないよ」
 テーブルに並んで座っている五分刈りの子と、4人の中でひとりだけ小さめな、ユタカくんではないもうひとりの坊ちゃん刈りの子を、センパイが指さしました。

「あ、こいつはシンちゃんていって、サトーシンイチ。その隣が弟のマサヒデで3年生」
 ユタカくんと思われる坊ちゃん刈りくんが、滑舌良くご説明を始めました。

「ミツルがシンちゃんに今日のことうっかりしゃべっちゃったんだ。ユタカの親戚のオバサンの知り合いが、今度の日曜にヌードを見せてくれるらしい、って」
「こらっ!オバサン呼ぶな、っていつも言ってるだろっ!?」
 凛子センパイの本気の叱責。

「だって両親の兄弟姉妹の親戚はオジサン、オバサンて呼ぶって学校で習ったもーん」
 からかうようにニクタラシク笑うユタカくん。
「おまえ、そんなこと言うんなら、今スグ帰れ。約束は無しだ」
 小学生と同じ土俵に降りて口喧嘩されるセンパイ。

「ごめんなさいリンねーちゃん。もう二度とオバサンなんて呼びませんから、それだけは許してくださーい」
 あくまでもニクタラシイ演技で、続柄上の叔母様を挑発される甥っ子さん。

 それからワイワイガヤガヤとっちらかったご説明を整理すると、こういうことでした。

 坊ちゃん刈りユタカくんと、ツンツンヘアのナカムラミツルくんはご近所さんで同じクラスの同級生。
 シンちゃんは、ユタカくんとミツルくんが通っているスイミングスクールで一緒になって友達になった同じ小学校だけどクラスが違う4年生。

 シンちゃんがどうしても一緒に行きたいと言うので、ユタカくんとミツルくんが欲しがっていたカードゲームの超レアカードをそれぞれに譲渡することで手を打って、今日一緒に来た。
 シンちゃんの家はお母様がご入院中で、お父様は日曜日もお仕事でいつも帰りが遅く、弟だけ家に残しておくわけにもいかないので、小3のマサヒデくんも一緒に連れてきた。

 今日は遅くても夜の10時までに、リンねーちゃんの車で送ってもらって家に帰るということを、センパイのお義姉さまから各家庭に知らせてある。
 今日ここで何をしたかは、帰ったら親にも他の友だちにも誰にも言ってはいけない、ただリンねーちゃんの家で楽しくゲームをした、ということにしておく。
 もし少しでも誰かに話したら、話したヤツとは絶交だし一生許さない。
 これは男と男の約束だから、絶対守るから、リンねーちゃんのお友達も安心して欲しい。

 とのことでした。

「ふーん。あんたたちも、それなりにずいぶん大げさな覚悟で来てるんだ。ナカムラミツル君にサトーシンイチ君とマサヒデ君ね。よし、覚えた」
 凛子センパイが、おひとりづつじっとお顔を見つめながらおっしゃいました。

「じゃあ、今度はこっちの番ね。アタシは大沢凛子。ユタカのパパの妹で、続柄的には確かに叔母に当たるんだけど、アタシをオバサンって呼んだヤツは、レッドカードで即退場。まあ、ユタカみたいにリンねーちゃんとか、リンコお姉さんって呼んでくれたらいいよ」
 ユタカくんが何か言いたそうなお顔になって、すかさずセンパイに睨まれ、あわてて口を押さえました。

「普段はアパレル、つってもわかんないか、服飾、ってこれも難しいな、洋服関係、ファッション関係の仕事してる・・・」
「それって、ファッションデザイナー?」
 一番幼いマサヒデくんがお声をあげました。
「まあ、そんなところかな・・・」

 すげえ!カッコいい!と賞賛を浴びるセンパイ。
 ユタカくんもなんだか嬉しそう。

「で、この子がアタシと同じ会社に勤めている後輩で・・・」
 みなさまの目が私とセンパイの唇を交互に見つめています。

「ミコトさん。通称ミーコちゃん」
 そのお名前が発せられた途端、小学生軍団大騒ぎ。
 嘘っ!?マジっ!?本物っ!?やべえ!やべえよっ!・・・

「なーんちゃってね。でも似てるでしょ?」
 凛子センパイがイタズラっぽく笑うと、途端にトーンダウン。
 なーんだ、そりゃそうだよね、でも似てる、ボクはこっちのお姉さんの顔のほうが好き・・・

「リンねーちゃんも映画、観たの?」
 ユタカくんが驚いたお顔で尋ねます。

「ううん。仕事が忙しくてまだだけど、アタシがニチアサ好きなのは知ってるでしょ?」
「ちょっと雑誌やネットで情報集めれば、劇場版のヒロインの衣装なんてすぐわかるから、ちょちょいと作ってみたんだ」
 再び、すげえ、カッコいい、と小学生軍団から尊敬の眼差しを集めるセンパイ。

 どうやら私は、今日ユタカくんたちが観てきた映画に出ていた、ミコトさん、という役名の人のコスプレをさせられたみたいです。
 それなら私の呼び名も今日はずっと、ミコトさん、でいいかな。

「それで、・・・」
 もったいぶるように不自然な間を取った凛子センパイが、お芝居がかったおもねるような口調でつづけました。

「このお姉さんならね、頼めばいつでも、ハダカ見せてくれるんだよ」

 ここで、このお話の冒頭の場面に戻るわけです。

 男の子たちは一瞬たじろいだようなご様子でしたが、4人でお互いお顔を見合わせたかと思うと、みるみるうちに瞳が爛々と輝き始めました。

「ユタカたちは今日、このお姉さんと何をするためにここに来たんだっけ?」
「お医者さんごっこー!」
 センパイの問い掛けに一斉のお答。

「そうでしょ?マンガなんか読んでるヒマは無いはずよ。さっさと始めるから準備を手伝いなさい。まずテーブルの上を片付けて」
「はーいっ!」
 一斉に浮足立つ小学生軍団。

「シンサツシツを作るよ。この椅子が患者さん用ね。それでこっちがお医者さん用。向かい合うようにあそこに置いて」

 背もたれも肘掛も無いバーのカウンターチェアのような丸椅子が患者さん用。
 みなさまが座っていたダイニングテーブル用の普通の椅子がお医者さん用。
 入口ドア上の監視カメラで、患者さんとお医者さんが真横から映るような位置にセッティングされました。
 ということは、患者さんが正面方向から映るような位置にも隠しカメラがあるのでしょうか。

「残りの椅子三つは、看護士っていうか助手の見学用、お医者さんのそばに置いて。あと、このワゴントレイをお医者さんのそばに」
 テキパキとご指示なさる凛子センパイ。

「ワゴンの一番上のトレイに、これの中身を並べておきなさい。あんたたちのためにわざわざネット通販で買って用意してあげたんだから、感謝しなさいよね」
 恩着せがましくおっしゃりつつ、子供たちに紙袋を差し出されるセンパイ。

「わー、何?なにー?」
 我先にと紙袋の中を覗き込む子供たち。

「今でもちゃんと、玩具のお医者さんごっこセットって売ってるんだよね。アタシの頃に比べるとずいぶんデフォルメされて全体に可愛らしくなってるけど」
 センパイが私に、同意を求めるように語りかけてきます。
 
 うわー、すげー、と興奮気味な小学生軍団のお声。
 私の腰の高さくらいなキャスター付きワゴンの一番上、タオルが敷かれたトレイ上に、子供たちの手で次々とお道具が置かれていきます。

