2011年8月21日

氷の雫で濡らされて 09

ペットコーナーにシーナさんの姿はありませんでした。
おトイレにでも行ったのかしら?
私は、携帯電話をかけてみました。
お話中でした。
ここで少し待ってみよう、とベンチに座った矢先に電話がかかってきました。

「意外と早かったわね。わたし今3階にいるの。だからそーねー、さっき寄った化粧室のあたりまで来てちょうだい」
「あ、はい・・・」
「服は乾いた?」
「えっと、だいたいは・・・」
自分の胸元を見ると、まだ少し湿ってはいますが、普通の感じに戻っていました。
「そう。じゃあ待ってるわ」
プチッと電話が切れました。

エスカレーターで下りていく間、手首に巻かれたショーツが気になって仕方ありませんでした。
明るいピンクでレースの飾りがチマチマ付いたそれは、確かに一見シュシュみたいには見えるのですが、よーく観察すれば布の重なり具合とかレースの配列がかなり不自然。
さっきの女の子にさえ見破られちゃったくらいですから、行き交う人の中には気がついている人がいるかもしれません。
あの娘、あんなところにこれみよがしに下着付けちゃって、きっとノーパンをアピールしたいのね・・・
とか思われているかもしれません。
それでも私はシーナさんに叱られるのが怖くてはずすことが出来ず、なるべく右腕を動かさないように、目立たないように緊張して3階に向かいました。

3階のフロアを南へ向かい、シーナさんと出会ったお化粧室の近くまでやって来ました。
突然、ポシェットの中のローターがヴーーンって低く唸り始めました。
「ひゃっ!」
思わずポシェットを右手で押さえていると、死角になっていた通路からシーナさんがツカツカと近づいてきました。

「あら、直子さん?ローター、挿れてないの?」
シーナさんが私の目の前で立ち止まりました。
「あ、は、はい・・・」
「なんだ、がっかりね。直子さんなら喜んで挿れてくると思ったのに」
「あ、あの、ま、迷ったんですけど・・・」
「ゆりさまの躾がまだ行き届いていないってことだわね。で、タンポンは?」
シーナさんは冷たいお顔になって、冷ややかに聞いてきます。

「あ、はい。挿れました」
「そう。だったら・・・」
シーナさんがそう言いながら、まわりを見渡しました。
婦人服売場はさっきよりも人がいて、おばさまやお姉さまたちが行き交い、そこそこ賑わっていました。
「ま、いいか。行きましょ」
シーナさんが私の右手を取り、グイッと引っぱって歩き始めました。

7、8人が乗ったエレベーターが動いている間、シーナさんは無言でした。
つないでいた手も離し、じーっと天井付近を眺めていました。
1階で降りて、そのままデパートの外に出ると、シーナさんがまた手をつないできました。

デパート前を行き交う人、人、人。
老若男女入り乱れて、みんな一様に暑さにまいっているご様子。
白昼堂々女性同士で手をつないで歩いている私たちの、そのつながれた右手首で揺れているピンクの布片が注目されているような気もしてきます。
「どちらへ行かれるんですか?」
黙ったままのシーナさんに話しかけても、シーナさんは振り向きもせずズンズン歩いていきます。

デパートから少し離れた駐車場ビルに入りました。
「それにしても今日は本当に暑いわねー。さっさと車に乗りましょう」
「えっ?車って?」
「あれ?言ってなかったっけ?わたし、今日、車で来たのよ」
シーナさんがエレベーターのボタンを押して、誰も乗っていないエレベーターに乗り込み、3階で降りました。

薄暗いスペースにたくさんの自動車が規則正しく並んでいました。
吹き抜けになった駐車場は風が通って、表の通りよりは涼しい感じです。
「確かここいらへんだったと思うけど・・・あ、あったあった」
シーナさんの愛車は、黄色くて四角張っている可愛らしい感じの車でした。
「人がいなければここでもちょっと遊ぶつもりだったんだけど、無理そうね。仕方ないからさっさと行きましょう」
10メートルくらい向こうで、家族連れらしき一家のチビちゃんがはしゃぎ声を上げていました。
新しく入って来たらしい車が、シーナさんの車の3台向こうに駐車しようとしていました。
そんな光景を眺めている間に、シーナさんはもう車に乗り込んでいました。

