2010年6月26日

第二次性徴期と私 09

そんな経緯で私は、早くもオナニー二回目で、イク、という感覚を知ってしまいました。
そのとき見ていた『普通じゃないオカズ』 の刺激が強すぎたせいだと思います。
結局あの写真集は、2冊とも父の本棚には戻しませんでした。
いつか持ち出しがバれるなら、1冊でも2冊でも同じだし、と自分を納得させていました。
あの2冊の写真集が与えてくれる刺激を、もはや私は手放せなくなっていました。

初めてイった日以来、毎日と言っていいくらい、母が家にいないときや深夜にあの2冊を机の引き出しから取り出しては眺めました。
眺めていると、生理期間中はさすがにがまんしましたが、自然に手が胸や両腿の間に伸びてしまいます。
ただ、あまり夢中になって、あの日みたいな大騒ぎ状態に陥るのも怖れていました。
おそるおそる、気持ち良くなりたいけど、声が出るのをがまんしながらみたいな感じで、していました。

写真集の淫靡な写真を見て、頭の中でいやらしい妄想を広げながら、自分のからだをあちこち弄る行為自体が気に入っていたので、それだけで、たいていは満足していました。
たまに、私のむらむら感が強いときは、その先まで、少し真剣にやりました。
熱心にあちこちさわっていると、どんどん気持ちが良くなってきます。
その気持ち良さを、声を押し殺してがまんして、がまんして、がまんしていると、あの日ほどではありませんが、意識がふいにトンで、快感にからだ全体が押し流されるような瞬間が来ることがありました。
そんなふうに、中一の夏休み前までに私は、小さくイクことも覚えました。

図書館通いも、再び活発化しました。
大人用の棚にある医学的な性の知識書みたいなのを、まわりを気にしながらこっそり読んだり、以前の経験を活かして、大人向けの悩み相談の本を探したり。
そういう本で、SM、マゾ、被虐、緊縛、変態、陵辱、恥辱といった言葉の意味も知りました。

成長期の乳房は、あまり手荒に扱うと成長を阻害する、とある本に書いてあったので、おっぱいへの刺激は極力、やさしくもむだけにしました。
夢中になると、つい乳首をつまみたくなっちゃうんですけどね。
ふくらみ始めの頃からしばらくは、ちょっとさわるだけでも痛かったのですが、この頃はそれも薄らいでいました。

そしてクリトリス。
ここへの刺激が一番気持ち良いと、どの本にも書いてありました。
私が初めて、それがそういう器官だと意識して鏡で観察したときは、完全に皮をかぶって隠れていました。
ある日、オナニーをしているときに気づきました。
皮が少しめくれて、ツヤツヤとしたピンクの芽が顔を出していることに。
そっと指で触れてみました。
チクっていう、針に刺された痛みに似た感覚とともに、背筋がぞわぞわーっと粟立ちました。
なにこれ?
もう一度。
ぞわぞわーっ。
もう一度。
ぞわぞわーっ。
何度かそうしているちに、軽くイってしまいました。

あまりの気持ち良さに、しばらくの間クリトリスばかり責めてオナニーしていました。
興奮の度合いで、より大きくなることにも気づきました。
ある日のオナニーで、している最中にふとそこを見たら、平常時の倍以上に膨れ上がってツヤツヤ光っていました。
それを見た瞬間なぜだか、そこばかり弄ってはいけないような気になりました。
その後のオナニーから、イきたいときの最終手段としてだけ用いることにしました。

本屋さんに行くと、男の人たちが立ち読みしている後ろから、さりげなく、ある種の本の背表紙を眺めるようにもなりました。
『SM』とか『緊縛』とかタイトルに書かれている本です。
あの2冊だけじゃなく、もっと他の写真集が見たいという欲求がふくらんでいました。
もちろん、恥ずかしさと世間体で買うどころか手に取ることさえできませんでした。

テレビや映画のDVDを見ていても、女の人が縛られていたり、脅されて苦しそうな顔や怯えた顔をしている場面に敏感に反応するようになっていました。
近所のレンタル屋さんに行くと、ホラーとか、日本映画の文芸ものとか、それらしい写真がパッケージに写っている映画を借りてみたくてしょうがないのですが、やっぱり恥ずかしくて借りれません。
とりあえず、母と一回家で見て記憶に残っている映画の中から、えっちな場面や女優さんが縛られる場面があった映画を借り直してじっくり見ることで、欲求を紛らわしていました。

そんなオカズ面での欲求不満は、もはや頭の中に叩き込まれている2冊の写真集のお気に入り場面と、自分のえっちな想像力をフル回転させて描き出す妄想で補いながら、私は、自分が主人公の被虐ストーリーオナニーに嵌っていきました。

悪い人に捕まって手足を縛られて、無理やり服を脱がされようとしている私・・・
裸で縛られて、たくさんの手にいろんなとこを弄りまわされている私・・・
プールの後、下着が盗まれてノーパンで授業を受けることになった私・・・
宿題を忘れた罰に、みんなの前でショーツを下げられてお尻を叩かれる私・・・
オナニーしてるのを知られて、みんなにも見せてあげなさいと命令される私・・・
早くイかないと、洗濯バサミを乳首にはさむわよ、と脅されている私・・・