 プラスティック製のチープでカラフルな注射器、打診器、危なくないはさみ、カルテとペン、お薬の袋・・・
 懐かしいごっこ用オモチャの数々。

 ただ、その中に混じって、どう見ても本物、と思われる医療用具もありました。
 聴診器、ピンセット、ペンライト、小型の電動マッサージ機、アンテナペン、デジタル体温計・・・

 これらは、里美さまのネットショップの、大人のお医者さんごっこ特集、にも載っていたアイテムでした。
 どうやら里美さまから調達されたみたい。
 さすがに、クスコ氏式膣鏡やコラン氏式舌鉗子とかガラスのお浣腸器など、マニアックな器具は自粛したようですが。

 でも他にも、スースーする塗り薬とガーゼとか鳥の羽の刷毛やらバターナイフとか、私を乱れさせる気満々のラインナップ。
 書道筆とかリコーダーなんて、何のシンサツに使わせる気なのでしょう。
 プラスティック製のオモチャの注射器も、いかにも先っちょをお尻の穴に挿し込みたくなるような形をしています。

 更に更に、ワゴンの2番目のトレイ上を見たとき、凛子センパイの本心がわからなくなりました。
 そこにすでに乗っていたのは、ハンディサイズのビデオカメラ、ありきたりなプラスティック製の紐付き洗濯バサミ5、6個、30センチの木製定規、太さも長さもそれ用にしか見えない民芸こけし、例えば膣内のような狭いところまで侵入可能なファイバースコープカメラケーブル。
 
 私にマゾっぽく振舞うなとおっしゃりながらも、子供たちに私のマゾ性をご披露する気満々なお品揃えに思えました。
 私の衣装や隠しカメラのセッティングも含めてあまりにも準備万端。
 実は今日のこのお医者さんごっこを一番愉しみにしていたのは、凛子センパイなのかもしれません。
 
 凛子センパイがいそいそと、カウチソファの背もたれを倒して平らにされました。
「ここが患者さん用ベッドね。お尻に注射するときは、ここに移動。じゃあ、誰が最初にお医者さんやるか、順番決めちゃいなさい」
 私がお尻に注射を打たれることは、もはや決定事項のようです。

 子供たち4人が興奮気味にじゃんけんを繰り返しているとき、センパイが私に近づいてきました、
 片手には男物っぽい真っ白なワイシャツ、もう片方の手には、ツルの部分が妙に太い黒縁のメガネを持たれていました。

「この伊達メガネ、ミサミサ魔改造で無線で飛ばせるカメラレンズ内蔵してるから、ガキンチョの好奇心旺盛な目線がそのまま、ミサミサのところで録画されるんだ」
 大きなお声でじゃんけんぽんを繰り返す男の子たちを尻目に、ヒソヒソ声で教えてくださいました。

「本当に、いいんですか?」
 いよいよそのときが差し迫り、ずっとモヤモヤ感じていた背徳的な罪悪感が思わず言葉になり、小さな声で凛子センパイに尋ねていました。

「お医者さん役の順番が決まったら、みんなもう一度綺麗に手を洗ってきな。女の子の肌を触るときは、いつも清潔にしなくちゃダメだよ」
 凛子センパイの号令で一斉にキッチンへと雪崩れ込む子供たち。
 それを見てから私に向き直りました。

「何?子供の教育上とかそういうこと?」
 小声でお答えくださいつつ少し怪訝そうなお顔になって、私の右耳に唇を寄せてこられる凛子センパイ。

「女のハダカが見たいっていうガキンチョたちがいて、見せたいっていうヘンタイ女がいる、ってだけのシンプルな話でしょ。需要と供給があって双方がシアワセになれる、いい経験じゃない。愉しめばいいのよ」

 普段私を虐めるときのようなSっ気が滲み出たゾクッとする低めなお声で、センパイが耳打ちしてくださいました。
 そのお言葉で私も覚悟を決めました。

 お医者さん役のトップバッターは、五分刈りヘアのサトーシンイチくんに決まったようです。
「お医者さん役の人は、この白衣とメガネを着けてね」
 凛子センパイがシンイチくんにワイシャツと隠しレンズつきメガネを手渡します。
 いそいそと着込むシンイチくん。

「ちゃんと照れずに、お医者さんに成りきってシンサツするのよ?そのトレイの上の道具はどれ使ってもいいから」
 上から目線で子供たちにご指示を出される凛子センパイ。

「ユタカくんのお姉さんてエラそうで、病院で言うと、おおせんせい、みたいだね」
 一番歳下のマサヒデくんの無邪気なご感想。

「マサヒデ君だっけ、キミよく、おおせんせい、なんて難しい言葉知ってるねえ?」
 センパイがニコニコしながらマサヒデくんに語りかけます。

「うん、ボクとシンイチにーちゃんは、お母さんのお見舞いでよく病院へ行くから、お医者さんのことは詳しいんだ。お母さんを診てくれているのは、おおせんせいっていう、そこの病院で一番エラいおじーちゃん先生だから、ボクたちも安心なんだ」
 すごく得意気にご説明されるマサヒデくん。

「ふーん。そういうことならアタシは、この大沢病院の大先生の役をやるから、みんなおおせんせいの言うことはよく聞くこと。わかった?」
「はーいっ!」
 クロゼットから出してきたもう一枚の白ワイシャツをロングTシャツの上に羽織った凛子大先生に、小学生軍団の元気良いお返事。

「それではシンちゃん先生、シンサツを始めてください。患者さんは、池袋の会社に勤める21歳のOLさん、アメノミコトさんです。ミコトさんはこちらへ座ってください」
 凛子大先生に促され、丸椅子に浅く腰掛けました。

「今日はどうしました?どこか痛いところがありますか?」
 五分刈りヘアの丸顔に黒縁伊達メガネをかけ、ブカブカの白ワイシャツを羽織ったシンイチ先生が、首に掛けた本物の聴診器を物珍しげにもてあそびながら尋ねてきました。

「あ、はい・・・よろしくお願いします・・・あの、今朝からこのへんと、このへんがジンジンと痛くて・・・」
 半分本気半分演技なモジモジ具合でからだをくねらせつつ、自分のおっぱいの辺りと下腹部を押さえる私。

 シンイチ先生の背後に並んだ椅子には、他のお三かたが身を乗り出すようにして、私を見つめています。
 その後ろに、いつの間にか先生と同じような伊達メガネをかけた凛子大先生が仁王立ちで腕組みをして、ニヤニヤ私を見つめてきます。

「わかりました。ではちょっと診てみますので、服を脱いでもらえますか?」
 少し上ずったような、シンイチ先生のお声。
 聴診器の肌に当てる部分をしきりに指先で弄っています。

「はい・・・わかりました・・・」
 お答えして立ち上がり、まずジャケットのボタンを外し両腕を抜きました。
 脱いだ上着は、これまたいつの間にか傍に来ていた凛子大先生の手が回収してくださいます。

 ジャケットの下は白のタンクトップ風ノースリーブ。
 剥き出しの両肩と胸の谷間寸前までえぐれた胸元。
 子供たち全員が中腰に立ち上がりググッと前のめりになってくるのがわかります。

「上着の下も映画と同じだ・・・」
 どなたかがつぶやくお声が聞こえました。

 隠しジッパーに指をかけ、ジジジっと下ろすごとに子供たちの前のめり具合が激しくなり・・・
 ハラリと割れた白い布地の隙間から、私のおっぱいの谷間と白いブラジャーの布地が見え始めました。