助手席のドアを開けると、シートの上に薄いグリーンのバスタオルが敷いてありました。
「座り方は、わかっているわよね?」
「はい・・・」
久しぶりの生尻じか座り。
ワンピースの裾を浮かせて、バスタオルの上に裸のお尻を直に置きます。
二年前の夏、やよい先生とドライブしたときを懐かしく思い出しました。

シーナさんがエンジンをかけると、エアコンから冷たい空気が吹き出し、ラヴェルのピアノ曲が流れ始めました。
私がシートベルトを締めようとすると、シーナさんが手を伸ばしてきて制しました。
「その前に胸元のボタン2、3個はずして、背中を向けて」
「あ、は、はい」
シーナさんに背中を向けてうつむき、ワンピースの胸元のボタンを2つはずしました。

シーナさんの手が私のワンピ背中に差し込まれました。
「ああんっ」
シーナさんの手にワンピの背中の布が引っぱられ、肩脱ぎみたいな状態になり、両肩が完全に露出してしまいました。
「あの、ちょっと、シーナさん?」
私の胸元は、横8の字にかかったロープがモロ見え、両乳首ギリギリまで露になっていました。
この車のそばに人が来ませんように。
祈るようにフロントグラスを見つめていると、ちょうど目の前を一台の車がゆっくりと通り過ぎていきました。
「きゃっ!」
思わず両腕で胸をかばってしまいます。

「はい。ほどけたわ」
シーナさんの手が背中から抜かれ、縄ブラが緩んでいました。
「あとは自分ではずしてね。もう2時間以上縛ったまんまだったから、そろそろいったん、はずさないとね」

左右のおっぱいにじわじわと血流が戻る感覚。
ジーンとしびれていたおっぱいがジンジンジワジワしてきました。
横8の字に締め付けられていたおっぱいがやっと自由を取り戻し、そこだけ別の生き物みたいにウズウズ疼いています。
乳房全体が熱を持ち、ワンピの布地がちょっと擦れただけで、ビンビン感じてしまいました。
痛いような、痒いような不思議な快感。

この快感をしばらく味わっていたかったのですが、シーナさんが言ったことを思い出して襟ぐりから右手を差込み、ほどけたロープをワンピの外に引っ張り出しました。
「ああんっ!」
ロープのザラザラが左の乳首を不意に擦って、尖った乳首がピンッって弾かれて、その気持ちよさに思わず大きな声が出てしまいました。
「あらー。気持ち良さそうねー。この開放感もいい感じでしょ?それじゃあ前を向いて」
シーナさんも運転席で前に向き直りながら言いました。

「このロープは?・・・」
引き抜いたロープを束にまとめてからシーナさんに差し出しました。
「それは直子さんのバッグにでも入れておいて。また後で使うかもしれないから」
「あ、それとワンピのボタンはそのままよ。はめちゃダメ。そのワンピ、スタンドカラーだから合わせておけば見えやしないわよ。そのくらいの勇気は、あるでしょ?」
「あ、はい・・・」
「シートベルトして」
私は、肩脱ぎ状態だけを直し、胸元のボタンを4つまで開けた状態でシートベルトをしました。
シートベルトがたすき掛けになり、胸元を押さえてくれます。
ちょっと安心。

「シートベルトしたら、ワンピの裾をめくりなさい」
「えっ?」
「え、じゃないわよ。直子さんがちゃんとタンポン挿れているか確かめるの。早くしなさい!」
シーナさんの叱責に、私はあわてて裾をまくり上げました。
ツルツルな私の腿の付け根部分から、白い紐が一本、垂れ下がっています。
シーナさんが私のほうを向いて確認しました。
「じゃあ、それ、抜いちゃって、代わりにローター、突っ込みなさい」
シーナさんのお声が取りつく島もないほど冷たかったので、私は黙ってポシェットを開け、ローターを取り出しました。
「直子さんのおツユでグズグズに汚れたタンポンは、ポシェットの中のビニール袋に入れて、またポシェットに入れておきなさい」

