2010年6月6日

ランジェリーショップ 04

「何かいいのあった?」
 ディスプレイラックの下のほうの段をしゃがみ込んだ格好であれこれ探していた私に、突然上から声が降ってきました。
「ひっ!」
 小さく悲鳴をあげて顔を上げると、あの綺麗なマヌカンのお姉さんが真後ろから私を見下ろしていました。

 探すのに夢中になってしまいすっかり忘れていたのですが、この姿勢だと、短かいスカートのお尻側の裾が盛大にたくし上がって、見下ろされたらピンクのパンティが丸見えのはずです。
 いいえ、パンティの布部分は、もうすっかりお尻の割れスジにくいこんでTバック状態になってしまっていましたから、上から見たら裸のお尻状態、すなわちノーパンに見えているかもしれません。
 期せずして、さっきの妄想が現実となってしまいました。
 私があわてて立ち上がろうとすると、彼女も私のとなりにしゃがみ込んできました。

「こんなのは、どうかしら?」
 わざわざ選んで持って来てくれたらしい下着を、しゃがんだままいくつか広げて見せてくれました。

 全部ボトムでした。
 前も後ろも紐みたいなTバックと、ストッキングみたいな布質のスケスケビキニ、あとクロッチ部分が割れているシルクのビキニでした。
「え、えっと・・・こういうのは・・・ちょっと・・・」 
 えっちな下着とマヌカンお姉さんの綺麗なお顔を交互に見ながら、ドギマギしつつ小声で言うと、
「えー、なんでー?あなたにはこういうの、絶対似合うと思うんだけどなあ」
 ニッと笑って耳元でコソっとささやくんです。
 少しハスキーがかったそのお声に、からだがゾクゾクしてしまいました。

「それなら、どういうのがお望みなの?」
 興味シンシンな感じなマヌカンお姉さん。
「えっと、ボトムでしたら、両サイドを紐で結ぶような・・・」 
 お姉さんのニットもせりあがって、ストッキング越しの絶対領域が見えそうで見えない・・・
 私のドキドキが急激に高まってきてしまい、マヌカンお姉さんのお顔から目をそらして、小さく告げました。
「了解。待ってて!」
 マヌカンお姉さんは元気よく答えて立ち上がり、再び入口近くの棚に颯爽と歩いて行きました。
 えっ?ひょっとしてあのマヌカンお姉さん、けっこうえっちぽいのかな?
 
 マヌカンお姉さんが居ないあいだに私も立ち上がり、せり上がっていたスカートの裾とパンティの食い込みをコソコソ直しました。
 なんだか期待出来そうな展開になってきちゃったみたいです。
 パンティの布地にべったり貼りついてしまったアソコがヒクヒクうごめき、おシルが今にも内腿から滑り落ちそう。

「お待たせーっ」
 楽しそうなお声を響かせて、マヌカンお姉さんが戻ってきました。
 その左手には2、3枚のボトムらしき布を握っています。
 私の横に着くや否や、右手で私の手を握り、
「さあ、試着してみようっ!」
 おどけた感じで宣言され、私は右手を引っ張られ、レジとは反対側の隅へ連れていかれました。

 試着室が設えてあるのは、お店の入り口側、すなわち通路に面した側の奥で、ディスプレイ什器で隔てられた向こう側は一般のお買い物客が行き交う通路になっていました。
 2部屋ある試着室はけっこう広めで畳二畳分くらい、薄い木目の壁で仕切られていました。
 お店フロア側には横開きの厚めなカーテンがかかり、試着室に入って正面の壁には、全身が映る大きな姿見の鏡が貼ってありました。

「あっ、ちょっと待ってて」
 マヌカンお姉さんが一人スタスタとレジの方に向かいました。
 私も、バッグからティッシュとハンカチを取ってこようと後を追いました。
 マヌカンお姉さんはレジブースの中へ入り、棚から何かを取り出しています。
 どうやら試着用の紙ショーツみたい。
 それをいくつか紙袋に詰めています。