夏休み自由研究観察会 04


2017年8月6日

夏休み自由研究観察会 02

「当日は、ミサさま、あ、いえ、美咲センパイも凛子センパイのお家に来られるのですか?」
 自分のスケベなおツユと若干のおシオで汚してしまった床を全裸で雑巾がけしながら、ふと気になって、開発ルームに戻られようとされていたミサさまのお背中にお尋ねしました。

「ボクはガキンチョ苦手だからパス。その日は一日部屋に篭って、パソコンとにらめっこしているつもり」
 立ち止まって振り向かれたミサさまが、小さな笑みを浮かべておっしゃいました。

「撮り溜めた直子のビデオの編集もしなくちゃだし。こないだの絵理奈のパーティで撮った映像も手つかずだから。チーフに、早く見せて、って、せっつかれてるんだ」
 サラっと怖いことをおっしゃるミサさま。
 その後に、ニッと謎のような微笑を付け加えられ、社長室から出て行かれました。

 そして当日。
 朝から太陽ギンギラギンな思いっきりの猛暑日でした。

 待ち合わせは、オフィスのあるビル群の麓にあるホテル入口付近に午後一時。
 もっとも暑い盛りと言ってもいい時間帯でしたが、夏休み中の日曜日でもあるので周辺は大賑わい。
 陽射しの当たらない柱の陰に立ち、キャペリンハットの広いツバ越しに、通りを行き交う人たちの中から凛子センパイのお姿を探します。

 その日の私の服装は、ギャザー少なめ大人しめな白の前開きシャツブラウスと、淡いグレーの膝丈チュールスカート。
 凛子センパイが、教育実習で小学校に来た女子大生先生、とおっしゃっていたので、そのイメージでコーディネートしてみました。

 足元は、暑いのでソックス無しの素足に少しヒール高めなリボンミュール。
 首には細めな白のエナメルチョーカー、頭に白のキャペリンハット、お財布や鍵を入れた肩掛けポシェットと、全体に夏らしく白っぽくまとめてみました。

 下着類はお約束通り、金曜日に凛子センパイが手渡してくださいました。
 白無地の3/4カップブラと綿100ノーマルショーツのセット。
 学生の頃、それも中学生の頃によく身に着けていたような記憶のある、いたってありふれて健全な女子用下着たち。

 身に着けたとき、こんなにしっかり胸周りと腰周りを下着で覆ったのって何年ぶりだろう?なんて、懐かしい着心地に感動してしまいました。
 ただし、さすがは凛子センパイ、ショーツのクロッチの二重補強してある布部分は、見事に剥がされ薄くなっていましたが。

 そんな姿でキョロキョロ周りを見渡していると1時きっかり、目の前の通りにちっちゃめな四角いピンク色の車が停まりました。
 ドアが開いて降り立った、鮮やかなグリーン地に外国の有名なアニメキャラのお顔を大きくあしらったビッグTシャツ姿の凛子さま。
 舗道のほうを見渡すようにしているのを見て、あわてて駆け寄りました。

「おお、いたいた。今日はあっちーねえ。さ、乗って乗って」
「凛子さ、あ、いえ、センパイって、お車、持ってらしたのですね?」
「うん。チーフみたいに凄いのじゃなくて、軽だけどね」
 助手席のドアを開けてくださり、乗り込みます。

「待ち合わせはホテルの前っておっしゃられたので、てっきりタクシーで行かれるおつもりなんだな、って思い込んでいました。それか地下鉄か」
「コスプレ趣味ってさ、意外と大きな荷物運ぶこと多いんよ。布の買い出しとかコスプレ会場とかにさ。だから無理して二年前に買っちゃった」
 スーッと滑り出したお車は、ビルをグルっと一周りして大きな通りに出ました。

「それにしても直子、気合入ってるじゃん。高原のお嬢様帽子までかぶっちゃって。すごく似合ってる」
「あ、いえ、センパイが、清楚風お淑やか、っておっしゃったので、考えてそれなりに・・・」
「うん、どっからどう見ても充分清楚な良家のご令嬢よ。それ見たらユタカのヤツ、大喜びしちゃいそう」
 お車はすぐに大通りを外れ、住宅街の細い道に入りました。

「だからくれぐれも、ヘンタイマゾな素振りは見せないでよね。アタシ、自分の甥っ子を思春期前からそんなものに目覚めさせたくないから」
「今日の直子は、煩悩に迷う子羊たちを正しい道へと導く女神様の役回り。ガキンチョのイタズラで溜まったムラムラは明日、アタシたちがオフィスでぜーんぶ、解消してあげるから」
 からかうようにおっしゃる凛子センパイ運転のお車は、細い路地をくねくねと器用に曲がりながら進んでいきます。

 車内には低く、ここ数年の深夜アニメのオープニングやエンディングテーマ曲がランダムに流れつづけています。
 ときどき一緒に小さく口ずさむ凛子センパイ。
 照りつける陽射しが嘘のような、エアコンのよく効いた快適な車内。

「それにしても、最近は小学4年生くらいで、お友達同士で電車に乗って繁華街に映画を観に行ったりするのですね?4年生って10歳か9歳くらいですよね?」
 私が凛子センパイのお話を聞いて、素朴に驚いたことを口にしてみました。

「ユタカんちから池袋まで急行に乗れば10分ちょっとくらいだしね。それに今、電車に乗って塾通いなんて私学受験志望なら小3くらいからザラらしいよ」
 リラックスしきったご様子でハンドルを握られている凛子センパイ。

「まあ、学校的には保護者同伴なしで学区外に遊びに出るのは禁止なんだろうけど、夏休みに親戚の家に子供たちだけで遊びに行く、なんてのはよくあることじゃん」
「あと、ユタカは男の子だから。義姉さんも、ユーコちゃんにはまだ、女子だけでの遠出は許してないってさ」

 センパイのお話に相槌を打ちながら、私が初めてひとりで電車に乗ったのは、中一になってからのバレエ教室通いだったなー、なんて懐かしく思い出していました。

「それにさ、夫婦的にも休日に子供がどこか行ってくれると好都合なのよ。今日はユーコちゃんも近所の友達とお泊まり会らしいし」
「子供が大きくなっちゃうと、メイクラヴのチャンスがグンと減っちゃうらしいからねー」

「今日は久しぶりに夫婦水入らずでドライブでもして、昔よく行っていたラブホで恋人気分に浸るの、なんて義姉さんウキウキで言ってた。コスプレえっちでもする気なんじゃないかな」
「ひょっとしたらユタカに歳の離れた弟か妹がデキちゃったりしてね」
 なかなか生々しいお話を、サラッとされる凛子センパイ。

 お車は大小のお店が立ち並ぶ商店街に入っていました。
 路地をひとつ曲がり、小さな空き地みたいな一画に進入、サクッと綺麗に駐車されました。

「はい、着いたよ」
「えっ!?もうですか?」
 走り出してからまだ10分も経っていません。

「あれ?直子、アタシんちがどこか知らなかったっけ?」
「あ、はい。部室に泊まり込んでいらっしゃることが多いから、たぶんご自宅はずいぶん遠いのだろうと、勝手に思い込んでいました」
「あはは、仕事が立て込んでるときは、いくら近くても、そんな通勤時間さえもったいなく思えちゃうんだよね」

