2010年6月27日

第二次性徴期と私 10

もちろん、家でも学校でも、私がそんな行為をしてることが絶対バレないように気をつけていました。
汚した下着やタオルは、お風呂のときに一緒に持って入って軽く水洗いしてから、洗濯カゴに入れていました。

そしてもちろん、いつもえっちなこと考えて部屋でオナニーばっかりしていたわけではなく、ちゃんと勉強もしていました。
私はもともと勉強が苦にはならないタイプなので、新しい知識を得ることは普通に楽しみでした。
とくに、中学から始まった英語と、自然界の仕組みを理屈で説明する理科が好きでした。

そして、中学生になって二ヶ月過ぎた頃、もう一つ私の楽しみが増えました。
バレエ教室に通い始めたんです。
母がみつけてきてくれました。
私たちの住んでいる町から3駅先にある、この沿線では一番にぎやかなターミナル駅にお買い物に行ったとき、みつけて寄ってみたそうです。

「良さそうなお教室だったわよ。レッスンルームもキレイで、華やかで」
「なおちゃんくらいの年代の子が、きれいなプロポーションに成長できるように考えられたコースがあるんですって」
「なおちゃん、まだ部活入ってないんでしょ?体力使わないと体重増えちゃうわよ?」

母は、自分が習うみたいにウキウキして勧めてくれました。
私もまだ学校で親しい友人ができていなかったので、ヒマだしやってみようかな?
と思いました。
体力は、夜毎のオナニーでけっこう使ってるとは思うけど。
通うことになれば、毎週一人で電車に乗って繁華街に行ける、っていうのも魅力でした。

翌日の放課後、母と待ち合わせて二人で電車に乗って、そのバレエ教室を見学に行きました。
そのお教室は、駅前すぐの大きなビルの5階にありました。
受付で母が、見学の予約を入れた者です、と告げるとすぐ、レッスンルームに通されました。

大きな壁一面が鏡になっていて、その前のバーに片手を置いた6人の女の子たちが、真剣に膝の屈伸みたいなことをしています。
私は、そのレッスン風景を見てすぐ、やりたい、と思いました。
そのとき、踊っていたのは高校生からのコースの人たちでした。
彼女たちが身につけている色とりどりのレオタードに一目惚れしちゃったんです。
かわいくて、綺麗で、ちょっぴりえっちで・・・

一人、胸がかなり大きくてプロポーション抜群の女の人がいました。
私は、その人の姿ばかりを追いかけて、
私もあんなふうになれたらいいなあ・・・
と見蕩れていました。

私が希望している中学生の6月からのコースは、すでにレッスンが始まっていましたが、受付の人がなんとかしてくれる、と言うので、一週遅れで次の週の木曜日から毎週、バレエ教室に通うことになりました。

受付の人が教えてくれた、近くの駅ビルに入っているスポーツ用品店で、レオタードやタイツや練習用シューズなど、必要なもの一式を母に買ってもらいました。
お店の人は、
「このくらいの年齢の女の子は、日々成長していくから、少し大きめなくらいのレオタードを買ったほうがお得」
って教えてくれましたが、母は、
「きつくなったら、また買い直します。今この子にぴったり似合うレオタードにしてください」
と譲りませんでした。
色もいろいろありましたが、私は迷わずグリーンを選びました。
さっき見学したとき見た、胸の大きな女の人がグリーンのレオタードだったから。

こまかい調整をしてもらうために、母と一緒に試着室に入り、着てみました。
私の胸は、まだカップが必要なほどふくらんではいないので素肌の上から着ました。
下半身は、ショーツを履いたままです。
母が無言でじーっと、私が制服を脱いでレオタードに着替えるまでを見つめていて、恥ずかしかった。
着終わって、鏡を見てみます。
「なおちゃん、よく似合うわあ」
母はすごく嬉しそうです。