私は、タンポンの紐を引っぱりタンポンを抜いて、言いつけ通りに処理した後、ローターをウエットティッシュで拭ってから自分のアソコに押し込みました。
すでにバスタオルに垂れるほどジュクジュクでしたから、ローターもツルンと難なくおさまりました。

「さてと、ようやくドライブ出発ね。その前に一つだけご忠告。これから駐車場を出て駅前の通りを抜けるまで、たぶんずっとノロノロ運転だと思うの。この車のまわりをひっきりなしに歩行者が行き交うことになると思うわ」
「だから、ずっと普通の顔をしていること。出来ればニコニコ笑っているのがいいわ。間違ってもいやらしいアへ顔とかしてわたしに恥をかかせないでちょうだいね」
そこまで言ったシーナさんがブォンと車を発進させ、同時に股間のローターが震え始めました。

「あーーんっ!」
いきなり最強です。
予期していたとは言え、火照ったからだに油を注ぐような強烈な刺激に、私は知らず知らず内股になってアソコの中のローターを締め付けてしまいます。
こんなんじゃ、すぐにイっちゃいそう・・・

車はゆっくりとスロープを下り、料金支払機の前で停車しました。
股間の震動は波紋のように、アソコから私の全身へと快感の波を送ってきます。
私は自分の胸の前で両腕を交差して、自分を抱きしめるみたいにうつむいて、快感に抵抗を試みます。

「あぅぅうぅ」
それでもあまりの気持ち良さに、意図しない声が喉の奥から洩れてしまいます。
「ほら、そろそろ通りに出るから、シャキッとしなさい!」
そんなことを言われても・・・
「んぐぅ・・・」
気持ちの良い波が何度も何度もからだに押し寄せるのを、私はうつむいて必死にがまんするしか出来ませんでした。

車が駐車場の出口に到着して、お外の通りへの信号待ちの間、制服を着たキレイなお姉さんに止められています。
上目遣いに見る目の前の舗道には、ひっきりなしの歩行者がガヤガヤと歩いています。
さすがに覗き込んでくるような人はいないみたいですが、みんな見るともなしに車の中を見ていくみたい。
そんなことを考えている間も、からだはどんどん昂ぶっています。
ビクンビクン波打つからだを制御できません。

もう、いいや!
せめてイキ顔をみなさんにお見せしないように、うつむいたままイっちゃおう。
「んぐぅーっ」
私がそう決心したときに、ローターの震動がピタリと止まり、車が駅前の大通りに滑り出しました。
「直子さん?あなた、イっちゃおう、って思ったでしょ?わたしは、普通にしてなさい、って言ったのに」
シーナさんの冷たいお声。
私は悲しくて仕方ありません、
あと少しでイけたのに・・・
自分を抱いたままうつむいています。

「まったくいやらしい子なんだから。人が大勢歩いてるっていうのに、おかまいなしでイキたいの?」
車は何度も信号に捕まり、ノロノロと進んでいました。
相変わらず窓の外を無数の人たちが行き交っています。
「あら?イけなくて拗ねちゃったの?子供みたいねえ」
車がようやく繁華街を抜け、スイスイと走り始めました。
「あんっ」
ローターのスイッチが入りました。
でもこれは弱。

シーナさん、怒っちゃったかな?
私は、シーナさんが今どんなお顔をしているのか見たいと思い、顔を上げました。
シーナさんは澄ましたお顔で運転していました。
でも、それより驚いたのは今走っている道。
見覚えのあるその通りは、私が毎日学校へ行くのに歩いている道でした。
「あ、あのシーナさん?これからどこへ行こうと・・・」

「はい。着いた」
私の言葉が終わらないうちに車が停まりました。
そこは、私が住んでいるマンションのまん前でした。


氷の雫で濡らされて 10
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