「ここは、どの辺りなのですか?」
「JRで言うと池袋のひとつ隣、北口改札を出て徒歩三、四分、ってところかな」
 ご愉快そうにお答えくださる凛子センパイ。

「オフィスからでも20分も歩けば帰れる距離だけど、仕事モードのときはオフィスと部室のほうが居心地いいんだよね。いつもミサミサと一緒だし」
 一瞬、照れたようなお顔になりました。

「ここからちょこっと歩くよ。うちのマンション、駐車場無いから。ここを月極で借りてるんだ」
 お車のドアを開けた途端、容赦の無い陽射しと猛暑がムワッと襲いかかってきました。

 路地を出るとまた商店街。
 飲食店が多いようですが、日曜日のせいか、まだランチタイムなのに閉まっているお店が目立ちます。
 少し歩くと左側にコンビニエンスストア。
 スタスタとご入店される凛子センパイ。

 ペットボトルのジュースや袋のお菓子、アイスなどを適当にお買いになって店外へ。
 そのままコンビニの敷地内を裏手のほうへと向かわれます。

「えっ?」
「ここがアタシんち。このコンビニの上、4階建ての3階301号室」
 コンビニの裏側に建物全体のエントランスらしきゲートがあり、郵便受けが6つ並んでいました。
 そこから屋外階段が建物の側面を上へ上へとジグザグに伸びています。

「4階建てだからかエレベーター付いてないんだよね。悪いけど3階まで自力で上がって」
 凛子センパイのお背中を追って階段を昇っていきます。
 ロングTシャツの裾からデニムのショートパンツが覗き、その下のスラッとしたお御足が陽射しにキラキラ汗ばんでいます。

 3階までたどり着くと、胸高のフェンスに覆われた外廊下。
 廊下を3、4歩歩いた左側に、301 OOSAWAと記されたネームプレートを貼り付けたドアがありました。
 カードキーらしく、センパイがカードをかざすとカチャンとかすかな音。

「到着ー。入って入って」
 内開きドアの中で手招きされる凛子センパイに促され、おじゃましまーす。

 エアコンを点けっ放しにしておいてくださったようで、入るなりひんやり生き返りました。
 沓脱ぎの先に短かい廊下があって、その正面に開けっ放しのドア。
 そのドアの向こうには、意外に奥行きのあるリビングダイニングが広がっていました。

「いやあ、うちに誰か招くのなんて久しぶりだからさ、散らかし放題だったから昨日は片付けでてんやわんやだよ。適当にその辺に座って汗拭いてて」
 ウエットティッシュのボトルと冷たいお紅茶の缶を手渡してくださり、ご自分は買ってきた飲み物やアイスをテキパキと冷蔵庫に仕舞われる凛子センパイ。

「うち、エロマンガやエロゲーとか着エロ写真集とか普通にあちこち転がってるからさ、そういうのひとまとめにして寝室に突っ込んだり」

 確かに壁一面のブックシェルフには、凄い数のコミック本やゲームソフト、CD、DVDなどが整然と並んでいるのですが、ところどころ不自然に隙間が空いて、ぬいぐるみや箱入りのフィギュアがその隙間を埋めています。
 お部屋の片隅に、お仕事道具である小型のミシンやトルソーの類がひとまとめに集められているのも、今のお部屋の状態がイレギュラーであることを物語っているようです。

「ユタカたちがこの部屋に来ると、帰りたがらないんだよね。ゲームだマンガだ、って何時間だって遊んでいたいって」
 大きな壁掛け型ディスプレイの周りには、さまざまなゲームハードがラックに収められ、その横のラックには、ゲームショップ?と勘違いしちゃいそうなほどのゲームソフトの数々。
 そういうのがお好きな子供たちにとってここは、まさに夢の国みたいなものなのでしょう。

 そんなお部屋を見て私は、中学からのお友達、しーちゃんのお部屋を思い出していました。
 彼女のお部屋にも、凄い数のマンガがあって・・・

 その後のしーちゃんとの個人的なおつきあいで起こったビタースイートなあれこれまで急に思い出し、なんだか感傷的になってきました。
 私、あれからずいぶん遠いところまできちゃったかな・・・
 いけないいけない、と軽く首を振ったら、さっき、ふと目に入って気になっていたことを思い出しました。

「そう言えばさっき、1階の入口のところの郵便受けで、センパイのお隣の郵便受けの名札がローマ字でKOMORIって書いてあったような気がしたんですけれど・・・」

「さすが秘書課の直子、目ざといねえ」
 お片付けが一段落したらしいセンパイが、缶コーラとポテチの袋を片手に、私が座っていたダイニングテーブルの向かいの席に、どっこいしょっとお尻を落ち着けました。

「ミサミサもここに住んでるよ。もちろん別々にね。ミサミサが先に住んでて、空き部屋出たからってアタシが越してきた。かれこれ三年前かな」
 お箸でポテチをつまみつつ、私にも割り箸を差し出してくださるセンパイ。

「直子、お昼は?」
「あ、お家で食べてきました。バナナとヨーグルト」
「ポテチは?」
「あ、いただきます」
 手が油で汚れるからとスナック菓子をお箸でいただく人がいる、というのは聞いてはいましたが、自分もすることになるとは思いませんでした。

「だから昨日はミサミサもてんてこ舞い。出たり入ったりドッタンバッタン大騒ぎ」
 おっしゃりながら意味ありげに天井のほうを見遣る凛子センパイ。
 つられて視線を遣ると・・・

「あーっ!?」
 オフィスの社長室で見慣れている手のひらサイズの球体が、入口ドアの上のところに取り付けてありました。

「うふふ、気がついた?今日の、夏休み!子供のための女体観察会、はね、ミサミサんちにも無線LANでライブ配信されて、ばっちりデジタル録画されることになってるの」
 センパイが、ドッキリを仕掛けて大成功した子供さんのような、無邪気な笑顔でおっしゃいました。

「あそこの他にもこの部屋にあと3箇所、合計4箇所に監視カメラ仕込んだそうだから、お医者さんごっこは、そのレンズに映る位置でやってもらうことになるね」
 センパイのお言葉で、私が今日ここに、何をしにきたかを今更ながらに思い出します。

「今頃ミサミサも自分の部屋でカメラチェックに余念が無いはずよ。あの子、真夏はハーフ裸族だから、素肌にスク水でも着て直子の姿を見つめてるはず」
「ほら、カメラに向かって手振って。録画、よろしくお願いしまーす、って」
 からかうようにおっしゃるセンパイのお言葉に従い、まあるいレンズに向けて手を振って一礼しました。

 リビングルームの向こう端は、ベランダに出るために大きく取られたカーテン全開の素通しガラス窓。
 ベランダ越しに射し込む盛夏の眩し過ぎるくらいの陽射し。
 
 そんな昼下がりの明るいお部屋で、私はこれから見知らぬ小学生たちを前にして、ひとり裸身を晒すんだ・・・
 そしてその模様はすべて録画され、お姉さまに、いいえ、多分オフィスのみなさま全員に鑑賞されちゃうんだ・・・
 抑え込んでいるマゾ性が、ムクムクと鎌首をもたげてきてしまいます。

「そ、そう言えば、お部屋の壁の木枠のところとかドアの上とかに、やたらとパイプみたいな鉄?の棒がカーテンレールみたいに取り付けてありますけれど、あれは何の為なのですか?」
 これ以上マゾ的なことを考えていると、折角の健全下着を早々と汚してしまいそうなので、気を逸らすために、お部屋中を見渡したとき気がついたことお尋ねしました。