そんな妄想の中で、私を苛め、蔑み、嬲り、罵り、嘲笑うのは、なぜだかいつも私に似た声の女性でした。

洗濯バサミは、すぐ試してみました。
最初は、ベランダにあったカゴから適当に二つ取ってきて、自分の部屋でとりあえず指の爪のとこにはさんでみました。
予想以上に強い力ではさんできます。
腕の皮膚がやわらかいところをつまんではさんでみます。
痛いっ!
噛まれた瞬間に、激痛に近い痛みが走って、その後もじーんと痛みが継続しています。
5秒くらいで、はずしました。
はさんだ跡が赤くなっています。
これは、私には無理かな・・・
一瞬思いました。
でも、あの写真の女の人は、あんなに気持ち良さそうだし・・・

思い直して、今度は皮膚をたくさんつまんで、腕の別のところにはさんでみました。
さっきよりは、マシになりました。
はさんだときに、やって来る痛みがどのくらいなものか予想出来るようになったので、マシになったのかもしれません。
さっきより長い時間はさめました。
はさんでいると、だんだん痛みが鈍くなってきて、周辺がしびれるような感覚になってきます。
そして、はさんでいるのをはずすとき、もう一度大きな痛みが来ることも知りました。
噛まれた跡がまた赤くなっています。
はさまれている間の鈍い痛みは、少し気持ちいいのですが、はさむときと、はずすときの痛みはイヤだな。
そんなことを考えていたら、気づいてしまいました。
私のアソコの中がじんわり濡れ始めていました。
いやらしい妄想とかぜんぜんしていないのに・・・

母が出かけて家にいないある日の午後。
洗濯バサミの入ったカゴごと自分の部屋に持ち込みました。
その日は、洗濯ものがまったく干されていなかったので、我が家の洗濯バサミはすべて、このカゴの中です。
それらを一個一個手に取って、時間をかけて、はさみ具合の強弱を確かめました。
100個近くあったと思います。
母はそういうのに無頓着なので、いろんな形の、いろんな色の洗濯バサミがありました。
最終的に一番はさむ力が弱いのから、8個選んで自分用にしました。
必然的に、古びた感じのものばかりになりました。
残念だったのは、ほとんどがプラスチック製だったこと。
写真集の女性がしていたような木製のは、我が家にはありませんでした。
ただ、12個だけ、針金を曲げて作った金属製洗濯バサミがありました。
これは、とくにはさむ力が強くて、肌にはさんだらすごく痛そう。
これも2個、もらうことにしました。
これをはさめるようになるのが目標です。
下手に隠していると変だと思ったので、目に付いたハンガーに合計10個ひっかけて、クロゼットにしまっておくことにしました。

カゴをあった場所に戻してから、母が帰って来ると言っていた時間までまだ2時間くらい余裕があったので、早速実験してみます。

はさむ力が弱いと言っても、やっぱりはさむと痛いです。
ふくらみかけのおっぱい付近は絶対無理です
脂肪の多いところ、お尻、二の腕、脇腹、腿を候補にしました。
下着姿になって、いろいろ試してみました。
二の腕と脇腹は、痛さもちょうど良くてがまんできる感じでしたが、痛みを発する場所が胸やアソコから遠いので、オナニーのとき気が散ってしまうような気がしました。
二の腕だと、オナニー中は激しく動かすことになるので、よけい気になりそうです。
お尻はいい感じだったのですが、つけたままでは座れません。
立ってするか、うつぶせでするときなら、使えそう。
最後に残ったのは腿。
いろいろやった結果、アソコに近い内腿のあたりに左右一つずつはさむと、近くのアソコを痛みがジンジンと刺激して気持ちいいようです。
私は、内腿に左右一つずつ、さらに脇腹にも左右一つずつはさんでから、ある日発見して以来、小道具の定番となっていたマジックテープ付きのカーテンタッセルで両手首を一つに縛った姿になって、姿見の前に立ちました。
鏡に映った私の顔は、痛みで眉根にシワを寄せていて、自分で見てもえっちな顔でした。
写真集の女の人たちに一歩近づけた気がしました。

そのままの姿で、ベッドに仰向けに寝転びました。
頭の中を、あの写真集のように私が誰かに苛められている妄想でいっぱいにして、縛られた両手をアソコに持っていきます。
ショーツの上からそっと触れると、すでにえっち液が滲み出てきていて、すごく湿っています。
クリトリスのあたりをショーツの上から軽く撫ぜます。
その途端にビビビッと電流みたいなのが、腿と脇腹の痛みとともに、からだ中を駆け巡りました。
「あっ~~んっ!」
思わず大きな声が出てしまいます。
縛られている不自由な両手で、そこをしばらく撫ぜていると、気持ち良さが波のように押し寄せてきます。
「あん、あん、あーんっ!」

「ゆ、許してくださいっ、あんっ、お、お願いですっ」
妄想の相手に声を出して許しを乞うてみました。
「んんんんーーーーっ」
大きな快楽の波が押し寄せてきました。
「あ~んっ、いいいいいいーーーーっ」
そのままイってしまいました。

数十分間はさみっぱなしだった洗濯バサミをはずすときは、かなり痛かったです。
「んっ!」
涙が出そうなほどの痛さをがまんして、はあはあ言いながらなんとか4つはずしました。
噛まれた跡が、脇腹は赤くなってる程度でしたが、内腿は内出血したように少し青く、痣みたくなっていました。
私は肌が白いほうなので、すごく目立ちます。
これは、夏とか薄着になるときは気をつけないといけません。

母が帰ってくる前に大急ぎでシャワーを浴びて、噛まれた跡を入念にマッサージしました。
内腿の跡は1日くらいで消えて元通りになりました。

やっぱり私は、痛いのも気持ちいいみたいです。
やみつきになってしまいそうな自分に、もう一人の自分が少し呆れていました。


第二次性徴期と私 10

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