肩紐のところが若干ゆるくて、胸元が少し開いてしまっている以外、お腹や腰はピッタリでした。
学校で着ているスクール水着より両腿のVラインがやや鋭角ですから、今はショーツがはみ出してしまって恥ずかしくもカッコワルイですが、レッスンのときは、レオタード用のショーツやタイツを穿くので問題ありません。
母も同意見だったらしく、
「ちょっと両肩を詰めなきゃだめね」
と言いながら、両手でそこを持って上にクイッと上げました。
胸元が閉じると同時に、私の二つの乳首の突起が、グリーンの布地に浮き上がりました。
「やんっ」
思わず言ってしまいました。
母は気に留めもせず、試着室のカーテンを開けて顔を出し、
「よろしいかしら?」
と店内に大きな声をかけます。
男性の店員が近づいてきたらしく、
「あなたじゃダメ。女性の方、さっきの店員さんはいらっしゃらないの?」
こういうときの母は頼りになります。
でも、さっきからカーテン開けっ放しなので、私はどきどきでした。

女性の店員さんと相談して、肩紐を少し詰めてぴったりにして、バストトップはその部分に裏からあて布して隠すことになりました。
母は、レオタードと同じ色のカチューシャと初心者用のバレエの基礎が図解されている教則本も買ってくれました。

その二日後、仕立て直したレオタードを、母がお買い物のついでに引き取ってくるのを、私はワクワクしながら待っていました。
母から手渡されるや否や急いで自分の部屋に戻り、服を脱いで、いったん全裸になってから、レオタード用のショーツをまず穿きます。
激しく動いてもはみださないように、V字が鋭角になっていてセクシー。
後ろはほとんどTバックです。
姿見に映してみます。
ショーツがベージュなので、一見全裸のように見えます。
我ながら、かなりセクシーです。
そして、おもむろにレオタードに脚を通しました。
胸の部分もうまく補修してあって、不自然さはありません。
「似合ってるじゃん」
私は、鏡に向かって声に出して言ってみました。
最後に髪をまとめて、頭にカチューシャをします。
バレエを習うと決めて、ウエストくらいまであった髪を肩くらいまで切りました。
少しウエーブもかけて、自分では大人っぽくなった、と思っているのですが、そう言ってくれる人はいませんでした。

そのまま、部屋の中で、この二日の間に教則本で覚えたバレエの基本ポーズのいくつかを、やってみます。
すごくウキウキしてきて、軽快な足取りで階下に降りました。

「じゃーんっ!」
自分でそう言いながら、母の前で教則本で知ったばかりの『アラベスク』のポーズの真似をします。
「あらあら、なおちゃん。ピッタリね。よく似合ってるわー」
母も嬉しそうに笑ってくれます。
確かに生地の伸縮性が良くて、どんなポーズをしてもからだにぴったり張り付いたまま、ついてきてくれます。
水泳のスクール水着は、水に入ってないときは少し窮屈ですが、このレオタードは、まるで着ていないみたい。
私は、すごく気に入ってしまいました。

「ねえねえママ、私お風呂に入るまで、この格好でいていい?」
「寒くないならいいわよ。慣れなきゃね。でも、こんなにセクシーなお嬢さんに家の中をそんな格好でうろうろされたら、ママ目のやり場に困って、どきどきしちゃう」
「えへへ」
「パパも早く帰って来ればいいのにね」
母は、少しさみしそうに、そう付け加えました。

次の週の木曜日、また母と二人でバレエ教室に向かいました。
一週分の遅れを埋めるために、レッスン開始時刻の30分前から、前回分のレッスン内容をマンツーマンでざっと教えてくれるとのことでした。
早めに行ったほうが良いだろうということで、更に20分余裕をもって到着しました。
お教室に入ると、前のレッスンの生徒さんたちが着替え終わり引き上げる頃のようで、小学3~4年くらいの女の子が数人、ロビーでキャイキャイしてました。
母が受付で名前を告げると、奥のほうから、スラっとしたボーイッシュな感じの若い女性が現れました。
「はじめまして。担当講師の百合草やよいです」

百合草先生には、本当に良くしてもらいました。

その約一年後に遭遇した、私にとっては重大なある出来事のとき、親身になって相談にのってくれて、アドバイスしてくれました。
百合草先生とのあれこれは、また別の機会に詳しくお話します。

そんなふうに、私のバレエレッスンは始まりました。
そして、もう一つ、バレエ教室に通うようになったことによる大きな変化がありました。


第二次性徴期と私 11

0 件のコメント:

コメントを投稿