「ああ、あれはハンガーレール。急ぎの仕事とか急な仕事のときは、ここで作業することもあるんだ。それで複数アイテムを同時進行するのに仮縫い途中の私物アイテムとか一々クロゼット開けて吊るすのめんどいじゃない?たたむとシワになっちゃうし」
「それで、やりかけ仕事を手っ取り早く吊るすために、そこいら中に取り付けていたらこうなっちゃった」

「こないだのイベント前なんて、ちょうど間近のコスプレイベントとも重なっちゃって、公私のやりかけ衣装で窓が見えないくらいだったよ」
「今も夏イベ用やりかけ衣装がけっこうあるんだけど、今日はそれも全部、寝室に押し込んじゃった」
 自嘲気味にお答えくださる凛子センパイ。

 私の場合、同じような鉄パイプ類が自分の家の洗濯物干し用サンルーム、通称お仕置き部屋にあって、自分を虐めるときに片足を高く上げたままの拘束を固定したり、股縄渡りの両端の固定のお道具として使っているので、どうしても、そういうイメージで淫靡なほうに想像してしまうのです。
 でも今日は、マゾ要素禁止、ですから、おそらくそういう使い方はしないはず。
 それがホッとするような、残念なような・・・

 そんないやらしいことを私が考えているのを知ってか知らずか、凛子センパイが唐突におっしゃいました。
「やっぱりアタシが用意した衣装に着替えて貰おうかな。まだ時間大丈夫そうだし」

 ご自身の腕時計を見た後、傍らのショッパーをガサゴソし始めたセンパイ。
「映画が一時ちょっと過ぎに終わって、昼ごはん食べてからこっちに向かうって言ってたから、ここに着くのは多分2時過ぎくらい」
「まだ20分くらいあるし、サクっと着替えちゃってくれる?」
 テーブルの上に、真っ白なファンシーぽい衣装が広げられました。

「今日の直子の私服も充分清楚でいいんだけど、こっちを着たほうがガキンチョたちの反応が面白そうなんだよね」
「大急ぎて作ったわりには雰囲気出てるはず。直子も図ったように白いチョーカー着けてきてくれたし」
「ほら、着替えなさい。もちろんカメラの前で」

 センパイに顎で促され、立ち上がってドア前のカメラに映りそうな場所に立ちました。
 ブラウスのボタンを外し、スカートのホックを外し、あっという間に健全純白ブラジャーアンドショーツ姿。

「直子のそういう真っ当な下着姿って、かなりレアだよね。熟女のセーラー服姿と一緒で、一周回って屈折した卑猥さみたいのがあって、却ってエロくない?」
 カメラの向こうの美咲センパイに語りかけているような、凛子センパイの冷やかし交じりなご感想。
 私も、妙な恥ずかしさを感じているのは事実で、ショーツの突端がシミちゃいそう。

 渡された衣装はいずれも純白で、シフォンぽいというかチュールっぽいというか、薄い布地を何枚も縫い重ねて作ったようなフワフワな質感でした。

 インナーは、キャミソールっぽいノースリーブで、胸元もブラが完全に隠れるくらい浅く、透け感も無いお上品なタンクトップ風、隠れジッパーの前開き。
 ボトムはレースフリルモコモコな膝上ミニスカート。
 そこに二、三折まくった袖口にだけ淡いピンクの入ったブレザー風のフリルフリフリジャケットを合わせ、最後に純白フィッシュネットのニーハイストッキング。
 全体的には、どこかのブリっ子アイドルさんのライヴステージ衣装、といったいでたちになりました。

「むちゃくちゃ可愛いじゃん、ガチ似合ってる。その格好でソーセンキョ出れば、ラクショーでセンター穫れるレベル」
 巷で話題の大所帯某アイドルグループの名前を挙げて、煽ててくださる凛子センパイ。

 ピンポーン!
 そのときチャイムが鳴りました。

「あ、来たみたい。直子は、さっきの椅子に澄まして座ってて」
 スタスタと玄関に急ぐ凛子センパイ。
 ふと見回すと、私が脱いだお洋服一式は、帽子も含めてすべて、何処ともなく跡形もなく消え失せていました。

 バタンとドアが開く音ともに、お子様たち特有の甲高いお声がワイワイ聞こえてきました。

「あっちーっ!」
「うわっ、すずしーっ!」
「おじゃましまーっす!」
「おじゃまされまーっす!」

「あんたたち、汗ビッショビショじゃない!?ってあれ、ふたりじゃないのっ?えっ?4人も来たの?」
「ああ、ミツルがシンちゃんに今日のこと教えちゃってさ。それでシンちゃんがどうしても来たいって言って、仕方ないからマサヒデも連れてきた」
 
 ガヤガヤ賑やかにリビングへと入ってこられた小学生軍団。
 私も座ったままそちらに顔を向け、ニッコリ笑って、こんにちはー、と声をかけました。

 途端にピタッと静まりかえる室内。
 4人が4人共、私のほうをまじまじと見つめ、やがてコソコソと仲間内で耳打ちし始めました。

「・・・ミーコじゃない?」
「だよね・・・」
「まさか・・・」
「・・・でもそっくり」
「・・・本物?」
 そんなヒソヒソ声が聞こえてきます。

「ほらほらあんたたち、そんな汗ビッショでエアコンあたったら風邪引いちゃうよ?タオル貸してあげるから、お風呂場で上半身だけでも水シャワーしてきな。ユタカ、案内してあげて。うちのシャワーの使い方、わかるよね?」
 クロゼットからバスタオルを何枚か出しながら、凛子センパイが母親のような口調で指示されます。

「うんっ!」
 おのおのタオルを受け取った小学生軍団、ドタドタと入ってきたドアへと引き返し、私の視界から消えました。

「4人も来るなんて聞いてないわよ、まったく。早くも計画が狂っちゃったじゃない。やれやれ、これだからガキンチョは・・・」
 私の対面の椅子に座り込んで、心底うんざりしたお顔をお見せになる凛子センパイ。

「ジュースやお菓子が足りなくなりそうだから、ひとっ走り下のコンビニで調達してくるわ」
 不意に立ち上がられたセンパイが玄関に向かいながらおっしゃいました。

「どうせヤツラは15分くらいお風呂場から出てこないと思うから、そこでマンガでも読んでて」
「あ、はい。行ってらっしゃい・・・」

 唐突に男子小学生4人しかいないお部屋にポツンとひとり取り残され、これからすることの不道徳さにあらためて思い至った私は、急激にドキドキし始めていました。


夏休み自由研究観察会 03


2017年8月2日

夏休み自由研究観察会 01

「このお姉さんならね、頼めばいつでも、ハダカ見せてくれるんだよ」
 
 凜子センパイの身も蓋もないご紹介。
  同じテーブルを囲んでいるのは、私と凛子センパイ、そして小学校3、4年生の男の子たちが四人も。
 
 どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・

 発端は、絵里奈さまの快気祝いパーティから、その流れのあれこれで私が散々大勢の方々の慰み者になり果てた週末から少し経ち、月が変わっていよいよ夏本番な、ある日のオフィスでのことでした。