 マヌカンお姉さんを待つでもなく、レジの前でハンカチとテイッシュを手に、どうしよう?私、本当に試着しちゃう気?って困惑気味に立ち尽くしていると、マヌカンお姉さんがまた私の手を取りました。
「はい。準備完了よ!」 
 いたずらっぽく笑いながら、少し強引な感じで試着室のほうへ引っぱられます。
 手を引かれつつレジのほうを振り返ると、レジ前に戻って来ていた童顔なマヌカンさんがニコッと笑い、
「ごゆっくりー」 
 って、右手をパーにしてこちらへ向け、小さく振ってくれました。
 今現在、お店に他のお客さまは一人もいないようです。

 マヌカンお姉さんは、私に通路側の試着室に入るよう言いました。
「それから、これは試着用の紙ショーツ。これを穿いてからパンツを合わせてみてね」

 試着を迷いながらもマヌカンお姉さんのペースに流されちゃった形の私は、覚悟を決めました。
 穿き替えたら、お姉さんにお願いして、似合っているかどうか、じっくり見てもらおう・・・
 サンダルを脱いで試着室にあがり、カーテンをピタッと閉じました。

 お姉さんが選んでくれたショーツは、3種類。
 黒いレースのちっちゃめスキャンティタイプ。
 ピンクでサテンみたいなピカピカとした材質の若干ローライズなビキニ。
 前が布少なめ、後ろはV字型の大きめな布で覆うハイレグタイプの明るいブルー。
 どれも両サイド紐式で、片方だけ、すでに結んでありました。

 へー、いろんなデザインのがあるんだなー。
 それぞれ目の前で広げて感心しつつ、スカートに手をかけ、折り返しを戻そうとした瞬間、カーテンの端がめくれました。
「どうですかあ?」 
 お姉さんがカーテン越しにお顔だけ突っ込んで、覗いてきました。
「えっ?」 
 不意を突かれて驚きすぎて絶句していると、お姉さんがハイヒールを脱ぎ始めました。

「たまーに、紙ショーツ穿かないで試すお客さんがいるのよね。だから一応チェックを入れさせてもらっているの。いいでしょう?女同士なんだから、ね?」 
 ひそめた声で言いいながら、お姉さんが試着室に入ってきました。
 それは・・・そうかな?
 私にとって、すっごく嬉しい展開になってきました。

 こんな狭い空間で、私が一目見て惹かれた魅力的なマヌカンお姉さんに、恥ずかしい姿を間近で視てもらえそうです。
 このお姉さんも見かけによらず、えっちなタイプの人だったみたい。
 お姉さんが私の前に立ち、私たちが初めて顔を合わせたときみたいに、私の全身を上から下まで舐めるように見つめてきます。
 その切れ長な瞳に、なんだか妖しい光が宿っているように感じました。
 今までに何度か出会ったことのある、官能をくすぐるまなざし。
 これから私、どうなるのだろう?
 ドキドキワクワク、胸が盛大に高鳴ってきています。
 ただ、すぐ向こう側が通路ですから、間違っても恥ずかしい声とか、出したりは出来ません。

 お姉さんの視線は、私の足元を見つめて動かなくなっていました。
 うつむいて何かを真剣に考えているようにも見えます。
 ん?どうしたのかな?
 思ったと同時に、お顔を上げたお姉さんが私の短いスカートの裾に手をかけ、おもむろにバサッと大きくまくり上げました。

「えっ!?あ、いやっ!ちょ、ちょっと?!」
 思わず声は出たものの、されるがまま。
 あまりに突然過ぎてスカートを押さえるのも忘れて立ち尽くす私には委細かまわず、お姉さんは片手で私のスカートをまくり上げたまま、私の穿いているパンティをじーっと見つめています。
「・・・やっぱり、そうだわ・・・」 
 しばしの沈黙の後、独り言みたいにつぶやくお姉さんのお声が聞こえました。

 私のピンク色パンティの両腿付け根部分は、お家を出てからずーっと発情しっ放しな私のえっちなおシルで、一目でわかるほど色濃く変色していました。
 それを少しでも拭おうと思って、さっきハンカチとティッシュを取りに行ったのに・・・
 いやんっ!恥ずかし過ぎ・・・
 全身が、カーーッっと熱くなるのを感じました。


ランジェリーショップ 05

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