 その日も私は、乳首とワレメのスジしか隠せないティアドロップス型の白いマイクロビキニ姿にされて業務に励んでいました。
 冷房が効いているので、デスクワークではシースルーレースのショールを一枚羽織ることだけ許されていました。

 お姉さまは出張中。
 営業の雅部長さまとほのかさまはお外回りで直帰、綾音部長さまもクライアント様とのお打ち合わせで直帰ということで、開発部のリンコさまとミサさましかおられない退社時刻間近の夕方。

「ちょっとさ、直子に相談に乗って欲しいことがあるんだけど・・・」
 ノック無しで社長室のドアが突然開きました。
 そろそろお先にさせていただこうかと思い、着替えのために私物ロッカーを開けようとしていたときでした。

 リンコさまたちが常駐されている開発ルームには、私の様子を監視出来るカメラモニターが複数稼動しているので、私がもう帰ろうかと腰を上げたのを察知されたのでしょう。
 私また、今日も夜遅くまでデスマーチらしいリンコさまたちの、息抜きのオモチャにされちゃうのかな・・・
 早くお家に帰っても別に予定は何もありませんでしたから、ちょっとワクワクしつつお迎え入れました。

 有名なロックアーティストさんのロゴらしいプリントの入ったビッグTシャツ姿のリンコさまと、夏服セーラーのコスプレ姿なミサさまが雪崩れ込んでくるなり、窓際のソファーに窓を背にしてストンと落ち着かれました。

「ほら、開発部の備蓄から直子の分もアイス持ってきたからさ、一息ついて一緒に食べよう」
 数日前にお得意様がお中元として大量に差し入れてくださった高級カップアイスを振りながら、手招きされるリンコさま。

「あ、はい・・・」
 あれ?何だか今日はいつもと違うな、いつもなら入ってきてすぐに何かえっちなオモチャを取り出してご命令してくるのに・・・
 そんなことを思いながらも、紐ビキニにショールを纏ってソファーへ向かい、リンコさまたちの向かい側に腰かけます。

「えっと、何ですか?ご相談て・・・」
「直子さ、今度の日曜日、時間ある?無い、って言われても、作ってもらわないと困るんだけど・・・」
 それから、アイスを舐めつつリンコさまから伺ったお話の導入部は、要約するとこんな感じでした。

 リンコさまには、少しお歳の離れたお兄様がいらして、すでにご結婚され、池袋から私鉄で一本のベッドタウンに一戸建てを建てられ、お幸せに暮らしていらっしゃるそう。
 ご夫婦には今年小学4年生の男の子がいて、名前はユタカくん、リンコさまから見ると甥っ子さん。
 六月のイベントショーが終わって一息ついて、いただいた有休の日にお兄様ご夫婦のお家にリンコさまが遊びに行かれたとき、ユタカくんがご夫婦に叱られていて・・・

「それがね、ユタカ、とんだマセエロガキに育ちつつあるみたいなのよ」
 リンコさまが苦笑いを浮かべながら本題に突入されました。

「なんでも、その三日前くらいが、夏のプール開きに向けて、4年生以上の高学年生有志でプール清掃をする日だったんだって」
「積極的に手を挙げて参加したまでは偉かったんだけど、終わった後、参加した女子の更衣室を覗こうとしていたらしいのよ」

「それが他の女子にみつかって、先生にご注進、お説教っていう流れ」
 リンコさまは、別に深刻そうでもなく、むしろ愉しんでいらっしゃるご表情です。

「それでその後、余罪の追及っていうか、他の先生がたと情報の共有がなされたらしいのね」
「そしたらユタカ、同級生や下の学年の女の子を、しきりに、お医者さんごっこしよう、って、誘っているっていう証言まで出てきちゃったらしくて」

「それで義姉さんが学校に呼び出されたその日の夕方に、アタシが訪問しちゃったみたいなのよ」
 義姉さんというのは、つまりリンコさまのお兄さまの奥様、ということでしょう。

「すっごい気マズくてさ。兄貴はバカだから、さすが俺の息子、ハーレム系てな感じでむしろ喜んでるし、義姉さんは頭抱えちゃってて、ユーコちゃんは虫けらを見るみたいな目でユタカを見てるし」
「ユーコちゃんていうのは、ユタカのお姉ちゃんね。2つ違いで今年小六の女子」

「せっかくみんなでカートレースゲームでもしてまったり過ごそうと思ってたのにさ。あっ、義姉さんも一応コスプレ属性あるくらいにはプチヲタで根はやわらかいのよ。兄貴は育てゲーヲタだけど」
 ミサさまがいつの間にか人数分の冷たい麦茶を淹れてくださっていました。

「それで、しつこくお説教半分な夕食が終わって、逃げるように自分の部屋に篭ったしょぼくれユタカに、仕方ないからつき合ってあげたのよ、ヤツの部屋で対戦カードゲーしながら」
「義姉さんの話によると、更衣室覗いたのもお医者さんごっこも、ユタカひとりじゃなくて仲間がいるらしいのよね。でも、その友達の名前は一切割らなかったらしくてさ」

「なんだよこいつ、男気あるじゃん、って思って、しょーがねーな、慰めちゃろ、って思ってさ」
 なんだかんだ甥っ子さん想いのおやさしいリンコさま。

「そんなに女の子の裸に興味あるの?って単刀直入に聞いてみたんだ。そしたら間髪入れずに、うんっ!」
「それからいろいろ聞いてみたら、どうもお姉ちゃん、ユーコちゃんね、の豹変がポイントみたいなのね」

「それまで、義姉さんと子供ふたりとか、ユーコちゃんとユタカでも普通に一緒にお風呂入っていたんだけれど」
「ユーコちゃんが小六になった途端、ユタカとお風呂に入るの、イヤがり始めたんだって」

「ママとなら入るけど、パパやユタカとは絶対イヤだって言い始めて、ユーコちゃんはママとか、ひとりで入るようになって」
「まあユーコちゃんの気持ちはわかるよね。それでユタカは兄さんとか、義姉さんとふたりで入るようになって」
「それならいつもママの裸を見てるんじゃん、ってからかうと、ママの裸は全然違うのっ!て、なぜだか怒って全力否定してくるんだよね」

「ユメコさん、あ、兄貴のお嫁さんね。ユメコさんも昔はけっこう肌の露出が多いコスプレとかしてたカワイイ系の人なんだけどね」
「ユタカにとっては、あくまでもママでしかなくて、オンナとは見ていないんだろうね、親子だからアタリマエだけど」

「ユメコさんも昔のコスプレ写真とか、自分の部屋の鍵のかかる抽斗に封印して、子供たちには一切見せたことないらしい」
 苦笑いのような複雑な笑顔を浮かべられたリンコさま。

「で、じゃあなんでそんなに女の子の裸を見たいの?って質問の角度を変えてみたんだよね」
「そしたら、なんだかそういうえっちなのを見たり考えたりすると、ちんちんがムクムクって大きくなって、なんだか気持ちいいんだ、ってまたまた単刀直入な返事」

「あそこんちヲタカプだから、マンガいっぱいあるんだよね、アタシんちには負けるけど。それで一応ヤバイのは子供たちの目につかないように気をつけてはいるみたいだけど、少年向けでもムダにエロいの、あるじゃん。男の子ってそういうの、目ざといから」

「でもさ、着替えを覗かれたり、無理矢理スカートめくられたりしたら、女子はみんなイヤがるし、そういうことばっかりするスケベ男は女子の人気、なくなるよ、ってアタシも率直に返したんだ」
「そしたらユタカ、シュンとして黙っちゃってさ。しばらくうつむいていた後、何て言ったと思う?」

 私はお話に夢中で、わからないという意味でブンブン首を左右に振り、ミサさまは、すでに顛末をご存知なのでしょう、含み笑いのお澄まし顔。

「じゃあさ、リンねーちゃんの裸、見せてよ・・・」

「アタシ、うわっ、そこまで言うか?って思った反面、あれ?これって、おねショタで、しかもキンシンシチュじゃね?なんて妄想回路まで動き出しちゃってさ、マジ焦ったよ」
「でもすぐにユタカのヤツ、あ、でもリンねーちゃんは、おっぱいぺったんこだしなー、だって!まだ射精も出来ない皮かむりフニャチンマセガキ小僧が!」
 リンコさま、割と本気で憤っておられるご様子。

「それで、そのときふと直子の顔が浮かんじゃったんだよね。イベントの印象が強烈だったからかな」
「うちの会社に、頼めばすぐハダカ見せてくれる女の子がいるよ。それもかなり可愛い子、って携帯に入っていた直子の写真見せたのよ。あ、もちろん服を着ているやつね」

「そしたらユタカの目が爛々と輝いちゃってさ。アタシは、ダメだこのエロガキ、と思ったよ」
 あはは、って乾いたお声で笑われたリンコさま。

「でもまあ話の成り行きだったからさ、つい、言っちゃったんだ。ユタカがこれから学校の女の子たちにちょっかい出すのをきっぱりやめたら、会わせてやってもいいよ、って」
「あんたが真面目人間になったかどうかは義姉さんに聞けばわかるから、それでアタシが合格って認めたら会わせてやるから、お医者さんごっこでも何でもやってもらえば、って」

 私の顔をじっと見つめながら、麦茶をグイっと飲み干されたリンコさま。
 私は、小学生の男の子とお医者さんごっこ、というお言葉だけで、色んな思い出がよみがえり、股間がジンワリ潤んできていました。

「そしたら数日前に義姉さんから電話があってさ、今度の日曜日に学校の友達と一緒に池袋に映画見に行くから、そのついでにアタシんちに寄っていいか聞いておいてくれって、ユタカに頼まれたんだって」

「で、必ず伝えてくれって念を押された伝言が、ボク、夏休み前のテストで国語算数理科社会、全部90点以上取ったから、嘘じゃないから、その日持っていって全部見せるから」
「それでリンねーちゃんにはわかるから、約束絶対守ってね、だと」

「言われてから、ああ、そんな条件も出したっけ、って思い出した。ユタカ、いつも70点くらいをウロウロしているって聞いてたからイジワルのつもりだったんだけど、エロの力って、偉大だよねえ」

「義姉さんに聞いても、あの日以来何だか人が変わったみたいに真面目に宿題するようになっちゃって、凛子ちゃん、ユタカの鼻先にどんなニンジンぶら下げたの?お小遣い?ゲームソフト?って勘ぐられちゃった」
「学校夏休みなのにわざわざ日曜日に映画行くことにしたのは、リンねーちゃんの会社もお休みの日じゃないと会えないから、とまで言ってたんだって」
 
 そこまでおっしゃって、瞳をスッと細められたリンコさま。
 顎をクイッと突き出すような動きをされたのは、いつものポーズ、という合図。
 おずおずと立ち上がる私。

「そんなわけだからさ、ちゃんと課題をクリアしたユタカに、ここで大人が嘘つくわけにもいかないでしょ?」
「だから今度の日曜日、直子、悪いけど一肌脱いでくれないかな?文字通りの意味でも」
 
 座られたまま見上げてくるリンコさまの瞳には、普段私を虐めているときにお見せになる嗜虐の妖しい炎が、すでにチロチロゆらめき始めていました。
 
「・・・つまり、今度の日曜日にリンコさまのお家にお邪魔して、そのユタカさまっていう小学4年生の男の子と、お医者さんごっこをしろ、ということですよね?」
 自分でリンコさまのお話をまとめながら言葉にするだけで、乳首とマゾマンコに血流が集まってくるのがわかりました。

「そういうこと。どう?イヤ?」
 イジワル度満点の瞳で見つめてくるリンコさま。
 リンコさまミサさま、おふたりとも同時に立ち上がられ、ソファー脇に連れ出されます。
 ミサさまの右手が素早く動き、スルスルっと私が肩から纏っていたショールを外されました。

「イヤだとしても、わ、私には選択権は無いのですよね?・・・それは、リンコさまのご命令なのですよね?・・・」
 私の返答を、ふふん、と鼻で笑われたリンコさまが、ペロンと私のティアドロップス水着をずらしました。
 小さな布に辛うじて隠れていた、大きく背伸びした右乳首がブルンと飛び出しました。

「何カッコつけちゃってるのよ。アタシの話を聞いているうちに、ここがみるみるムクムク大きくなって、下だって滴るくらい貼り付いて透けちゃってるクセにっ!」
 布越しにマン筋をスルリと撫ぜられました。

「ひゃんっ」
「うふふ。イヤイヤ言ってても、からだは正直だな?とかいうエロものでよく聞く台詞が、こんなに似合うシチュもないわよね。直子、やる気マンマンじゃん」

「あうぅぅ・・・」
 からかうように私の乳首とマン筋を指でクニクニもてあそぶリンコさま。
 
「実は、義姉さんから連絡もらった次の日に、チーフにもメールでお伺い立ててるんだ。もちろん、チーフの返事は、即、おっけー」
「だからこれは、アタシの命令って言うより、直子のお姉さまのご命令だと思いなさい。そういう意味で直子に選択権が無い、っていうのは正解よ」
 紐ビキニの股間を覆う細い布も完全に腿側にズレてしまい、剥き出しになったラビアの中にリンコさまの指が侵入していました。
 
「あっ、だめっ、そこは・・・」
「それに聞けば直子、何でも高校のとき小学三年生の男の子と、差し向かいでお医者さんごっこ愉しんだそうじゃない?どっかの森の中の子供たちの隠れ家に招待されて」
 リンコさまは本気で私をイカせようと決めたらしく、爪の先でカリカリと私の腫れ上がったクリトリスをなぶってきます。

「あっ、いいっ、は、はいぃぃ、しましたっ、やりましたからっ、あっ、そう、そこぉ、もっとぉ・・・」
 お姉さまったらそんなことまで、と思いつつも、リンコさまのクリット弄りがあまりに気持ち良く、両脚を踏ん張って両手を後頭部に当てた全面降伏ポーズの私。

「チーフにその日の様子を後日詳しく報告するってことで、直子の一日お姉さまになる権限を委譲されたのっ!」
「あーーーっ、だめぇーっ、イキますぅ、イっちゃいますぅぅーーっ、いいぃぃーーーーっ!!!」
 リンコさまのお言葉が途切れるのと、私がてっぺんまで昇り詰めるのが一緒でした。

「・・・で、でも・・・いいのですか?そんな、ご親戚の小学生の男の子に・・・」
 快感の余韻がいくらか落ち着いてから、ハァハァ息を乱しながら、あらためてリンコさまにお尋ねしました。

「シモネタって、闇雲に禁じたり遠去けたりするほど却って好奇心が膨らんで、隠れてコソコソしちゃうものじゃない?一度実物を間近で見ちゃえば、落ち着くんじゃないかな」
 私を弄り倒した指をハンカチで拭いながらリンコさまがおっしゃいます。

「精通前の時期に、エロいことに対する男としての常識的な接し方とか、女性を優しく扱うこととか、実地で性教育しとくのって、有意義な気がするし、面白そうじゃない。アタシ、精通前ならおねショタも大好物だしね。まあ直子の場合は、相手が小学生だろうが受けになっちゃうだろうから、ショタおね、になるだろうけど」

「それに、直子って確か幼稚園だか保育園の先生の資格持ちだったよね?それならガキンチョの相手はお手のものなんじゃない?」
「あ、幼稚園教諭免許です。でも学生のころに実習で1ヶ月くらいお相手しただけですし・・・」

「なあに?ユタカが男の子だからビビってんの?大丈夫よ。まだ毛も生えてないガキンチョの包茎ちんちんなんて、おっ勃ったって小ぶりなポークビッツくらいのカワイイもんだから。直子のトラウマみたくグロいことにはなんないよ」
 リンコさまが露骨なご表現で、私の一抹の不安を吹き飛ばそうとしてくださいます。

「オトコって言ったって、思春期前なら無駄に毛深かったりオス臭かったりもしないから。現に直子だって何年か前に、その隠れ家でやったお医者さんごっこでは、ちゃんと愉しめたんでしょ?」
「はい・・・」

「大丈夫、直子はハダカを見せるだけ。成り行きでちょっと弄らせたりもするかもしれないけど、とにかくユタカにちんちん出させたりは絶対させないから。まあ、ヤツも恥ずかしがって出そうとはしないだろうけど」
 小さく笑ったリンコさまが、再び私のバストに手を伸ばしてきて、鎮まろうとしない勃起乳首をイタズラし始めました。

「あんっ、わ、わっかりました。今度の日曜日、あっ、リンコさまの、ご、ご命令に、し、従いますぅぅっ、あぁんっ・・・」
 乳首を引っ張られたり潰されたりしながら、リンコさまに服従を誓う私。

「あ、そうそう。一番肝心なことを言い忘れてた」
 私のおっぱいから一度両手を引っ込めたリンコさまは、傍らにあった書類を挟む目玉クリップで私の乳首を挟みながらおっしゃいました。

「とは言ってもね、アタシ、小学生にマゾドレイとか露出狂とか、そんなディープなことまで教えちゃう気はさらさら無いの」
「あくまでもエロマセガキンチョにリアルな性の入口を垣間見せて、好奇心を真っ当に満たしてあげたいだけ。だから直子も、そのへんのとこを、よろしくね」

 おっしゃりながら私のふたつの乳首を目玉クリップで挟み終えたリンコさまの両手は、私の下半身へと滑り落ちていきます。
「はうっ!」
 リンコさまの両手でラビアを大きく抉じ開けられました。

「具体的に言うと、アタシのことを、リンコさまぁ、とか、ご主人さまぁ、とか、如何にも、私マゾ女でーす、みたいなベタな呼び方をしないこと。子供たちの前では」
「えっ!?子供たちって、いらっしゃるの、ユタカくん、あ、いえ、ユタカさまだけじゃないのですか?」

 バッチーン!
 リンコさまに思い切りお尻をひっぱたかれました。
「あぁうぅぅっ・・・」

「ほら、そういうところよ!相手はガキンチョなんだからさ、ユタカに、さま、なんて付けなくていいのっ!」
「それにアタシ、友達と池袋に映画観にくる、って言ったじゃない?多分、近所のミツルくんじゃないかな。仲いいみたいだし。ボーイッシュな女の子みたいな顔したイケメンくんだよ」

 いつの間にかリンコさまの手には、制汗スプレーの容器くらいな太さの銀色円錐形なバイブレーターが握られていました。
 ああん、今度は中イキさせられるんだ・・・と身構える私。

「だから当日アタシのことは、大沢さん、とか、凛子センパイ、とか、いたって普通に同じ会社の仲良し女子、みたく呼ぶこと」
「は、はいぃぃ・・・」

 バイブをズブリとマゾマンコに挿され、お手元のスイッチでウィンウインうねらせ始めるリンコさま。
「あっ、あっ、そんな、いやっ、だめっ、いいぃぃーーっ・・・」
 半脱ぎ紐ビキニで乳首に目玉クリップをぶら下げた服従ポーズで、プルプルと腰を震わせる私。
 カーテン全開の大きな窓からは、視界全面コバルトブルーな真夏の夕暮れが綺麗に広がっています。

「それから当日の服装も、いかにも露出狂です、みたいなヘンタイチックなのはやめてよね。スケスケとか、穴開き紐パンツとか」
「あんっ、で、でもでも、私が持っている下着、あっ、だめそこっ、あ、み、みんな、あんっ、リンコさま、あんっ、り、凜子センパイたちにっ・・・」
 私がお答えしようとしているあいだもリンコさまがバイブを動かしつづけるので、なかなか会話が進みません。

「せ、センパイたちに、全部、ま、魔改造、うっ、されてしまったので、だめっ、ふ、普通のって、もう持って無い、ないぃ、と思い、思いますぅ、ぅぅぅ、けれどぉ・・・」
 ジュブジュブ音をたてるほど動かされるバイブレーターに、必死で理性を保とうと快感に抗う私。

「あら、魔改造なんて人聞きの悪い。あれは、エロティックリフォームよ。でもまあ仕方ないから、下着は前日までにアタシが用意してあげる。それ着けてきなさい」
 バイブを出し挿れする右手は止めずに、ニコニコ顔で私に念を押されるリンコさま。

「服装は、そうね・・・あの年頃の子たちはやっぱり、優しそうで清楚な感じ萌えだろうから、無難に花柄ワンピとか、フリルブラウスにキワドクないプリーツミニ、ってところかな」
 普通にお話されながら、せわしなくバイブを動かしつづけるリンコさま。
 
「あっ、はいぃ、あっ、あんっ、だめ、もうだめっ、イ、イっちゃう、 イっちゃうぅぅ・・・」
 どんどん前屈みになって突き出す格好になっている私のお尻に、ビーズ型のアナルバイブも、ミサさまの手でいつの間にか挿入されていました。
 
「理想は、教育実習で小学校に来た女子大生先生ね。お淑やかで初々しくて清楚で、でもそこはかとなく大人の色気も感じさせて、って感じ?」
「一気に脱いで即下着姿より、一枚一枚、焦らすみたいに徐々に脱いでったほうがガキンチョは萌えるよね?ワンピは無いな。やっぱ当日はブラウスアンドスカート生脚ソックス」

「・・・んんーっ、はいぃ、おっしゃる通りにしますからぁ、凜子センパイィ、美咲センパイィ、イっても、イってもよろしぃでしょうかぁぁ・・・」

「間違っても露出大好き淫乱マゾ先生ではないからね?あくまで普通の清楚な女性なんだけど、たまたま他人にハダカを見られるのが好き、ってだけで」
「・・・あっ、イキます、イきますぅぅーっ、あっ、あーーっ、いいぃぃぃ-----っ!!!」
 
 ハダカを見られるのが好き、という属性だけで充分、普通でも清楚でもない、と思うのですけれど・・・
 
 心の中でそんなツッコミを入れつつも、マゾマンコとアヌスへの執拗な二穴バイブピストン責めで膝から崩れ落ち、リノリュームの床に倒れこむように、しどけなくイキ果てた私でした。


夏休み自由研究観察会 02